空にたくさんの綻びができて
あとからあとから雪が落ちてくるので
裁縫上手な婆さんに
縫ってくれ とお願いした

ひさしぶりの大仕事に
婆さんは大喜びで
せっせと針を動かして
つ ....
  毎朝一缶のお酒を買う
  ちいねえちゃんのことを思いながら
  それを飲む

  僕は頭のなかにいる人達を整列させる
  たいていは 小さな羽アリに変身していて
  ほとんどぼやけて見 ....
中学校の図書室で
詩の書き方という 本をひろげた

文芸部に入りたてで
それなりに 真面目だった
そこで 出会ったのが
高村光太郎様作 火星がでている である

ひと読み惚れという言葉 ....
言葉遊びに嵌ったら

これがなかなかの迷い路

右往左往して そらを見上げる

亜麻色の髪をこがねに輝かせ

少女は 湖一面に映った満月に

いったい どんな祈りの言葉を放 ....
ある美しい愛の固定観念について

「智恵子抄」をとにかく読む(1)

読みます。アガペーとエロスとセックスについて考えまくります。予定です。




「人に」
{引用=
いやな ....
友人のバイクの
後部座席
奥多摩へのツーリングの途中
立ち寄った駄菓子屋
なつかしの
銀玉ピストルを見つけた

彼は おもしろそうに
ピストルを手にして
銃口をぼくにむけた

ぼ ....
魔法瓶に夜空をみたし
ほの明りの朝、遠足に出かけた

あいさつをしたら
光の丘で
化石だった風が
重く熟して
翼となった
種子
小さく{ルビ瞬=まばた}きをすれば
霧散している光へ ....
今日の空をおぼえておこう
胸ポケットのさみしさは
空のむこうに飛ばしてしまおう
いつの日か
同じような雲のした
この空 この風 この匂い
ほほえむときがきっと来る

今日の川をおぼえて ....
きみにありがとう

まわりのために頑張ってくれて

ありがとう

いつも笑っていてくれて

ありがとう

みんなを楽しませてくれて

ありがとう

私に勉強を教えてくれて
 ....
ガラスの窓に近づける
湯上り 頬が 体が
滴の残る 洗い髪が
外気をひろい
火照ったのを
冷ましてゆく

くもったガラスに
呼べない名 を記して

人差し指は
その名を容易く
 ....
欲しいものが全てなくなったら
そこでボクの一生は終わりなんだ、と
言ったのは誰だったかな?

全然有名なんかじゃない
友達とか、先輩とか、親戚かも

今、思い出して、うんそうだなって
 ....
『魚は哀しい時、泪を流すのかしら』

 瞼の無いものに 泣け、だなんて


 君は酷だね



 海水に溶けた泪を、

 掬ってやる勇気が君に あるとでも?





 ....
昔、さ。

中国とか。日本とかでも、合戦の前に詩を詠んだりしたらしいね。辞世の句じゃなくてもさ。これから戦いって時に、詩ですよ。それがたしなみっていうか、明日死んじゃうかもって時に、詩がそこにある ....
いつもごろごろったく

僕の苦労も知らずに

僕の猫はひなたぼっこしていた

ああもうなにしてんだかな

外ではなんだか色々なことが起きてるのに

殺人やら誘拐やらテロやら自爆やら ....
耳鳴り
それは耳鳴り

眠りの中から
実はもっと前から
絶えず 響き続けて


聞こえない
それは普段聞こえていない

突然に気付くのは
何が原因なのか
いつもわからないまま ....
咳がひとつ
窓を抜けて
枯草のなかに逃げた

草むらには
どうやら微熱の欠片が
カマキリの卵のように固まって
冬をやり過ごそうとしているらしい

わたしは昨夜見た夢を覚えていない
 ....
夜が好き

塗り重ねた紺碧が
恥ずかしい輪郭を
消してくれるから
たやすく嘘がつける
夜が好き

冬が好き

穢れのない雪は
{ルビ男=ひと}を疑う心黒さを
隠してくれるか ....
あなたの黒髪を
巻き付けて
どんな電流を流せば
私は磁石になるのか


あなたのコイルで
包まれて
熱が生まれると
それは法則だ


磁場の中で
迷子になり
熱が冷めても
 ....
青い表紙アルバムの
厚さの分の年月と
重さの分の思い出が
一頁めくるごとに
セピアの匂い
胸にあふれる

微笑み手を振る
写真の中のその顔は
ふくよかな紅色の頬も
まるく黒い瞳の色 ....
牡丹雪の日は君を迎えに行く
傘は持ってゆかない
いつだって
君は雪を掴もうと傘を飛び出してゆくから

町の街灯の下で
やさしい君が待っている
ひっそりと
ゆるやかな呼吸をしながら私を待 ....
冬は真っ白いんだよ

いつもと同じ笑顔で君が言ったんだ

息も雪も白いよ
空にしても、景色にしても白く見えて不思議の国に居るみたいじゃない?
その国は人の心も真っ白にしてしまうんだよ

 ....
年が明けてから まだ太陽を見ていない
外には{ルビ只=ただ} 冷たい雨音

静かで薄暗い正月


神棚に手を合わせたら
{ルビ揃=そろ}えた足元の床がへこんでいた

町では偽 ....
喪中はがきのイラストに
スズランの写真をのせてみる
あの人は 花が好きだった
だから もう
それでいいよと親がいう

何十年払い続けた
「年金」を
あともう少しで受け取れるというときに ....
古里の小高き丘の菩提寺に

 雪をかむりて立ちあらむ

 {ルビ墓石=いし}に刻まれし名のありて

 生きた証の名のありて

 香華の絶ゆるなかれとぞ

 過ぎし時をぞ思いたり
 ....
1.

かみさまはいるよ、
って 
教えてくれた人は
もうすぐ死んでゆく人だったけど
それは黙っておいた


だって、あいしてるんだ



2.

きのう、かみさまを見か ....
餓え痩せ細った狼
露わに浮き出た助骨
雪上に臥せる毛並みは色褪せ
微かに白銀の息が
剥き出した牙の隙間から
宵闇へ薄れゆく
呼吸の残像

朽ちかけた嗅覚の閾
見開いた眼の鋭角
傍ら ....
 「月が明るい夜は
  外に出てはいけない
  みどりのコートを着たコドモが
  生まれる時間だから」

  そう聞かされていた


  街のはずれの丘は
  建設工事が中止になって ....
あなたが恋しい 
わすれら
れない
忘れ
やし

い 
あなたを食べずに 
どうして
生きて
行け




細胞は主人に逆らえ
ないって
いうの
は嘘
 ....
運河の方へと枝を伸ばす木の下に居ます
十五分の休憩時間に会社を抜け出して
頭の中で君に手紙を書いています

目の前には誰も乗っていない船が少しだけ揺らいでいます
今日はとても風が強くてそのせ ....
石畳の街は寒かった
空は灰色でお天気は気紛れ
でも陽気な彼らの笑顔に
身体も心も解き解されたよ

瞳が出会ったら
ボンジョルノと囁いてごらん
きっと誰かが答えてくれる

手回しオルガンと
水の入った ....
恋月 ぴのさんのおすすめリスト(17882)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
奇跡の日- 落合朱美自由詩18*06-1-9
ちいねえちゃんと羽- mina自由詩406-1-8
拝啓_高村光太郎様へ- 砂木自由詩16*06-1-8
*迷路*- かおる自由詩8*06-1-8
ある美しい愛の固定観念について/「智恵子抄」をとにかく読む( ...- 渡邉建志散文(批評 ...6*06-1-8
BANG!- The Boys On ...自由詩5*06-1-8
遺跡へ- こしごえ自由詩14*06-1-8
今日の空をおぼえておこう- 馬場 こ ...自由詩1006-1-8
君に、ありがとう- 兎乃 し ...自由詩206-1-8
月を喰らう夜- LEO自由詩8*06-1-8
- ことは自由詩1*06-1-7
魚の瞼- 士狼(銀)未詩・独白4*06-1-7
今日も詩のある夕暮れを- umineko散文(批評 ...7*06-1-7
- こめ自由詩206-1-7
ある夜、響く音- 自由詩5*06-1-7
冬に白い靴で- 銀猫自由詩14*06-1-7
雪夜- 落合朱美自由詩20*06-1-7
フレミングという方法- たりぽん ...自由詩14*06-1-6
アルバム_セピア色の匂い- LEO自由詩4*06-1-6
牡丹雪- 日和自由詩9*06-1-6
まっしろ- 兎乃 し ...自由詩106-1-6
初夢の青年- 服部 剛自由詩13*06-1-6
スズラン- 阿麻自由詩20*06-1-6
長詠- 比呂正紀短歌3*06-1-6
かみさまについて学んだいくつかのこと- 望月 ゆ ...自由詩80+*06-1-6
宵闇の奥に- 馬場 こ ...自由詩106-1-5
みどりのコートを着たコドモ- mina自由詩906-1-5
「ランゲルハンス島」- 阿麻自由詩5*06-1-5
十五分の手紙- 松本 涼未詩・独白7*06-1-5
観光都市ローマ- kw携帯写真+ ...306-1-5

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