あいつは 背伸びするのが実にうまいんだ
さりげなく それでいて 確実に
頭一つ分抜き出る
なかなか努力の芽が出ないからって
そこらのメガネ君が真似してはいけない
目立ちすぎて白い目で見ら ....
森の奥で一輪の花と出会う
落ち葉道に紛れ
ひっそり咲いている
慎ましく透明な花に
この感動を伝えたくて
スコップで根を掘り起こし
花瓶に生けて持ち帰る
机の上に置いて眺めた
不 ....
男は言った。
「日本人の好きな花といえば、桜が筆頭だ。
だが、桜より彼岸花が好きな人間もいる」
「桜は自分が咲ける場所だけを、移っていく」
「彼岸花は違う。北から南、あの時期にだけ、 ....
じっくり
と
ゆったり
と
間延びした
と
きを巻き取り
一日が静かに
暮れていく
出番を待ちかねた
まんまる
の
ほころび
が青白く
煌煌
....
Tokyo Poeket 2005 江戸東京博物館にて
浅黒い肌
伏せ目勝ちに世界を伺い
情熱は 太い腕の中を空回りしている様子
遠くからも
痛々しい触感が伝わる
黒人と木乃伊 ....
風のかたちになりたいのです
なのに
縫いつけておいたはずの秋風が
かたちをうばいました
(ほたる 湯けむり はぐれ雲)
うばわれたと思ったのは勘違いでした
かたちがない ....
彼岸華 ほっこりまるい 朱い華
きっとその身に たましい抱いて
雷鳴にかきけされてく「さよなら」と微笑みながら消え逝く夏よ
画用紙の上でちぎれんばかり手をふるは向日葵それともきみか
欠けてゆく月も満ちてゆく月も紙一重に映す海鏡
....
救急車が来ない。
だから、
ないてみた。
ぴぃーぽー。
ぴぃーぽぉー。
ぴぃーぽー。
ぴぃーぽぉー。
救急車は来ない。
周りには、
こんな ....
我ひとり凛と咲きたるケイトウの立ち姿に見る揺るぎなき赤
夕焼けを映して林檎の色づいて食むる乙女の頬にうす紅
ひそやかな紅き花よと見惚れたる君のまなざし吾もまた乞う
い ....
旅先の朝はいつも
どことなく空々しくて
慣れた町のそれより音が少なくて
まるで耳鳴りのように迫ってくるもんだ
僕は重たい体をゆっくりと起こす
さすがに他人の蒲団じゃそんなに眠れないな
....
消波ブロックを頂点にして
対角線をさがしている
フェリーが防波堤の方向を変える
ほうっ! 波!
二等辺三角形だ!
秋桜揺れる
秋揺れて
風の彼岸を見渡せば
時の遥かに思い出揺れて
塩辛い川面に光注げば
懐かしく
哀しく
かの人は手を振る
道を分かちて
生きた君
人のか ....
毎日ゴミを持って帰ってくるから
部屋は散らかっている
大切な写真はもう
埋もれて見えなくなった
時々全てが邪魔に思えて
部屋に火をつけその中で眠る
目が覚めると 何故かゴミだけ
燃え ....
一 うろこ雲 雨が来るのを 知らせに来
二 夕空の 空気にとけて かきあかね
三 縁日の 思い出してよ 浴衣の子
四 洗い立て 昨日の事は 日の匂い
五 逢いに行く ....
憎悪は森が
憐憫は人が
ひびくは草
ひびくは草
草の風紋
草の風域
ねえ、ことばがもっと自由だったら
よかったの?
やさしい手を
戸の隙に隠し ....
それは雪で作られた花だった
夏の日差しの中
何故こんなものが存在するのか
それは美しく不可思議だった
その姿に見惚れるでもなく
ただ 無表情に じっと見つめ続けた
溶け出し嘘をさらす瞬 ....
今 長針という男と 短針という女が
愛し合って 一つになった
12時間に一度の快楽
24時間に一度の快楽には
暦も祝福して一歩足を進める
誰の上でも どこの場所でも
....
雪の中
反射望遠鏡を囲んで
オリオンをみたかい
どの星の並びを見ても
君の残像に見えたのは
ぼくのせいなんだろうか
雪の白黒を反転し ....
曖昧模糊のもこちゃんは
啓蟄の頃のヘッジホッグの同類である
もこちゃんは悪夢をムシャムシャ食する貘の遠い親戚で
ペガサスやユニコーンとも従姉妹筋かなんかじゃなかっただろうか
もこちゃん ....
沢山の中から
君だけの大切なもの
見つけられるかな?
今日の仕事は うさぎだった
陽気なピンクだ
道行く車にいっぱい手を振ったよ
振り返してくれる人は
みんな笑顔で
おいら、ちょっと
幸せを振りまいた気分。
....
今日もまた 十円玉を募金箱に投げ入れる
それがいつ どこで誰を救うのかなんてわからない
これは自己満足?
意味の無い行動?
その答えは知らない 知りえない
思いはいつも 届かないまま転が ....
海辺に
打ち捨てられた羽衣
水底に たぐりとられ
心 なくすばかりの 果て
指が 訪れる
風に 似た とろむ甘さで
ふれる やさしく
どうして そんなこと してくれるの
どうし ....
絡まった糸を ほどこうと
深夜の疎水沿いを 静かに歩いた
流れていたのは川
流れていたのは星
流れていたのは時
流れていたのは涙
流されていたのは 僕
見上 ....
大きく手を広げて
虚空に円を描く
円の真ん中に
吐息を吹きかける
意味の無い行為
足の指を広げて
靴底を踏みしめる
指と指の間に
力を込めてみる
意味の無い行為
無意味に満 ....
結婚しよう
と君は言った
僕がコップを洗っているとき。
いいよ。
その
ひぐらし
アコーディオンがたからもの
ヒトの喝采むさぼって
どこふく風のねなしぐさ
ゆらりと浮世をやりすごす
あれは
キリギリスとしんせきだったかねぇ
そ ....
月の夜にほろほろ酔い
虫の音聴いて踊り出す
モミジの葉陰の魔物たち
ヒガンバナが燃えてるよ
ワレモコウは眩しくて
そっと瞳を閉じている
秋の月夜はきれいだね
アケビの露を ....
夏、真っ盛りの宵闇を切り裂いて
とりどりの色と散っていった夜空
が
赤ん坊
を
落としていきました
ぽ〜ん
ぽーーーん
ぽ〜〜〜--〜〜ん
ぽ
ぽ
ぽ
ぽ
....
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