あ の 夏 に
侵 食 さ れ て ゆ く 記 憶
風 化 出 来 な い
君 の 亡 霊
朝、いつもの時間に家を出る。
母さんの作ってくれたお弁当と、いれてくれた水筒。
いつもの電車で、持っていた文庫本を読む。
会社について、制服に着替える。
たかだか30分だけのために ....
私は人魚姫の話を聞いてから
一睡も出来ず
ふらふらしてしまいました
反対に夢月はとても元気でした
「おはよう!
・・・って大丈夫か紅香?」
でもやっぱり心配してくれます
私はにっと ....
溢れるほど、満ち足りた言葉に、埋め尽くされて、
わたしは、天空を飛翔する鳥のように、
爽やかなひかりの音階の裾野に舞い降りる。
花々は寄り添い、一面を、湿潤な色香の帯を輝かせて、
痩せ ....
都会の夜に出る月は
ひんやり冷たいムーンライト
街角に漂うほのかな香り
そして誰かのひとり言
街の明かりに人影ひとつ
後ろの正面だあれ!
目隠しをして逃げたのはだあれ
ひちりぼっちの影と ....
みづうみは傷ついた渡り鳥の
保養所
三日も水に浮かんでゐれば
癒しは全身に及び
いざ
出立の羽搏き
あがる飛沫の半ばは
鳥の離別のかなしみ
みづうみは
....
結婚指輪をなくした女に会った。
子どもがどうしても貸してほしいというので
貸したらなくされたのだという。
青い砂が、風に少しさらわれていった。
女は忙しいのだという、
子どもが騒ぐと ....
目指したのは 空
それ以上も 以下も無く
ただ なんとしても飛びたかった
見上げた空が あまりに美しかったから
空はずっと前から ただ広く
{ルビ時間=とき}はずっと前から ただ流れて
....
鼻先をかすめた寂しげな風が
街の色を変えてゆく
音を消してゆく
それなのに
黒のタンクトップなんて着てる
それなのに
ビーチサンダルなんて履いてる
皆は気付かない振 ....
吉野屋の牛丼が再開することになった
その会見で社長が涙ぐむ場面があった
その涙の意味を考えもせずに
僕らは明日から牛丼を食べることになるだろう
ツユダクとかにしたり
卵なんか乗っけたりしてさ ....
眼科で診察中
次 眼を洗うから そこに座って待ってて
と 看護婦さんに言われて
長いすのはじに腰かけ
緑内障の眼の見える範囲などかかれた
ポスターをみる
すぐ 隣りに 杖をついた ....
小さな幸せ
たとえばいつもの道に
花が咲いている
その花の名前はわからないけれど
小さな幸せ
たとえば道を聞かれ
教えてあげたら
「ありがとう」と言われた
その人の名前はわからない ....
とれそうなまま
しがみつくもの
制服のボタン
放課後のバッタ
ほどはるかな道
引きずった影
空笑いで蹴飛ばす
夢の石ころ
かたむいた道
走り出すバス
遠ざかってゆく
....
たなばた たんざく たちつてと
秋の空と乙女の心は七変化
夏じまいに
怠惰で熱っぽい光を
燦々と振りまきながら
ねっとりとした風が
がらんどうの原っぱを吹き渡っていく
夏休み最後 ....
あたしの心は見えません
あたしにだって
見えなくなることがあります
心ってどこにあるんでしょうか?
心臓にあるんでしょうか
脳みそにあるんでしょうか
あたしは思うんです
....
ごめん
あと五分だけ。。
なんてセリフ
想像したこともないよね
君の寝顔
無敵の寝顔
一。
わたしの壁にはきいろいしみがある。
しみはわたしが産まれる前からあったしみで、
わたしの父がこの家に婿に来る前から、
ずっとそこにあったしみな ....
スーツ姿のサラリーマンでいっぱいの
0時44分発の東武東上線
最終電車
隣の席に座った人たちは
大きなバッグと
沖縄土産を抱えていた
そうか
この人は今まで沖縄にいたん ....
「そうだね」
君はかるく頷いてまたテレビをみた
くだらないニュースが何度も繰り返し流れていた
償いきれない罪はもはやそれは罪ではなく
一種の善のように思えた
欠 ....
不完全燃焼の一日に
何かを夜空に刻みたくて
言葉の調べを奏でたくなる
つながりを求めて
一人が淋しくて
言葉の調べをかなでようとする
一蓮托生この世の中
一緒に温 ....
波や風は待つものなのよ、と
長い髪を旋律で
砂浜の反射が切り抜いて
細めた視線の届く先に
僕の胸は高鳴る
星座盤の小さな窓から見たように
君のことを知ったかぶりしていた
そんな気がすると ....
カタツムリは
どうしてあんなに大きなラツパを
引き摺つて歩くやうになつたのだらう
身に余るラツパの大きさに
閉口してゐるのはよく見かけるが
いまだそのラツパが吹き鳴らされたの ....
流れる川の様な風の中で
月は太陽に嫉妬する
光があるから陰があり
太陽があるから月は輝く
あの子はじっと目を細め
息を殺す様にして遠くを見つめる
まるで
そこに何かが居る様に
....
いらっしゃいませ
私は涙のアメ屋さん
このアメはいかがです?
悲しみの涙を集めました
しょっぱいけれど
スッキリしますよ?
このアメはいかがで ....
燃える赤
のたうつ龍
たやすく消える命
背中合わせの 安心と不安
だから{ルビ恐々=こわごわ} 手なずけて
太古から人は
ご機嫌を取りながら
仲良くも 儚く
迷い道の向こう
....
燃える指くちびる含み恋をする
サルビアそれは紅い吐息に
ひそやかな風にするどき心こそ
コスモスふるう恋の歓び
咲き誇り頰よせたその黒百合に
....
私が生まれなければ
私が早くに死んでいれば
両親は不幸な人生を生きずにすんだ
「子供の頃からやりなおしたい」
そんな人生をおくらずにすんだ
私がいなければ
{引用= ....
夕暮れに
あの子にハモニカ吹いたげよう
ひとりぼっちの街角に
ふたりぼっちの歌ひとつ
ゆれるゆれる影法師
街はなぜに泣いている
人恋しいと泣いている
夕暮れに
あの子は泣いていたん ....
ほんとうに悲しいことっていうのは
決して届かない手紙とか
決して返事の来ない呼びかけとか
二度と会えない友だちとか
そういうことも悲しいのだけれど
なにか頭ではなくてうなじの ....
いつだって遥か遠くを
見つめていた、正太
本当はそんな名前じゃないのに
誰もがそう呼んでいた
*
学校へ行く途中
平然と菓子パンを買った、正太
朝飯なのだと、悪びれず
無造作に ....
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