わたしの空より
青い青いその先に
あなたの見ている空がある
夏から二ヵ月毎のカレンダーを剥がして
こころの奥まで秋が染みた日
それぞれの手に触れる温もりは
少し哀しい距離感 ....
あなたの笑顔の陰に
涙があるのを知ったのは
あなたの日記を読んだ時だ
「あの人を愛していて
眠れなくて
眠れなくて
あの人が帰ってしまったら
私は淋しくてたまらなくて」
....
聞いてあげるわよ
話ぐらい
ポケットの中の
ハンカチを出して
ため息ついて
情けない姿ね
表に飛ぶ蛾の
失笑を買ってる
元気を出して
明日は悪いもんじゃない
お財布 ....
「 」
昨夜のあいさつは、耳からこぼれる雨のよう
に切なく潤い熟し、さららと色を空を映す欠
けては満ちる月の鏡。
お早う
もうこんな時間
そろそろ失礼します
耳に残 ....
失恋の傷に追い討ち栗の毬
秋風の所為と言い張る君の嘘
秋ついりポチはハウスに引篭もり
月観れば腹を叩くか遠吠えか
天晴れと誉めてつかわす秋の空
....
二本のレールはずっと平行線
交わる時は必ず分岐点です
言い訳の出来ない
ダイヤグラムでは
二つの時間だけが時折
交叉していきます
ホームの対岸から差し入れられ
....
薄暗い軒先で
植えてもいないのに咲いている
高貴とは程遠い
紫の嫌な匂いを放つ花を
じっと 見ていた
「毒に彩られた花やね。」と教えてくれた
少女の丸くかがんだ背中から
....
歩き疲れた素振りを見せず
意固地なくらい背筋を伸ばして
灯りの少ない舗道を歩けば
月の兎と靴音だけがついてくる
無感情に道程を辿り
行く手を遮る列車を見送ると
何故かしら
乗りそ ....
テレビに釘付けになった
パジャマ姿の君
膝の上にはライオンの子どもを乗せて
今夜登場のビーバー君達は偉いな
助け合って巣をつくり
北米の森を豊かにしているのだから
でもライオンは野 ....
あなたが愛と呼ぶものの
正体がわからない
愛がなくても
たぶん
抱きあったりできる
でも
抱きあったりできない
場合もある
だからといって
愛していたり
することだってある
....
言葉なく交わすあなたとの言葉
静寂に落ちたひとしずくの音色が
あなたのすべてを物語る
言葉なくあなたを抱きしめて
あなたへの誓いの言葉とする
玄関のドアを開けたら
鈴虫がいた
小さい頃の歌 思い出す
リンリンリンリン リィンリン
鳴くのを待って
じっと見つめる
鳴かない
睨み合う
僕が負けて
歩き出す
....
ふとんの中は悲しみの雨
既に日付は変わる
枯れた目
枯れた声
枯れた恋
明日明後日と過ぎていく
時は過ぎることが使命
枯れた目に目薬をさすのは
枯れた声を潤すのは
枯 ....
貴方の瞳があまりにも
澄んだ色をしているから
向かいあうと俯いてしまって
貴方の爪先ばかりを見ている
眩しいと感じるものが苦手で
目を逸らしてしまうのは
自分の穢 ....
影を切り絵にする
凍てつく月夜
わたしの秘めた暗闇を
湿った地面に縫い付ける
月をみたか
わたしには
眩しすぎる
いとしいひとよ
顔が見えずとも
声がきこえずとも
跡形がなくなったとしても
あなたはわたしの
いとしいひとです
季節外れの花を見て
桜の下のあなたをおもう
....
夕暮れは
いつまで経ってもやってこなかった
川原に揺れる黄色は
菜の花のようにも見えたが
菜の花でないことはわかっていた
季節は秋
それでも遠目から見た黄色は
何となく春を思い出 ....
ゆらり美しく舞って現れたあなた
あの日から 頭にこびりついている
夢を見すぎて 離れなくなってしまった
あなたに激しい風が吹いたら
囲んで守ってあげたい
羽が傷つくと 美しく踊れなくなるだろ ....
あなたは、今までどんな道を歩いてきましたか?
それは、厳しかったですか?易しかったですか?
あなたは、今まで誰とその道を歩いてきましたか?
家族とですか?恋人とですか?友人とですか?
....
無性に腹が立つことがある
それが全て
考え方の違いで片付けられる
認めることが出来ない
君は僕とは違うんだね
それではすまされない
内側に膿がたまり
侵食されていく
....
心の中の風船は 知らないうちにふくらんでいたから
割れるのが怖くて 君に近づけなかった
ぼくの目に映るだけでよかったのに
いつしか近づきたいと思ってしまって
でも勇気がなくて 足踏みして
....
コンクリートジャングルを
見下ろす
蒼い空に
真っ白な
ぽわぽわ羊が
たゆたっている
壊れてしまった
レコード盤のような
日常に
膿んで
見上げる空は
高い
鋼 ....
インターホンが壊れてしまって
不在票ばかり、溜まってゆく
ドアをノックする手を
誰も持たない
再配達を
今日は頼んだから、
夕暮れにつづく時刻に
言い訳を抱えて
ドアの内側に寄 ....
いくじなしです
ぼくはいくじなしです
あなたへの想いに
両手も
ポケットも
鞄も
引き出しも
ロッカーも
口の中まで
いっぱいだというのに
....
"今"は すぐ過去へ
新しい"今"が訪れ、また去る
時の不思議に酔いしれる
この間にも 数多の"今"が生まれ、去る
時間と共にぼ ....
1人では重たい荷物は運べない
1人では手はつなげない
1人では鬼ごっこもかくれんぼもできない
1人ではなにもできない
....
おはよう
息が吸える
布団の中は温かい
私は生きている
深呼吸をする
窓を開けて 今日の太陽
私は
まだ生きています
父の写真に
新しい水
お父 ....
言わずと知れた日本が誇る言葉の芸術家、あめんぼ赤いな北原白秋です。
からまつにからまつのかぜ。北原白秋です。
短歌の音とリズムの組み合わせが最高です。
というわけで、白秋の短歌を勝手にベタ褒 ....
こんな都会だから星は輝かない
空を見上げもせず そう思い込んでいた
見えているものを確かめていくのは
立ち止まってみないと難しいのかもしれない
考え込んだ夜 外はあまりに綺麗で
窓の ....
涙は
流れることを許されず
瞳にとどまっていた
雨が
かわりに泣いてくれたので
辛うじてプライドを保っている
物語は
最終章を目の前にして
頁を閉じられた
栞を
....
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