昼下がりの人気の少ない公園のテーブルで
ノートを広げ
考え込んでいる様子
まさか遺書でないでしょうね
まだまだ若そうな女性の人差し指が
あごを支えて止まっている
見知らぬ人だか ....
おねがい
きらいにならないで
好きとか
恋とか
愛とか
もう
いいの
きらいに
ならないで
たまに会ったら
微笑んで
機嫌が良ければ
指切りげんまん
するみた ....
{画像=110927215321.jpg}
(扉絵:雨傘をさしてニッコリ笑うボクのアップ)
(絵?:雨傘をさして飛び出して行くボク。地面には大きな水溜り。)
雨降り
お迎え ....
凍てつく世間の中で 燃え尽きてしまうだろうと 誰か云ってた
ハートの中のホットスプリング 枯れ果ててしまうだろうと 誰かが云ってた
身を寄せ合って生きる
絶望の世代
冷ややかに見つめる
生み ....
朝
つめたい交わり 踏切だけで三十の詩が書けるという人は
亡霊のような突き指をする
昼
エール飛び交うマウンドで少年たちの夢を食べる獏は
消化不良で怒り目になる
夜
お菓子をどう ....
現住所に越して早4年
アシナガバチと共存して早4年
越して一ヶ月目に
換気扇から進入してきた時には
家中大騒ぎだったけど
今では お互いに干渉しない!ってことで
良い距離 ....
降りてこない遮断機の前で
ひとり半目の
通せんぼ。
向こう岸の空気。
酸化しないと決めたはずの鉄が
怯えるかのように
急激に震えだす。
半目の背丈ほどある姿が
決まり事の便 ....
内臓と筋肉と精神と
空を見上げれば
口からこみ上げるほどの
未消化な感情が
胸焼けの原因で
とりあえず君と映画を見に行こうと誘った。
有楽町のシネマ1では
Born to b ....
終末思想を唱える 壊れかけたラジオ
音速に達したカーチェイス 対向車をすり抜け
湾岸を突き抜けるハイウェイ 行き止まりまであと僅か
壁面を突き抜けてその先 海面へ命懸けダイブ
加速度的に ....
貴方が囁く愛の言葉なんて
もう要らない
それが真実のものだなんて
思わない
切れる寸前の蛍光灯のような
途切れ途切れの白い光に手を伸ばす
この耳に届く頃には
誰かのノ ....
時の器に
夜がすこしづつ満たされていく
眠りついた月の横顔
埋もれた砂時計の砂丘は、はだしのぬくもり
天よりふる砂を見つめては
閉塞されたガラスにふれる
砂の音はや ....
{引用=
しろやぎさんからおてがみついた
くろやぎさんたらよまずにたべた
}
::
不穏な空気に包まれた景色を見ていた
不安があちこちに転がっている
ひとつの石の周 ....
あなたのお墓が山の上だから
息がきれてしまう
ちょっとご無沙汰していました
ほら、こんな所に
空中に割れる彼岸花
男でも女でもなく
オモイデを守っている
見下ろせば海の中 ....
きゅっとひねって
ぐいと飲み干す
なんでもないことのように
そうできたらいいのに
あこがれと崇拝が
近づけて遠ざけるから
私はどんどん小さくなって
ペットボトルの首飾りになって
た ....
いつも七時二十四分発の各駅停車
難波行き二両目のいつもの扉の列で
君を待つのがボクの日課だった
布施までの短い時間の満員電車の距離が
ドキドキする未来の始まりだと信じて
アルバイトが早く ....
たった1年で
大人になった猫は
春には泡立つ光の匂いを
丹念に嗅ぎ回りながら
ひとつ歳をとり
夏には風呂場のタイルの上に
長々と寝そべりながら
ひとつ歳をとり
秋にはふ ....
朝蜘蛛を野放しにして数日
白い壁に
夜を引きずり出そうと
穴は這う
エアコンの吹き出し口を好む
わたしの目がかわく
土壁に
みつけた、と呟いた午後には
あなた つぶされてしまった
....
さいごの蝉が
真夏のふりをして鳴いていた
この坂は高校のときあがっていた
風が吹いていて
UFOみたいな雲がどきどきした
ぜんぶはぐれ雲だ
ぜんぶひとつの空だ
....
昼夜繰り返される試み
この街が雨で埋め尽くされる頃
呼吸を許されたとき
空っぽの胃
歌う
泣きたい、と
ひっそりのたうつ
こんなにも女(の子)だったかと
雨粒に色を閉じ込める作業
....
金の入日に 繻子の黒
金波 頭上に おわします
思えばオーロラ 光のループ
金の入日に 銀の水輪 ゆれる人蔭 金輪奈落の水際の
あのかた あちらに いらっしゃる
昼間 ....
体に穴が空いてしまったんだ
胸のここんとこに
大きな穴が空いてしまったんだ
この穴にぴったりと合う部品を探して
取っかえ引っかえ試してみるけど
なぜだかどれも しっくり来ないんだ
....
街が正常の仮面を被るなら
僕は異常の素顔をさらす
君は異常な僕に守られ
正常な君は病む
言葉とは誠に
都合のいいもので
みてくれだけでは
脳内までは探れない
何 ....
朝
一房の日差し摘み
頬杖つく
もぎ取った新鮮な味に
今日という農園が
扉を開ける
きょうもいくつか裏切られ
それでもきょうは平穏だった
この夏スーツで通した俺じゃないか
たとえ悪意があろうとも
悪気はないんだ仕方がないんだ
日々の試されに
逃げず ....
やさしさが雨になって/降り注いだ真夜中
渇くばかりの僕達は/いつだって孤独が恐ろしいということを/宇宙に吐き出している
うちゅうは こどくの かたまりだ
真夜中の雨/さびしいと哭 ....
生魚。アボガド、漬物、南国フルーツ、関西風のうすあじ味噌汁に、脂ののった肉々しい肉。
トマトゼリー。イカとタコ、噛みごたえのある食感はゴムの域を出ない。
その他甲殻類。レーズン、あんこ、辛い ....
高い山の上にある洞窟の中
さかさまに本を開いて
愛しいあの子の為に記号を探す
手紙を綴るために
相応しい記号を贈りたいのに
不味くて吐き出してしまったり
美味しくて食べ過ぎてしまったり ....
空気より軽くなった実についての考察。
(遠くから見えたい人)
ほら
あそこに浮いているのが見えるだろ?
(不十分すぎた不純さ)
強引様のお出ましさ
あれにはなんてったって
知らん ....
幾世紀もの家族がつながった半島の先端
岬はいつもそこにあって
空と海の高さを測り
見知らぬ明日の水平線を描いてきた
海を渉る鳥たちのために
半島に帰る人びとのために
灯りの落ちた ....
もう骨身にしみて
地上の風景が分かっている我々。
地上には乾涸らびたバッファローの頭蓋骨
灌木に砂、掴むことの出来ない短い丈の草と
土煙を上げて往来するトラックの群れ
遠景に岩山が望めるが
....
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