薄荷煙草の火も消さぬうちに
十二月が階段を上ってきた
(マフラーの準備をしなければ冬は来ない)
身勝手な先送りを
誰か聞き届けるはずもなく
暦の挿し絵は 赤 緑 白
聖 ....
顔のない 男
惨めな 排便
垂れ流しながら
走り去る
九州から 北陸まで
官能の穴の中には
傲慢さが 隠れているのに
それでも
顔のない 男は
惨めな 放尿を
辺りに 散ら ....
僕がしっかり支えるから
信じてくれるね
ちょっと頼りない腕だけど
咲き残る
幾重もの紅き花片は
誰人かに
散ることを留め置かれた
木枯らしに晒されて
「私はもう疲れたの」と
通りすがる男達に
哀しい微笑を投げかける
キラキラしているものがスキ
身近なもので言えば やっぱり宝石は 素敵
ひとつ 身に着けるだけで 何だか 自信に繋がるような
大切な人から もらえたら どんなに しあわせだろう
....
鈍色の空にマーブル状の模様をひと通り描いてご機嫌な様子
今度は地上へ下りてきて 銀杏の葉の降る方へと螺旋を描く
相変わらずの悪戯を繰り返し空の中ほどで口笛を吹いている
おしまいに鈍色の空に光の通る道を ....
「世間」と言う濾過器を使うと
見えてくるのは 他人が知る「自分」
「日常」と言う濾過器を使うと
見えてくるのは 自分が知る「自分」
「不可知」なる濾過器を使えば
そこにいるのは 本当 ....
列車の時間がせまっても
気にとめようともしなかった
はかなげに咲いた沈丁花
まぶしい夕日に照らされて
風になびく その花びら
とても愛しくて
遠くで汽笛が聞こえても
気にとめ ....
あれは遠い夢で見た海岸。
あの波の碧さ、あの浜の眩しさは
今もたもたれているのであろうか。
焼けたガレージの隅にあったシャワー。
広い玄関には浮き輪やボートがあった。
はす向かいの、セブ ....
こぼれる 刃
渡った眼 閉じる
光の ぬかるみに
紡いで 望む両手
つかえる やぐら
踏み 登りつめ
土鬼の から腹
澄んだ 眩暈
刈り取られる風
香り
塞いだ灯の
....
力抜いて、いこうよ。
朝起きたら
郵便受けが手紙を{ルビ銜=くわ}えていた
切手はないのに消印はある
宛名はあるのに差出人がない
ちぐはぐな手紙
開けてみると光が入っていた
光はみるみるうちに封筒から出 ....
窓の外は
ひどい風の音です
のどが苦しく鳴るような
うねるような
激しさなのです
思わず私は
自分ののどを押さえます
ひどい風の音です
いま飛び出せば
何を吐き出して ....
影は光に隠されている
光はぼくらの目を眩ましている
よく周りを見てみれば
そこら中 影だらけ
影と光は紙一重
影が在るから光が在る
そして光は影を生み出す
....
月は満ちる
音もなく
この光に
この暖かな光に
何度君を思い返し
何度願っただろう
月が欠ける
忍び寄る闇に覆われていく
その闇に
この暗い闇に
何度絶望を知り
....
心が渇かぬように君は 氷のオーラを身にまとう
それは君が流した涙
涙のオーラ
砂漠では生きられないからと 君が選んだ氷の世界は
しかし砂漠と同じで
夕日に光る砂漠が美しいように ....
そのひとは
ひっそりと
木漏れ日の中にいた
何かおこりそうな空だこと。
そういえば、このあいだの鳥は、
どうしたかしら。
陽にひらめいて、
虹を食べて、
七色になって、
空へと消 ....
猫はネズミを捕る
と決まっているわけでもないだろうに
きみときたらネズミをくわえて
クリスマスには早いわたしの枕元
スズメの時もあれば
夏にはカエルだったね
食べる為ではなさそうだけど
....
キミに何をしたらいいのか分からなかった。
キミは今 絶望の淵に居るのかもしれない。
私は笑っちゃうくらいの 不器用だけど 考え付いたのが
何故か 手作りの お守りを渡したくなった。
....
最後の赤を脱ぎ捨てた
紅葉の合間から冬の声が届くと
過ぎた年月は
あどけない写真に
痛々しく画鋲の痕をつけながら
かなしみを、ときめきを、
なつかしさのオブラートに包み込む
....
お尻から生えてた
あげたてのコロッケみたいないろの
太いしっぽを
あわてて隠しました。
あのひとが明日来るってさ。
油断して
わたし
ババシャツで毎晩寝てました。
かみの毛 ....
北の国では雨粒が
まっしろな六角の花を咲かす頃
運命をギュっと掴んでいたその指は
夢や幸せも白く結晶させたようで
すべからく物事は
原因があって転がりだし
人との出会いも必然で ....
懐かしい天国への途上で
思い出されるのはあなたのこと
いや むしろ気がかりなこと
あなたによって
傷ついた額から血が流れるのは
これで二度目だ
茨の冠で傷ついた額は
最初に頭を打 ....
マイク投げ ガッツポーズに 毒舌も ヘアケアポスター 可愛い素顔
二週間経った卵を食べていた 過去事もなげ 人気司会者
芸人の 真似はずしてる 合コンで 笑いで口説く コツほのめかす
....
子供のころ
父さんの行きつけの床屋さんで
髪を切ってもらっていた
そこのおばちゃんは私の髪を梳かしながら
「○○ちゃんの髪はほんと硬いね〜、櫛が折れちゃうわ」 って笑うから
いつも ....
白い部屋にひとりきりだったあのころ
分かってくれる人が欲しかった
きもちとか
考え方とか
そんなふうないろいろを
分かって
包んでくれる腕が欲しくて
泣いていた
やっと現れた理 ....
擦り切れたブランケットを放せない子供みたいね 君依存症
ねぇわたし、あの娘がしているマフラーが欲しいの。はやく盗ってちょうだい
陽だまりのように私をなだめてよ パールなんか ....
風の筆で残す暗号は
地図のため息と
おたがいの足跡をかくして
いつも同じかたちに戻ろうとします
その度に行方は
なぎさに吹き寄せられて
波に、雨に、さらに細かく
見失ってしまい
....
彩るうたを{ルビ口遊=くちずさ}む
こんな命があるかしら
{ルビ水=み}の{ルビ面=も}に蝶が浮いている
ちらともせずに浮いている
こんな命があるかしら
あすを知りえず浮いている
....
蛇口が捻られたのに気付いて
必死で押さえつけるけれど
耐え切れず
当たり前のように
落ちる
雫
浴槽には
透明で
不思議な色に染まった水が たまっていて
新入りは 小さな音を ....
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