どうしてこんなに脆い肌なんだろう。
無意識に引っ掻いた手の甲は象の皮膚の様で、ざらざらして厚みがあった。
首と唇と鼻は自然に乾燥して、薄く白い皮膚がめくれかかった。
腕と足の関節部分は、太陽 .... 
赤い感情と青い記憶とを
つむいで
むらさきを織る
夏の恋
ひざまでの深さのつもりで
いつのまにか飲みこまれている
息継ぎに顔をあげるたび
水面にゆれる ほほえみに似た光を
肺にかさ .... 
さよなら君よ
君と出会った
私は白髪が増え
共に頭を薄くし
良いも悪いも過ごした
よく白い草原の上戯れたね
先に逝く君へ
許して欲しい
時に粗野な態度もあった
 .... 
休日明けの朝
8時
初秋の太陽光は
さわやかに
澄んでいる
都心のここでも
ふたり
ゆっくりと起きて
ブュッフェ朝食を
たっぷりとる
彼の
ノーネクタ .... 
君が放った白い空に
黒い機影が映ります
それは爆撃しにきたのか
それとも救援物資を運んできたのか
分からないけれど
ただ機影だけが
近づいてくるのです
かつて私の中に
雲一 .... 
長く患っていた父が死にました
お通夜の部屋に潔い木の香りが流れました
父は長く一人だけの眠りを眠り
お線香はくるくると回っていました
わたしたちはチョコレートを
食べました 金色の銀紙を .... 
友へ
こころを寄せて
手紙をしたためています
わたしのうしろで書かれないものたちが
茶化して耳をくすぐります
フェルメールの筆は光の代用
ずっと見ていたかったのに
わたしは弁明しなけ .... 
旅立ちは賑やかだ
大皿に盛り付けられた笑顔と
色とりどりの激励の前で
あくまでも清々しく感謝を歌い
覚悟の靴紐を適当に結んだら
潔く見えるように出発しよう
旅立つ者の不安は誰も .... 
緑道公園の木の上で
最後の蝉が鳴いている
ジリジリ・・・
ジリジリ・・・
今にも力つきそうな声で鳴いている
その声は一瞬一瞬過ぎるごとに
確かに弱々しくなっ .... 
{画像=110917004242.jpg}
 
わたしはひかり / わたしはしずく
ふようして / こうかする
 
あなたはやみ / あなたはこうずい
かくさんして / .... 
掘り起こされた土は
持ち上げようとする僕に抵抗するように
重く
何をすればいいのか
何を蒔けばいいのか
高鳴る鼓動と絶えだえの息を整えながら
僕は鍬に寄りかかる
産まれる前の記憶 .... 
                 110916
○○地方は120ミリ
新たな水害も予想されますから
雨の降り方にはご注意ください
天気図の指し示す先には
2つの台風が同心円を .... 
わたくし 妖怪 おもてなし と申します 
わたくしの体のほとんどの部分は 水なのでございます 
人間の水分量は六割だそうですね 人って よくそれで生きておれますわね 
たわいのないことを地獄 .... 
9月
真夏日
ロックミシンと
直線ミシンに
電気を通わせる
いくつもの
ささくれだった傷を接ぐように
激しくも繊細に
針を打ち込む
壁に拳を壊す
いくつもの
波を立てる
 .... 
熱暴走を恐れている
いつブチ切れルかオドオドしながら
キーボードを叩いている
送風口に手をかざし排気の熱さに眉をしかめ
キーボードを持ちあげ底板に手を当てて熱さに一喜一憂する
そんな .... 
あの人には
あの人だけの言葉があることを知って
それを聞き洩らさぬようにと
心を砕いた時もあったけれど
いつの頃からか
あたしは
それをやめてしまって
やめてしまったら
あたしは
 .... 
日は落ちても、
積み荷は減らず、
思考は
水底の虫のように
降り積もる澱のなかに
埋もれてゆく
明日はまた違う明日だとしても
私はいつまでも
変わることができずにいる
そ .... 
素直になろう
ココロの底の
声をきいて
素直になろう
諦めきれないのなら
そのままでいい
自分にウソをつくのはやめよう
これだけ焦がれる気持ちには
逆らえない
 .... 
一枚の言葉たちが生んだ
大人だから言えないことって
表面ってどこにあるの
そんな甘えたり擦り寄ったりは
大人だから
大人だから
傷つけたくなかった
さよなら
もしもし
またね
じ .... 
つくづく
惜しい
つくづく
よしずも扇風機もスイカも
歯が立たなかった
暑いがらんどうのような
夏が逝く
つくづく
惜しい
つくづく
不安と疑念と我慢を
素肌に貼 .... 
つまりは総括なのだ。
ありとあり余る残滓と
ありとあり余る余韻と
ありと有り余る余震と
ありとあり余る贅肉と
ありとあり余るバリと
ありとあり余るカニバリズム
雷鳴の中 交差点を .... 
今日も
ポンコツタイムマシーンに
乗っかって
ふらふら
ぶらぶら
行く宛も無く
カッ!っと
ブッ飛んで
開いた世界
ツンと鼻を突く
河辺の宿
宿主は眠り猫
ツンと鼻に付 .... 
 わがままなあなたのReは愛しても
 まだ足りないと盗みいるひと
雨の夜は朝がこないとテレビのなかの猫たち
雨でも散歩はできるよね、と
傍らのちいさな犬はぽつり
おやすみが言えなくな .... 
都会はとても静かで
ちょっとかっこよくなりたくて
屋上に出たりする
前髪があるのも似合うねぇ
と友達が言ってくれた
少しずつ、変わるもの
都会はとても静かで
顔のわきっちょに .... 
今日もいつも通り
という自覚もなく
今日もいつも通り
という毎日が過ぎ
今日もいつも通り
私の隣には君がいる
だけど突然
底なし沼にハマるように
記憶に足を .... 
ある夜
激しい異臭がして
ベッドから飛び起き
電灯を点けて見ると
テーブルの上で
俺のドッペルゲンガーが
ジャージを膝まで下ろし
脱糞していた
蓋の開いたノートパソコン
和式便所と勘 .... 
路地裏の縁台に腰掛け
はだけた胸元に
団扇で風を送り
茶請けに水羊羹
冷茶を一服口に含み
にんまり、
路地には打ち水がしてあり、
しおれかけた朝顔の鉢が
そこ ここ
遠く .... 
液体で生まれる
混ざりながら/ゆっくりと凝固する
凝固したら溶ける
液体になる
蒸発する
液体で生まれる
あいということ
いきること/しぬこと 
画廊でブラマンクやユトリロやルオーを眺めた
地下鉄と環状線を乗り継いでやってくる女を待っていた
待ち合わせ時間が迫っていた
しかし慌てて地下駐車場に向かった
ダッシュボードからコンドームを四つ .... 
秋風に
どうしてか白き花咲く蕎麦の花食料になる花は素朴だ
萩の花庭に散りいてゆうこくの秋風が吹き妻と帰宅す
ローマ書を書き写しつつ楽しみて次は更級日記写さむ
未来には何が待つか .... 
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443 444 445 446 447 448 449 450 451 452 453 454 455 456 457 458 459 460 461 462 463 464 465 466 467 468 469 470 471 472 473 474 475 476 477 478 479 480 481 482 483 484 485 486 487 488 489 490 491 492 493 494 495 496 497 498 499 500 501 502 503 504 505 506 507 508 509 510 511 512 513 514 515 516 517 518 519 520 521 522 523 524 525 526 527 528 529 530 531 532 533 534 535 536 537 538 539 540 541 542 543 544 545 546 547 548 549 550 551 552 553 554 555 556 557 558 559 560 561 562 563 564 565 566 567 568 569 570 571 572 573 574 575 576 577 578 579 580 581 582 583 584 585 586 587 588 589 590 591 592 593 594 595 596