ナイロンで滑る指
艶めかしさに酔い
月の果てに漂う
今宵の月
冴えて
今宵の月
独りで
輝いている
夜の屋内プール
水面に反射する
水銀灯・ナトリウムラン ....
私は 愛する人に 出会った
私は世界を突き抜けた
あなたの腕の中で
原点の私に還る
私はそこで生まれ
おそらくそこに還る
悲しみを何度も浄化し
研ぎ澄まされた透 ....
僕の暗がりに
三十四回目の月が生まれ変わる
前世も月だ、その前世も
それを証明するために
この手は螢石をみがく
やがて銀河の形の指輪を飾るために
暗がりの天蓋がひと巡りする
シリ ....
「ダックス!」
といきなりいわれた
ソファーでひっくり返って
ノビている姿が
ペットショップで見かけた
ミニチュア・ダックスにそっくりだという
あんなふうにやわらかい腹をムキダシで
無垢 ....
雨の中で涙を流すと
君はあの日言ってたね
頬を伝う雫も涙も
たった一つになりゃいいと
ボク 今日 気付いたよ
雨に混ぜることもない
傘の中 俯いて
前髪で目を 隠せばいい
....
戒厳令下、部屋は灯火管制の暗闇に沈んでいる
遠く、山脈の向こうで、モデムのLEDが点滅している
僕は、銃撃に怯えながら
アロマキャンドルの揺れる炎を見つめている
嘘ではない。もはや戦後では ....
ああ
きみはどうしてこの世界に来たのですか と
機関士が言ったので
そうだな、僕は
なにひとつ持ってこられなかった と こたえた
砂漠の砂は日々減ってゆき
海はすぐそこ ....
{画像=080415103405.jpg}
もう眠ることが仕事になってしまったね。
丸くなって眠っている。
お気に入りの毛布とタオルケット。
近くのカーペットにはおしっこの染みもある。
首筋 ....
順調に下りてきた針は息切れし
8あたりで喘いでいる
それを見てただ微笑むだけの君は
海外ドラマに夢中になってて
きのう焦げつかせたやかんをせっせと磨く
思い違いで吐いたせりふに
独りの夜が寝られない
震える心は何故なのか
人が恐い 人の悪意が恐ろしい
人を信じることを諦めた時
生きてることは痛々しい
人の心は季節の ....
またここで 僕は
とめどなく 歌をうたおう
君が戻る その日まで
あの頃のように 絶え間なく
この花が 全て散って 実を結んだとしても
この鳥が 新しい命をはぐくみ 空へと飛び立って ....
・三日前の話
私が
指先のみの力で
空を切ったとき
その軌跡は
柔らかなひかりになって
木漏れ日の影の部分を
踏んで行きました
....
{引用=
くまちゃん
雪が降ったからね、うさぎを作ったんだ。ダイクマからの帰り道、雪が降って、ねぇ。積ったらいいのにーってはしゃいだら僕、冗談じゃない!ってみんなに怒られてさ。くまちゃんは雪の多い ....
春が訪れて
桜の花が優雅にひらく
一方 私は
どんなにその絢爛さを愛でてみても
開き誇れる蕾をもたない
春が訪れて
{ルビ蒲公英=たんぽぽ}の種が風にさらわれる
一方 私は
....
夜は僕の肌をなめまわし
僕の知らない僕のこころと密会する
君は君の手垢をつけ
僕は僕の手垢を付けていく
君と僕の手垢が重なることはない
見つめあうことのないふたり
洗剤は合 ....
芸術の巨大な 第一波
自己表現は為される( 成就! ?
白く塗り込められた キャンバス
書き留められた 文字
録音で魂が吹き込まれ
レンズが骨まで映し出す
芸術は自然を 追尾し ....
そらの隙間
を、埋めようとして
春に吹けば花を
夏に吹けば草切れを
僕の僅かな体温で
そらのどこかに隙間ができて
そのどこかをえいえんに
、さがしつづけ
....
{引用=ケンタウルスの夜に
ケンタウルスの夜に
星屑を降らせよ
砂糖菓子のように甘くかたまって
壮大な橋をつくれ
研ぎ澄まされた露を舐めて
硝子の角を指先に絡ませて
....
{画像=080413012058.jpg}
ただ
生きているだけで、
疲れただなんて、
ぼくもいったい
いいかげんなものさ。
二十三の
ぼくの人生なんて、
いったいなんなんだろうと、
....
三十年の間
一つ屋根の下ですごした
八十八の祖母が
悪性腫瘍と知ってから
街を歩いて目に映る
すべての人が
やがては空に吸い上げられる
幻の雫に見える
曇り空の果 ....
耳を塞ぐと聞こえるんだ
自分の鼓動 命の脈動 神経系統の音
音が音が聞こえるんだよ
君の君の君の声が
「君はどうして僕を愛してくれるの?」
「どうして、ってそりゃあ君が珍しいサンプル ....
何も信じるものがいない
誰も頼れる人がいない
さまよえる亡霊
頭が痛い
STATUE OF LIBERTY?
女神そんなもんいるはずがない
自由の銅像の間違えでは?
アインシュタイン ....
やすりで刻まれる心をあの手この手であやす日々
救いを求めてちっぽけな独り旅
白い視線はいつものこと
無邪気な少女達と柔らかな風
目の前にひとひらの桜の花びらが舞い落ちる
....
ホームを歩いていたら
ほうきとちりとりを持った駅員さんが
花びらを掃いていた
小さなホーム 裏の桜の木
頭上から桃色の両手を差し伸べて
風が吹けば
ひらひらと舞い降りて ....
地平線の向こうに
沈みゆく陽の輝きをうけて
盲目のピアノがある
そこから
三歩先に
思い出を失くしたチェロが腰掛けている
盲目のピアノと
思い出を失くしたチェロとの
ちょうど
五 ....
剥げてゆく空の下
車輪まわり、まわり
金の音さらに、
さらに遠ざかりゆく
緑金の春に
*
やあ
俺は
くちべたなんだ
どういうわけだか
とても仲のよいはずの奴と話していても ....
080411
乱れ飛ぶ
風景が飛んでゆく
車窓の景色
小父さんと小母さんが
席を立ったので
列車の窓は停止した。
舷を叩いて魚を脅す
古くさい ....
耳障りがいいからといって
散らかしてしまった言葉を
解いて文字にかえしています
また
本当に
必要な時が
来るとわかっているんです
今の私には
お下げしてよろしいで ....
星だけが輝く夜。
一人の少年が、
その手に持つテニスボールを思い切りアスファルトに投げつけた。
ポオォーーーーーン・・・・・
闇に溶け込むほどに高く跳ね上がったボールは一瞬、
乳白色のやわら ....
肺を水で満たすような
この痛みと苦しみを恋と呼ぶなら
こんな思いはいらない
何度もそう思うのに
その笑顔を見るたびに
溺れそうな気持ちがまた
幸せの光に満たされるんだ
....
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