わたしが無職だったころ
茹で卵と塩むすびだけはんかちに包んで
毎日河原へ出かけていた
それしかやることがなかったのだ
アンケート用紙とかに
無職
と書くのが厭だったので
仕事を探してはい ....
朝からの風の匂いで
前線の真下にいると気付いたところ

一晩じゅう置き去りにした鍋からは
酸っぱい匂い、残る悲しみ

部屋干しの洗濯物に引っかかる
濡れた髪の毛
湿ったタオル

鉛 ....
リリリリー
公共地下道に蟋蟀の鳴き声が
響き渡る

蟋蟀の
姿は見えない

最近の公共地下道は
明るすぎて人工物まる出しで
めまいがする

塾帰りの中学生たちが
とめどなくおし ....
オーケストラが奏でる
古めかしい旋律のように
言葉は重みを増して
生命の美しさを語る

指揮棒に合わせて
ピアノが歌えば
ほらもうそこは別世界
目を閉じて
心で聴いてよ
あなたの産 ....
夏の

匂い

蚊取り線香の匂い

湿っぽい冷房の匂い

熱くなりすぎた樹脂の匂い

アスファルトに大粒の雨

三回以上したあとの女の匂い

虫たちの

みどりの影
 ....
空で迎える最初の誕生日に
どんな言葉を送ろうか


どういうわけかわたしの周りには
夏が好きな人が多くて
きみもその中の一人で
暑いのが苦手なわたしには
何度夏の良さを説かれても
賛 ....
毎日
大学病院前の
ひろいバス停で
猫背のひと

みどりはつよく
陽にあたってきみどり

おばあちゃんのズボンは
昔からサルエル

床のタイルのここは
どうして一枚だけ
はげ ....
囁く甘い言葉に
隠された戸惑いを

知っていながらも貴女は
優しく微笑む


ひねくれた冷たい心
溶かしてあげるって

貸してくれた左肩が
僕の全てになった
七月の雷鳴は
緊張性頭痛の彼方に遠ざかり
かいつまんだ夏の
漂着物だけが胸を塞いでいる

八月の岩壁から
ひ弱な海鳥はまだ飛び立とうとはせず
なまあたたかい波が
何度でも砂浜を嘲笑って ....
蜻蛉が雫に映るとき、
雨の一粒一粒に
空は宿る。
濡れては飛べぬその羽は、
悲哀の純度で透きとおる。


雨の最後の一滴が
蜻蛉の羽に落ちるとき、
無数の空は連なって
ひとつの空を ....
とりもどすんだ

とりもどすんだ

失なわれた私を


その腕を振りほどいて

纏わるものを祓い浄めて

もとに戻すの


もう

なにもいらない

みんな ....
今日であなたとサヨナラ
ずっと一緒にいたかったけど
ごめんね、ごめんね
何度あやまっても
許されない

今日であなたとサヨナラ
ほんの短い間だったけど
ごめんね、ごめんね
あなた ....
かみさまおねがい
どうしてひとはしぬのか
おしえて

かみさまおねがい
どうしてひとはけっこんするのか
おしえて

かみさまおねがい
どうしてひとはこいをするのか
おしえて

 ....
君の首筋に
この指をなぞらせる

はやく
心臓をえぐりだして
左心室の筋肉の美しさを閉じ込めてしまいたいと思う

虚ろを見据えるその瞳は
もう二度と脳内と信号を交換することもないのだ
 ....
何処までも続く涯の無い青空の下に/

何処までも続く涯の無い青空の下に埋もれたまま
彼は独りぼっちで数と戯れていた
無数に飛び交う数字と記号を捕まえては空白を埋めて行き
それが正しいかどうかを確か ....
こんなにもわたしのからだは
文明に侵されていたんだ

しゅわしゅわと熱がからだにしみこむ

気づいて、気づいて
こんなにもさみしさが背骨にわだかまっている
生きてて、生きてて
伸ばしか ....
波が足下に打ち寄せる
私の足場を削ってく
疑えば
何もかも離れてゆくよ

波が足下に打ち寄せる
私の土台を削ってく

信じれば
必ず報われるとはかぎらないけれど

波が足下に打ち ....
ここに来てもっと時間が欲しい。自分の時間が。
寝れなくなるまで寝ていたいし、起きていられなくなるまで起きていたい。
ブッ飛ばしても行きたいし、ダラダラとくねらせてもいたい。
いつまでも慎重に ....
 入口と出口

どこにも入口はない
出口すらない
つまり解決はない
解決すべき問題もない
ただ座っているだけだ
もうこうして幾年になるのか

皆うれしそうだ皆しかるべき
入口から入 ....
あなたによく似た制服姿の男の子が最近やたらと目に付くのよ
白い横顔に長い前髪 華奢な鼻にひっかけた眼鏡

ヒールの足で踏み荒らしたあなたの綺麗な世界は今はもう元に戻っている?

わたしの事は ....
操作されるのは

コントローラーがついているから

敵はどこだ味方はまだかと

そんなこんなしている内に

独りきりになっていた

可愛く写真に写ろうとしても

いつも笑顔には ....
三日月みたいな太陽だと

月が割り込んできただけじゃねえか

三日月みたいな太陽か

戦争なんかもそうなのかな

エゴの上にネーションがあって

ネーション同士のあいだに

ふ ....
水のない水槽の中で
ただじっと空を見ていた
泳ぎ方を忘れた魚たちには
青の区別がつかない

水のない水槽の中は
水がない分だけ騒がしい
自分の鱗のはげ落ちる音にすら
耳を塞ぎたくなるほ ....
私の友達と云う人々は、つきのひとが多い
いくつもの、ものすごいクーデターを隠し持ちながら
淡々と歩武を進めているのだ
夏の終わりに生まれるさびしいさびしい月下美人のように
ひっそりと、しなやか ....
仕事から帰ってきたきみが珍しく
お土産があるよだなんて言ってかばんを探り
よれたスーパーの袋を差し出した



縛ってある口をほどいて覗き込むと
ふわりと青い匂いが鼻腔に飛び込んでくる
 ....
氷山の一角口の中で転がす

入道雲の昼寝

セミの即興ライブ

海辺のざわめき

乳白色の日焼け止め

3日坊主の日記帳

夏がきた。わくわくわく。

暑さ紛らわすためのまどろみ


起きたら空オレン ....
僕には手立てがなかった
君を忘れようとするしか
空しさをほどく術はなくて

叩き着けるように
書き殴られた手紙が届く
乱雑な折り目を開いて目を通す

君が去ったことを思い知る
追いか ....
風邪 いちにちめ

体のなかはあついのに
皮膚の表面はつめたい
俗に云う風邪なのだと気づいてからは
ずっと布団の中でグレープフルーツを齧っていた
昇ってくる陽にそっくりな果実は
わたくし ....
たくさんの後悔の間から
こぼれ落ちてくる綿埃のような溜息は
やはり全部後悔だ。

黙っていると
まわりの空気が
鈍い鉛色の重みをもって
締め付けてくる。

その中で蠢いている自分は
 ....
生温かい風が
宵闇のまちなかを吹き渡る
昼間の炎熱で地表はほてったまま
真夜中の太陽はいま
足元で褐色に光っている


サンパウロはいま南中を迎えた
足元の地層の遠い裏側を
真昼の太 ....
恋月 ぴのさんのおすすめリスト(17884)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
わたしが無職だったころ- 吉田ぐん ...自由詩49*09-8-4
梅雨明け前の記憶- 照留 セ ...短歌4*09-8-4
蟋蟀が鳴く/ひとりごちるように- kauz ...自由詩7*09-8-3
おんがく- ミツバチ自由詩4*09-8-2
夏の- 吉岡ペペ ...自由詩1009-8-2
夏空に溶けたきみへ- あ。自由詩16*09-8-2
大学病院前- はちはち ...自由詩9*09-8-2
- YuLia自由詩3*09-8-2
- nonya自由詩7*09-8-1
蜻蛉- 夏嶋 真 ...携帯写真+ ...24*09-8-1
消去- 柊 恵自由詩9*09-8-1
さよなら- @ショコ ...自由詩109-8-1
かみさまおねがい- ばんざわ ...自由詩2*09-8-1
食物連鎖- ジャイコ自由詩5*09-7-31
風に乗ったチョーク- 遊佐自由詩7*09-7-31
おふろ- 三原千尋自由詩3*09-7-31
潮騒- 三原千尋自由詩7*09-7-31
Flat_Friday- BOOKEND散文(批評 ...5*09-7-31
入口と出口- 生田 稔自由詩409-7-31
世界- 三原千尋自由詩209-7-31
罪な奴ほど可愛いらしかった- こめ自由詩1409-7-31
月と戦争- 吉岡ペペ ...自由詩609-7-30
水のない水槽- 三原千尋自由詩23*09-7-30
つきのひと- ゆるこ自由詩309-7-30
ツルレイシとさくらんぼの関係- あ。自由詩12*09-7-29
夏の幕開け- つゆ携帯写真+ ...4*09-7-29
僕には手立てがなかった- kauz ...自由詩5+*09-7-29
かぜごゑ- 吉田ぐん ...自由詩809-7-29
空気圧- ……とあ ...自由詩7*09-7-29
創書日和【陽】ミッドナイト・サン- 大村 浩 ...自由詩3*09-7-29

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