詩集にするために
詩を集めて
何になるんだ
って あなた
詩集になるんですよ
あんまり驚いたので
だって あまり変な事いうものだから
そんなことして どうなるんだって ....
机の上に置いた
理科の問題集にそっと手を置いた
蝋燭の写真が1ページ目に居座っている
実像と虚像に私の心は囚われた
私は物体
直線という名の道に
ただ突き立つ物体
そして目の前に ....
身に覚えのないことで
なぜか{ルビ矛先=ほこさき}はこちらに向いて
誰かの荷物を背負う夜
自らの影を路面に引きずりながら
へなへなと歩いていると
影に一つの石ころが浮かぶ
理不尽 ....
白いTシャツの下には
ブラジャーしてない
そんなもん一年くらいしてない
めんどくさいから
ってのが理由じゃないけど
ほんとは
I'm here
I'm here
これ昨日読んだ ....
いってらっしゃい、と
みおくる
いとしいひと
あなたをおもう
そうして
かさをほします
さんがつのゆきは
ひがゆるむまでに
きえてしまう
あかし を おる
しろい ....
高原行きの{ルビ汽車=ディーゼル}を待つ間
プラットホームの先っぽで
二人は駅弁を食べるんだ
二段になった折り詰めの
おしゃれな駅弁を
うれしそうに開けるんだ
中央アルプスの山嶺に ....
春の暖かさは、寒い雪の降る夜コタツにうずくまっている暖かさとは違う。
外に一歩飛び出しただけで心が ふかふかになるような温かさ。
北風におびえて震えていたのが嘘のよう。
春という響き ....
ピチリ
動きが止まる
その瞬間をねらって
ピチリ
(爪は、どこまでのびるの?
問われた僕は
細心の注意を払うあまり、つい
どこまでもだよ
なんて
いい加減に答えてしまう
....
星砂は生物の死骸で
きらきら光ったりはしない
でも星砂はそれなりに夢の結晶
そういうものならあげられる
ビオトープには囚われのメダカ
アクアリウムには透明なナガスクジラ
プラネタリウム ....
風車が
巨きな時計のようだ
三つの針を吹雪にまかせて
早回しで、ゆっくりとまわる
うなっているのは
雪を孕んで吹く北風
だろうか
誘導電流を生み出すコイルの声
それとも
ただの ....
?
おやすみなさい
の 一歩手前で
あなたが瞼に口づけするたび
生まれて初めて目にした光
を思い出しました
ツキン、と 氷の欠片が飛び散って
あなたが狩人の鋭さでもって
....
春の陽射しに
紅い花びらが開いてゆく
美しさはあまりに{ルビ脆=もろ}く
我がものとして抱き寄せられずに
私は長い間眺めていた
今まで「手に入れたもの」はあったろうか
遠い真夏 ....
北の郷にも
春は来て
紅やら白やら
梅が咲きました
梅の香とは
どんなものかと
高くもない鼻を
差し出してみれば
黄色に染まった鼻を見て
笑う君
ほころぶ梅に
負けず劣らず
頬そめ笑み咲き誇る
....
明日を小指で弾いたら
きれいな繻子の音がする
右にあるのは菊模様
金や黄色や紅色の
左にあるのは薔薇模様
薄桃銀鼠ターコイズ
鶴や鶯飛び立って
あとから鷹も追いかける
....
甘い恋の気まぐれに
人生は揺り動かされる。
愛の包容が
あらゆる騒音をかき消してくれる。
あらゆるものごとを
愛という言葉で
つらぬくことができるのなら
人生はいっそう美しく輝くだろ ....
ぽかぽか昼間の日だまり
橙の球体に凝縮していく
影が長く長く伸びていき
空から闇を呼んでくると
おうちの中にぽかぽかは
いちもく散に逃げていく
街の灯りきらきらきら ....
ぼくはときにイカサマを愛し
嘘をつくことに夢中になる
やがてスルメみたいに
熱が冷めると
かなしいものを反らせている
反らせる部分でぼくは
誰かと繋がっていたくなる
ぱちぱちと吸盤が ....
風にさわる手を
持っている 心
揺らいでいるのは
壁の外 ではなくて
壊す意味も途切れた
伏せた目の奥の ハンマー
持っていられない 紋様を
さらして 威嚇する蝶
かが ....
浜辺に漂いついた瓶のように
ひとり暮らしの郵便受けに
届いた宛名違いの封筒は
丁寧な文字で
差出人の住所
きっと昔、この部屋に住んでいた
誰か宛の誰かの手紙
なにかの縁だろうと
不 ....
いいヒト
悪いヒト
いっぱいいるけど、みんながヒト。
人生、自分ひとりで生きてなんかいない。
とおりすぎていくヒトもヒト。
すべての出会いがボクを支えている。
かっ ....
詩は情の鳴らす音色
言葉
意味
宇宙
感情
海と空とをつないで
わたしたちがいる
ということを
鳴らす
詩は魂の描く絵
涙
息
波
愛
形無きものを塗り ....
この宇宙上には あらゆる物がある。
その中で絶対的な力を持つ人間。
自由に動き回れている人間以外の動物。言葉は話せるけど仲間にしか理解できない。
自由に動き回れず言葉も発し無い花々。 ....
その夜 女神が降りてきて
真実を映す鏡だと言うから、覗き込んでギョッとした
これは私ではないと訴えたら 女神は笑う
皮膚が剥がれているのは
上っツラだけ善く見せようとしていた所 ....
文字なくたって
言葉なくたって
作るのよ
詩を
それは心臓の
真隣にぶらさがる
果実
皮膚の内側に
腫れている
熱くて
痛くて
しょうがないんだ ....
赤ちゃんが乗っています
世間でステッカーがはやりはじめると
和泉町3丁目にある零細ステッカー会社の社長はへそまがりだから
赤ちゃんだけ特別扱いするのはおかしい と言い出し
次のような亜種をどん ....
ママのこと、あいしてるんでしょ?
無垢な眼差しで見上げる
君のおでこの感情モニターは
微かな嫉妬色
もちろんだよって即答したけど
実はよく分からなくなっているんだ
たぶん僕のモニターは ....
先触れに 春雷 轟く
恋しうて はな おもふ
切なくて 千々に 乱れる
憐れんで 憶い とける
混じりあいて とき みちる
....
あまくたゆたう
切ない香りは
匂いを纏い
瞼を閉じて
春の記憶を
捲ってみれば
ぼんやりと
聞こえてくるのは
あなたの足音でした
あの細い小路を
覚えているかしら
先いく背中を追って
ふたつめ ....
どうも私にはあるべきものがないらしい、と
気づいたのは昨夜、
生まれてはじめて銭湯に入ったときであった。
客の一部はタオルで下を隠していたが、
そこにあるものはあってしかるべきものであって ....
浴衣を着たこどもなのでした
まだ菜種梅雨も過ぎぬというのに
二本の鉛筆のように突き出た裸足は
春泥にまみれているのでした
これあげる
こどもはあかるい声で言いました
小さな手に握られて ....
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