海と空は手を合わせ
真っ白で
ふわふわの
雲のじゅうたんをつくっている
風はごうごうと
じゅうたんを
夕日にひきわたし
夕日は
やさしく
オレンジ色に
染めている
通りか ....
朝の笑顔を迎えた日曜日
夢紅葉
雑誌も吟味、眠れないままに
秋色のフリーペーパー
君の趣味趣向
時事ネタの展開
絞っていくプラン
H2Oに近い水が
流れるような呼吸 ....
きれいな声で
うたってた
金糸雀みたいに
誰もいなくなった教室にかばんを置いて
二階の廊下から駐輪場を眺めながら
校庭でもくもくと走りながら
ボールの弾む体育館で人知れず
ほんとうに ....
・僕は電車で真ん中に座る
少し語ろうと、思う。今しか語れない事や、それから少し前の事を。先の事を。
もうじき30歳になるある日、僕は友人と酒を飲み、そうして勢いで、次の日の仕事を休む電話を会社 ....
世界は私に嘘を吹き込むのに
価値を求める
自分には価値が無い
と言うのなら周りを見た方がいい
嘘、嘘、嘘
男らしさは偽り
化粧は偽り
優しさは偽り
この中で存在しているのなら ....
ゆびわに
そっと磁石をちかづける
朝
ななめのばしょで
かたむいた空にみみをつける と
ゆびさきから
そまる
淡いあさやけのいろで
誰も彼も
うすまってゆく
呼吸 ....
とうとう 見つけられてしまった
うつ伏せに寝ているわたしの
左足のつけね
紋章のようなかたち
うす茶色
くちづけをしてあなたは
これはなあにと
指でも確かめながら聞く
それは記号
わ ....
ピアノは好きだけど嫌いだった。
鍵盤が硬かった。
嫌いで嫌いで
ハーモニカを習った。
おじさんがタバコで
輪っかの煙を吐いてくれて
嬉しくて
通った
親はすぐにエレクトーンを
....
{引用=夢を見た。}
夢の国に行ったら神様はいなかったけど
ミッキーマウスがいた。
「みんなの人気者」なんて嫌いだったから
ディズニーランドで会っても
手なんか振ってやらないと思ってたけ ....
「ブリザード」
梢吠え闇の怒りと共鳴し生を償う旅路震わす
零℃切るなみだ氷雨が張り詰めた世界の銀を裂くデリュージョン
ブリザード膝つき見上げる万華鏡身を刺す寒もい ....
イタイイタイは垂直になってどうぞこのまま硝子の塔に
前戯だけして帰るなら切り裂いて君の不穏な肉を食べたい
命の数 数えてみたらマイナスにしかならないのは人間界だけ
闇雲に ....
軋む骨 滲む血
白い皿の上に横たわる 頭部のない私の死体
当然の帰結のように
導き出された答えのように
あるいは悪い夢のような日常を終わらせるみたいに
夜毎 夢の中で惨殺される私 ....
目の前に
清らかな川の流れがあった
両手ですくった水を飲むと
足元の小さい花がゆっくり咲いた
村に戻り
壺に汲んで運んだ水を
器にそそいで皆にわけると
口に含んだ人のこ ....
まどろみの向こうで
たまごが焦げる
かしゅ、かしゅ、と三つを割って
手馴れた指は
ぬるく充満した昨夜の空気と
朝とを掻き混ぜたのだろう
ふっと白くなる意識と
休日の実感とを
贅沢に ....
夜の始まりは
もうそこまで来ている
この夕刻の佇まいに
街よ 街よ
幾千人の人が
整備された
君の歩道を歩む時
街路の樹木も色づき
寂しげに 落ち葉も 舞う
この風に
....
踊るクレヨン。
薄っぺらいやみを
のたうち回るクレヨン
頭はばくはつし、炎をもやし
うすよごれた体には
雷のさきっちょが落っこちて、
まっさかさまに
突き刺さっている
その ....
ふ と
空を見上げると
家の間に
雲の子どもが住み着いていた
「おぉい」
こちらを向いた
「家賃は払ってくれますかぁ?」
雲の子どもは頷き
そこを動かない
僕は家に入った
....
なあ
おまえがいないと
おれは飯も炊けなくて
酒の相手もいなくて
洗剤の量もまったくわからないし
だいたい
おれはバター派なのに
あの買ったばっかりのマーガリンどうするんだよ
....
これは詩ではない
でも詩ということにしとく
14歳万引きで警察に捕まって
3人のうち俺が主犯だと
引き受けて
それにはいろいろ事情があった
万引きでも相当大きいのだった
裁判所に ....
ほんとうの事が知りたいけど
正しいかどうかはどうでもいい
つまり、とりあえずは磁北を信じて
夜どおし動かない星を探し出す
北極星、と呼ぶのは僕たちだけで
イトスギ達にはきっと別の呼び名がある ....
飴色の過去に浸る君に僕は言う
『ねぇ、果ての存在を信じる?』
ひび割れた壁を伝う光に手をのばして笑う
『ない、ないよ。そんなものただもとの位置に戻るだけだ』
背後から ....
今年こそ
サンタさんの お手伝い
したいと思ってたんだけど
まだまだ力不足
家にいるよ
雪の結晶
光
三次元の万華鏡
夜空のスクリーンに映し出す装置があるんだよ
....
夕焼けに深い藍が沁みてゆく 君よ声を出さずに泣くな
寒椿体温混じるその時に二人一つの罪に散る朝
私の破片を集めても私にはならぬそれは君とて同じ事
知らぬ間に花なくなりし金木犀 時は ....
何かを掴もうと 手を伸ばしたら
逆に引っ張られた
欲しい物が手に入った と思ったら
精巧にできた まがい物だった
声をかけられて 振り向いたら
同じ服装の人たちが 手招き ....
誰も知らない小さな広場に
誰も知らないサーカス、星をかかげて
青いテント 青いテント
少年は見つけた 舞台の上に
真昼の光線のしたたりを浴びて
少女が一人 くるくる回る
風のようなピルエッ ....
大好きな人の肌に唇を押し当てるのが好きで、
その熱と、鼓動を。
生きていることに感謝する。
生きていたことに感謝する。
熱と鼓動を確かめる。
余計なことをすべて省いてしまえば、生きるとは ....
やさしい人に出会ったの
笑顔が素敵で
時々いじけるわ
大きな孤独をはらんでる。
あの人が不安な時は
いつも布団を被って縮こまる
暗闇で光を抱えてる 小さな子供みた ....
その頃田舎で独り暮らす老婆は
畳の部屋で湯飲みを手に
炬燵の上に置いた
一枚の白黒写真をみつめていた
身に纏う軍服と帽子の唾下から
時間を止めたまま今も微笑む
あの日の息子
....
月が銀青色に染まる時
ユニコーンが目を覚ます
冷たく輝く月の光に
象牙色の角が光り
キーンコーン
青白い星は夜を彩る
のっそり起き上がったユニコーンは
青い瞳を輝かせ
暗い森の中を ....
慎二、おまえは
ド近眼で彼女もいない。
牛乳瓶の底みたいな
強烈に度のはいったレンズが映す、
ちいさな瞳の瞬くそれは
カビンさとジコチュウ――
世間知らずの見た
遠まわしの空腹みたい ....
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