選挙カーはすれ違う僕を威嚇するかのように

年増うぐいすの声をぶつけてきたので

思わず

避けてしまった




遠ざかるにつれて
ドップラー効果の適用で
声が低く転調されていった


 「 ....
レシピが載ってる小さな冊子は
もうすっかり秋でした
外はまだ夏を残しているというのに
お店には
もう秋刀魚が並んでいて
レシピには
栗にキノコ
鮭に鯖が踊り
美味しいお米と
デザート ....
{引用=
しかくい部屋でまあるくなって
薄い毛布と土曜日にくるまって
お昼まで眠ります、わたしたち

(そう。いつもなら)

{ルビ昨晩=きのう}は忘れたかなしみを
不意にみつけてしま ....
日が傾いてもまだ 蝉はしゃらしゃらと音を立て
光が体を包み込むと 心から影が染み出してゆく

夏が終わるねと
手をとり母子は歩いてゆく

私は一人 日傘を閉じて
空気を体に取り込んで
 ....
雨は突然滝のように落ちるものになりはてた
そんな規則を作った奴は誰でもいいが雷が恐い

大量の水が空から落ちる風景を見ていると
興奮するこれで稲光さえなければ

洗い立ての洗濯物がまた濡れ ....
友人は学生のころのことを最近よく思い出すという

セミが腹をみせて死んでいた
けったら生き返るかも知れないな、
そんなことをふっと思いながら考えていた

自分じしんにとってのあのころは
 ....
遠く名も知らぬ国の山頂で

待ち焦がれた炎は消え

緑立つ少年の波は

今や金色の秋にもえ

激情は嵐を忘れ

ただ ただ思い出を吹きすさぶ

燐光は空たかく

せいのび  ....
12月

エヴァが未来はないと語った
僕は片手に花瓶を持ったまま
理不尽に暖かい12月の空にカーテンを開いた

人は心のはるかどこかに
過ぎ去りし恋の記憶を閉じ込めて
何も傷つかなかっ ....
夕方の
涼しい時間に
畑に行って
枝豆を採る


ぷちぷちと
ひとりぼっちで
やっていると
夏の空気は
本当は
どの湧き水よりも
澄んでいるんじゃないかって
それを独り占めし ....
眩しい舗道に
蝉、おちた

鳴くのをやめて
飛ぶのをやめて
褐色の羽根に
ちりちりと熱が這い上っても
黙って空を仰ぐ

  
  湿った真昼をまとい
  木陰にくっきり分けられた ....
「惑」


GPSも届かない生暖かい闇の中で

使い古した答えを隠し持ったまま

手探りで小洒落た出口を探している

近視で早合点でメタボな僕の気泡




「星」
 ....
まにまに

君の背中に空を見上げてた
決着はすでに着いている
失うよりずっと前に君は
僕の心を連れて旅に出た

知らない街の懐かしい場所も
懐かしい街の知らない場所も
素敵なものに出 ....
人を見る目がない目で
僕は毎日誰かの顔をみている

のうが無いといわれた脳みそが
鼻くそをほじくる僕を支配している

手に職をと言われて
いまだに手つかずのまま
両腕が仕方なくぶらさが ....
結婚してから
一人で食べるご飯が
美味しくないのです


それはただ食べるだけで
一品だけのおかずみたいに
具のないみそ汁みたいに
ジャムもバターもついていない食パンみたいに
パサパ ....
きみの奥にいる四人目を
億千万から探る夜

朝は遠く
遠くで始まるバイク音は
億千万に投函している
億千万の活字のなかに
それは書かれているのだろうか

獏の逸話が本当ならば
とび ....
空のとまり木に腰かけて
悪魔が釣りをしている

こんな泥の中から蓮の花が咲くなんて
マジ信じられんわ

と呟いて
黒く濡れた尻尾を伸ばして垂らす

そうして蓮の根を食べて ....
遠い銀河を駆け抜ける汽車を
細い目で夢を眺めるように見ていた
枯れた花を抱いて
生まれたばかりのように震えながら
君はまるで無力だと笑う

陸に立っていることすらも精一杯で
まして君を抱 ....
君が食べた星の欠片をかき集め、
泣き出した彼女の海へと沈めることにしました。
そうすれば切り離した君の足がどこからか生えてくると、
君の指先が求めていた意味が教えてくれたのです。

刈り取っ ....
我が思うのは

迷宮の地獄の解読図のもとめかた

今日は誰を明日は誰を

そう考えて毎日を過ごす

理由はどうあれシッポをふんじゃったのは罪深き貴方

時は視ていた

その踊る ....
何を言ったところで、
地平線まで埋まった
人類の群れは
いっこうに減る気配など無く
眼の前に蠢いている。

こんな気配を感じたとき
我々は目を見開こうとはせず、
もちろん、目を瞑ってい ....
夕暮れの縁側
ふと気が付けば
秋はすぐそこで
僕の憂鬱を抱えて待っています

ああ
夏が終わるのか

そう呟けば
少しばかり涼しい風が
心の隙間を
通り過ぎていきます

夏の ....
地球の公転軌道がほんのわずかずつ
ずれていることを憂うガリレオの
思いを想い過ぎて
抑うつ気味になった僕は
バナナがいいと聞いて
毎朝食べるようになった

いつか太陽の手をはなれ
地球 ....
あんなに耳障りだった蝉の声も
虫眼鏡で集めたみたいな痛い陽射しも
まるで色あせ始めた遠い物語


なだらかな坂道を自転車でおりると
向かい風がほんのわずかの後れ毛を揺らす
時折小石が顔を ....
異常気象というけれど

二十四節気はまだ狂っていないようだ

啓蟄にはたしかに土の匂いが漂いだすし

きのうは処暑で

あきらかに暑さが退散している

加害者づらしてエコを論ずるよ ....
夢は過去に溶かされた。
空気中に漂う粒子がやわらかい光を放つ。
それはきっとあたたかい。

立ち止まっているのは動けないだけ。
迎え撃つのは簡単だがこの手で仕掛けることはできない。
腹痛が ....

幼いころ
妹はお風呂が嫌いで
兄は爪を切られるのが嫌いで
わたしは歯を磨くのが嫌いだった
だからそのころのわたしたち三兄弟ときたら
妹は髪から極彩色のきのこを生やし
わたしはのどの奥 ....
聞こえなくなっちゃった右の耳が
ざわざわ きーきーしてた
右の耳が聞こえるって
私の声がしゅわしゅわと
サイダーみたいに溢れ出て
あなたの周りを包み込む

ありがと

神様がいた ....
夕暮れの風が民家の風鈴を鳴らし、
茜色のまなざしで今日をねぎらうように、わたしの頬を撫でてくれる。
その涼しさに、ほっとして深く息を吐く。
庭先には、萎れた朝顔が脱ぎ捨てた服のように垂れ下がり、 ....
明日を30回数えた午後
空からたくさんのきのこがふってきました
私はそれをとてもきれいだとおもいました

きのこは
隣に住んでいたハイカラなおじさんを連れて行きました
私はおじさんはもう見 ....
夏の夕暮れ

散歩する僕を突き放すように
雲は遠く空を覆っている

沈んで行く太陽に照らされて
黄金色に光っている


あたりには
雨の匂いが満ちてきて
遠くから雷鳴が聞こえる
 ....
恋月 ぴのさんのおすすめリスト(17882)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ショパンの為に一票差で泣け- オリーヴ携帯写真+ ...1109-8-29
- ミツバチ自由詩4*09-8-29
ろくすっぽ形にならなかった、へんなの- 亜久津歩自由詩4+*09-8-29
夏の残り- 茉莉香自由詩109-8-29
スコール/アースクエイク- kauz ...自由詩5*09-8-28
暇つぶし- 吉岡ペペ ...自由詩409-8-28
遠く名も知らぬ国の山頂で- 瑠王自由詩5*09-8-28
12月- 瀬崎 虎 ...自由詩4*09-8-28
えだまめ- 小原あき自由詩7*09-8-28
夏の軌跡- 銀猫自由詩9*09-8-27
四行詩四態_<4>- nonya自由詩7*09-8-27
まにまに- 瀬崎 虎 ...自由詩8*09-8-27
めまい- 乱太郎自由詩1809-8-27
美味しいご飯- 小原あき自由詩5*09-8-27
発覚〜hack_and_eat〜- 伊月りさ自由詩3*09-8-27
悪魔と釣り- shu自由詩409-8-27
秋を憂う- 智鶴自由詩309-8-27
落ちていくチミンの。- ジャイコ自由詩409-8-27
シッポをふんじゃったのは罪深き貴方- こめ自由詩909-8-27
末期症状- ……とあ ...自由詩8*09-8-26
夏の記憶- ミツバチ自由詩8*09-8-26
祝福- within自由詩18*09-8-26
夏休み- あ。自由詩22*09-8-26
処暑- 吉岡ペペ ...自由詩709-8-25
光の粒子が紡ぐ光- 百瀬朝子自由詩5*09-8-25
わたしたち三兄妹- 吉田ぐん ...自由詩3109-8-25
ありがと- 茉莉香自由詩209-8-24
帰路- 夏嶋 真 ...散文(批評 ...21*09-8-24
放浪g- ゆるこ自由詩909-8-24
夕立- kauz ...自由詩10*09-8-23

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