春へと続く回廊は
まだ細くて
差し込む光に
白く歪んでいる
三月は
足裏を流れる砂の速さで
大切なものを{ルビ攫=さら}っては
あやふやなものばかりを
残してゆく


  いくつ ....
卵から孵った夢の中
僕はアリスとお茶会へ
双子とダンスを踊ったら
女王様とクローケーをしよう

にやにや笑いの猫ちゃんと
バタつきパンの蝶を追いかけ
うさぎの穴に飛び込めば
グリフォン ....
人は悲しくなるとき
夢を抱き
人は悲しくならないようにするために
夢を創りだす

時に悲しみは和らぎ
その悲しみはやさしさへと変化して
人の心へと伝わり
心の輪が生まれてゆく

人 ....
よみがえる言葉を
踏みしめながら
いつの季節もささやかに鳴り


 のびゆくはずが
 逃げてゆけないものへと
 落ち着いてしまった

 あたらしく
 おとを試して、
 更 ....
脱ぎ捨てたシャツには
汗の匂い
それはそのまま
あすへとながれて

うっすらと
口づけをもとめる
よるの首筋は
片付けきらない部屋の
すべてを横切り
とけてゆく


 ....
              2002/02/05
だめだ!だめだ、だめた!
絶対にダメだ!
どんなに懇願しようが許さねえ
たとえ明日地球が無くなるとしても
娘はやれねえ。

だめだ! ....
午後の教室
一番後ろの席で
眠りとの間に揺れていると
ずっと遠くの方に喧騒が消えていく
穏やかに舞う埃が
知らない間に袖に張り付いて
一緒になって光合成していた
金曜の午後

ノート ....
夕陽をあびる 
丹沢の山々に囲まれた 
静かな街の坂道を 
バスは上る 

時々友の家で 
深夜まで語らう
( 詩ノ心 ) 

午前三時 
友の部屋を出て
秒針の音が聞こえる部屋 ....
リスさんは、お散歩の途中で、道のはしっこにしゃがみこんだうさぎさんに出会いました。

「うさぎさん、うさぎさん、こんな所で何をしてるの?」

うさぎさんは答えません。

「うさぎさん ....
緑色の手足に
金属の目玉
アナタを愛すると薄っぺらに誓うのは
この長い
長い

熱い
むしむし
むし熱い
アナタの寝顔を舐めて
溶かす



私を呼ぶ声がする
常に ....
紙魚による古い日記の傷み
思い出を放っておいたから
ところどころ判読不能で
繰ると震える頁の立てる低い音
音は、シ、ミ、シ、ミ、と
B、E、B、E、B、と
古い日記の痛みの音

あなた ....
今朝春らしいものが突然に

額に寝汗として現れぼくはそのために頭が重い

ぐっしょりと水を含んだようだ

重たい頭はぼくをふらふらと外へと向かわせ

安普請のとびらを体の重みで押しあけ ....
眼鏡を外し
全ての輪郭を奪う
青色の歯ブラシも赤橙色のオイル瓶も
銀色の蛇口も
緩やかに溶け出して
水の流れに混ざり

排水溝が渦を創り始める
わたしはその様を
掌に縋る抵抗で知る
 ....
久しぶりのその声は やはり心なしか疲れていて
ごめんね と 零れ落ちた言葉に
君は苦笑する

久しぶりのその声は 相変わらず可笑しなコトしか口にしなくて
その優しさに思わず 言葉をなくして
 ....
蜜求め彷徨う蝶 肩を貸したつもりだったけど
触れてはくれなかった 僕は敵でしかなかった
そうやって言い訳して また君の心にもたれかかる

去り際に描いた燐粉 君の涙だったのかな
受け入れたい ....
今日起きて窓を開けたら
3月の風が入ってきました。
まるで包み込むようにふわりと。
3月特有の温かさをもってわたしをそっと包んだ。

もうすぐ この部屋から出て行きます。
4畳半の小さ ....
バスの窓が煤けて、町を映し続けている 六十キロ

断続して、町の輪郭として、区切られているビルは、断続して

ビルとビルの隙間の半分には、雑誌と暗闇と雨水がともり

上半分には、ただそこに ....
ざくっ ざくっ 
と泥田に鍬を入れながら
陽平さんは鼻歌を口ずさみます
佐知子さんもその横で
一緒に歌います
収穫期二人は
毎日ここへやってきて
泥と格闘します

水を抜き
灰色に ....
牛乳瓶は蓋を開けたまま
空を見つめてる
その丸い口で
空を飲み込もうとでも思ってるのだろうか
白い雲を自分からこぼれた牛乳だと
勘違いをしているのだろうか
狭いガラス瓶の中に閉じ込められた ....
せとものが 乾いていく
洗った水を流す
手のとどかない
光源からのぬくもり

雇われたわけでもなく
息を 野に延ばす

図の中にいる血脈
末端を一巡り鼓動

いつか影を潰し
完 ....
今日、某女性週刊誌を立ち読みしたところ、

「幼稚園のお遊戯会でかぐや姫が4人」

との見出しを見つけた。ほんとか嘘かは知らないけれど、今お遊戯会で生徒に平等に扱う為にかぐや姫を4人にした ....
 ぼやけた日常の階段を昇る
 朝日が眩しい
 夕陽に涙が滲む
 留まることを知らない月日に
 忘れ物は山となる

 積み重なる年月の重み
 そうあってほしいと願う心は
 時に裏切ら ....
東京で暮らすために
新宿に降り立った日のことを思い出す
長旅、といってもたった半日だ
タンクトップをねじるくらいで
音楽をつめこんだ鞄を
肩に食い込ませ
その日を酒を探して歩いた

福 ....
道はいくつも分かれている
正解もあれば不正解もある

長い人生の旅の中では
正解ばかりは選べない。

もし進む道を間違えてしまっても
引き返す事は不可能じゃない

間違え ....
橋の上で絵を描く男
道行く人を描く

美しい人が立ち止まる
私の絵を描いて御覧なさい
きっと売れる絵が描けるでしょう
美しい顔をした女は
絵描きの前で最良の笑みを浮かべる
 ....
バス降りて
坂道越えた病院の
その先にある
夢見た学校

全国から
つどいし仲間は
一人暮らし
少し羨まし
少し尊敬

ビキニ着て
セクハラまがいの
あ ....
鳥篭を落とす
田圃、鳥のいない
鳥篭だらけの田圃


渇いた積み藁に火を放ち
積み藁に火を放ち、
冬が勃起する


ふくよかな夕焼け覆う、
冬がゆっくりと
深く揺れ
 ....
やってみたいことはたくさんある けれど、
やっておきたかったことも、たくさんあった

高く、空に流れていった最後の校歌と
旅立ちの、握りしめたら少しだけ痛い
金釦のような歌
それらをいいわ ....
自分だけ
なぜか強烈な違和感
最後まで慣れなかった一年六組

かりそめの友といる
休み時間
授業の方がマシだと思った

ちょっとだけ
おしゃれになった気がした
初めてつけ ....
駐輪場で鳩がむねを撃たれて
仰向けに休んでいる
白い翼をとじ
両足を揃えてたたみ
なにを見ているのか
つめたい檻の外へ
まばたきを急ぎながら

その心臓は重すぎる
あかをはき出し ....
恋月 ぴのさんのおすすめリスト(17883)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
桜通信- 佐野権太自由詩18*07-3-5
リドル- 未有花自由詩11*07-3-5
人は悲しくなるとき- ぽえむ君自由詩8*07-3-5
針葉樹- 千波 一 ...自由詩14*07-3-5
いつか旋律へ- 千波 一 ...自由詩14*07-3-5
ワールズエンド・スーパーノヴァ- あおば自由詩15*07-3-5
ピアニッシモ- 夕凪ここ ...自由詩11*07-3-5
「_遺影の顔_」_- 服部 剛自由詩10*07-3-4
ある日のこと- RIKU散文(批評 ...2*07-3-4
蜥蜴- さき自由詩1007-3-4
書いたものが何かであったころ- 佐野みお自由詩207-3-4
春の憂鬱- 水町綜助自由詩8*07-3-4
素顔- 士狼(銀)自由詩9*07-3-4
夜風<18のprose-9->- ウデラコ ...自由詩5*07-3-4
誰かがいて初めて幸せと呼べる幸せ- 蒼穹自由詩1*07-3-4
3月の風- はるこ自由詩4*07-3-4
まだ何も見えない- 水町綜助自由詩8*07-3-4
- 川口 掌自由詩8*07-3-4
牛乳瓶- ぽえむ君自由詩8*07-3-4
化石源- 砂木自由詩12*07-3-4
「主役」と「脇役」は違いがあるのか- 北乃ゆき散文(批評 ...15*07-3-4
どこかで犬が吠えている- 山崎 風 ...自由詩607-3-4
新宿はさようならと言った- soft_machine自由詩23*07-3-4
分岐点- 1486 106自由詩6*07-3-4
売れない絵描き- なかがわ ...自由詩6*07-3-4
グレープフルーツ__無知を知る_〜医療学生の頃〜_- さくらほ自由詩14*07-3-3
鳥葬- はらだま ...自由詩12*07-3-3
第ニボタン- Rin K自由詩31*07-3-3
ラッキーストライク_さよなら私たち__〜高校生の頃_〜- さくらほ自由詩8*07-3-3
そめられる鳩- soft_machine自由詩15*07-3-3

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