あなたを取り戻そうとすればするほど 自分の無力さを知る
想いの強さが 美貌や知性に変わるのなら
こんなにも 苦しむことはないだろうに
神が引きあわせし
おぼし召しか
地下に沈んだ
鈍色の界隈の中で
二つの魂は出逢った
強く惹きあう
その穢れなき愛は
至高の芸術を
求めあい
深く
深く
蒼い情感の ....
身体の一部すら
はみ出ることは許されない
ひどくあいまいなラインの向こうに
全身全霊を傾ける
彼の仕事場がある
ピッポが飛び出す
勝利を求め
スーペル・ピッポ
いつだって彼は
ラ ....
幸運の女神は前髪しかないって
どんな髪型だ
女性として
いかがなものか
というのも今
詩のしっぽつかみ損ねた
また
行っちゃった
詩って
あの、その、あれなあれ、だから
タ ....
僕達は あまりにも 貪欲で
お互いについて あまりにも 貪欲で
僅かな欠片も 見逃すまいと
その手に しがみ付いているのだ
安心よりも もっと
保守よりも もっと
....
バターにハチミツを
塗り
搾りたての野菜
ジュース
紅茶の用意
今日はアールグレー
今日はダージリン
今日はカモミール
寂しい朝食
「ごちそうさま」
皿を洗う
「行って参 ....
波打ち際で
砂に埋もれかけた
木製の小舟が
少年の夢にたたき起こされ
夕映えに浮かぶ
かもめが船頭になって
赤く染まった海を進んでいく
静まりかえった海面に敷かれた
赤い絨毯は
....
四角い鳥かごの小鳥を
人差し指という小枝へ導く
みなみは細く圧迫される指を
目線まで上げて
「この部屋も 鳥かごみたいね」と言う
秋とは名ばかりのあやふやな風が吹き込む
窓辺に吊るした ....
夜更けのベッドの中で
あなたの背中にしずかにくちづけをする
くちびるを通して
言葉にできない言葉たちが流れだす
それは「うれしい」だったり「幸せ」だったり
「ありがとう」だったり
....
壁の向こう側にあかるい未来が存在すると聞いた
あたしは未来が見てみたくて
その壁を乗り越えようと足掻き
ある時は穴を開けようともがいた
突然、風が吹いてきて 目に砂が入った
....
胸いっぱいの誉れのためにも
きこえないふりを
しなくてはならないが
よけいきこえてくるので
いたたまれなくなる
逃げ出しなんかしない
涙もださない
汗すらださない
靴底を地に押 ....
硝子の風が
きりりと秋の粒子で
二の腕あたりをすり抜け
寂しい、に似た冷たさを残して行く
野原は
囀りをやめて
そうっと十月の衣で包まれている
わたしは
それを秋とは呼べず
....
朝私が
シーツの海から目覚めると
あなたがおはようと囁く
寝坊しても怒ったりしない
朝食を作ってくれるだろう
でもあなたは
キッチンから戻ってくることはない
夢の中のあなたはやさしい
....
簡単な事ほど難しく考えて
答えなんて出てるのに
思い悩んで苦しんで
正解も不正解も
知りたくなんてないから
解ったフリのフリをするの
理不尽な言葉に
耳を傾けてる余裕なん ....
塩加減を覚えた
大人になれた気分で
恋をした
でも
どんなに砂糖を振っても
ボクの声は
甘くならない
どんなに
油を注いでも
キミの心は
熱くならない
料理
....
ほんとに
あんたって不器用だよね
ただ
「気楽に 気楽に」って
言って欲しかっただけなんだよね
「愛してる」なんて言葉
望んでなかったんだよね
....
先週皮がめくれてた
お爺さんのお尻の傷を
トイレの時に確認したら
するりときれいになっていた
看護婦さんもやってきて
「先週塗ったわぜりんが効いたのね
わぜりんは、いい奴 ....
捨ててきた夏のカードと引き換えに虹よりたしかなセヴンブリッジ
仮面の下で抜いた{ルビ剣=つるぎ}に嘲笑う君を刺すのもまた{ルビ運命=さだめ}かと
夢見よう手札はいつも風まかせ無 ....
コロンと
転がって
なんだか可愛いと 思う
そっと殻を剥く
つるつる ぴかぴかの
白い肌が
なんだか可愛いと 思う
真ん丸く
抱きかかえた 黄身も
なんだか可愛いと 思う
....
君の夢をみたよ
君を抱きしめている
相変わらず細っこいなぁ
でも暖かいなぁ
そんな幸せな感情に包まれた
瞬間
君が
あっという間に
赤い赤い毛糸になってしまった
その ....
秋めいた頃
あの丘の上に
古城があったような気がします
前に見たことあるような
なつかしい
古城があったような気がします
それから何日か経って
私の心に古城が建ちました
前 ....
どんよりした空の下
石畳の広場では雑音の中
何かに追われているかの様に
人々は行き交う
ベンチの近くでは
厚い眼鏡をかけた老父が
鳩に餌をまいている
私はその光景を
木の高いところ ....
ポケットに小さな星を隠して
君に会いに来たんだ
少しだけおっきな夢
いっしょに追いかけたいから
手をつないだまま歩いてね
君の手はちょっと細いけど
私の宝物なんだよ
指輪をあ ....
imperfect stardust
青い文字に矢印を合わせて人差し指でそっと触れるように
街へ向かうサーファーみたいに人並みを掻き分けて進む
坂道を登れば
ステージの上でギターをかき鳴ら ....
「俺様がどれほど鮮やかな色で
みごと第一連を美しく染めたとしても
賛美の対象はあくまで作者だろが。
ふん、馬鹿らしくてやってられるかい!
こうして群青は捨て台詞をのこし
肩で風をきると、 ....
バランスが悪い
僕も悪い
君だって悪かった
時を例えるなら
物語とは
薔薇きちがいの
天秤の上で
気づくべき落差を
転げ落ちて
愛し合う意味の
足りない部分
とても遠いところで
....
神さまが
もう いいよ
って
言ってくれるまで
わたし
待ってる
天使の迎えを
少女の面差しで
はにかんだ笑顔で
やさしく騙してあげる
上目遣いで
しなやかな手つきで
やわらかく招いてあげる
ふりむいた横顔
まばたきする一瞬
瞳の奥の冷めた光に
....
ある人達は夜上を向く
昨日の月を何人見ただろう
今日の月は何人見るだろう
隣の人のアゴを持ち上げたら
一人増えた
歳月を経ても
自ら輝いてる訳じゃないのに
枯れる事なく視線を集める私 ....
か細く続く この小道
深い草いきれ
すだきは始めた 虫
見てくれ これは歴史を貫く
細い糸のかがる 小道
静寂で
激動の現象はマーヤ(幻想)に過ぎない
高原のとある小道
草い ....
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