それが誰なのか、
記憶を探れば出てくるが、
誰が誰であったか、
この部屋では関係ない。
窓の向こうに手を伸ばそうとも、
扉の向こうに声を掛けようとも、
ひとつも ....
薄紫の和紙に 小さなお山のように盛られた氷砂糖を
壊さないように 天辺からそっと摘まんで
可愛らしい唇に つん と付けては
何となく冷たい感触を味わうのよ あの子は。
口溶けは 冷やか ....
眠る君を描いていた
ひいやりと冷たくなった指先を
ガスストーブで暖めて
背骨をなぞる
腰から辿り
肩から首へ
すべらかな皮膚は
美しき筋肉を
骨を
透かす
薫製肉のよう ....
売り出された月世界旅行
価格は110億円
誰でも
それだけあれば月に行ける
行きたいけど
お金がない(笑い
お金が欲しいと思う
110億円は
小売価格だから
原価はいくらだろう
....
(詩と作者)
私が詩とつながることはいい。
私が詩とつながらなくてもいい。
私=詩でも、私≠詩でも。
また、
作者=詩でも、作者≠詩でも。
ただ、詩の「作品」を、作者本人に結びつけ ....
踏ん張る事や力を入れるタイミング
そんな事ばかりに気を取られ
ゆだねる事を忘れた君へ
身を任せて少し自分の居場所をずらす
一生懸命前ばかり見るのでなく
ほんのちょっぴりそう
僕の肩に ....
スライスしたレモン
つんと鼻をくすぐる香り
トロトロと蜂蜜を垂らす
黄金の帯が黄色いレモンの上に重なる
重なる
トロトロと・・・
一晩過ごせば
溶け合い
甘酸っぱい自身の液 ....
最後の夜を過ごしました
一人で
蛇口も
机も
ピカピカです
床も磨きました
思い出を一つずつ
丁寧にふき取っていきました
涙が染みこんだソファや
怒りと罵声が舞い上が ....
ふってくる 蝉の声に閉じ込められ
みどり色にとけていく
こんもりとした緑の隙間から
容赦ない光が照りつける
白と黒のかげの中 一陣の風
あおと蒼のあいだに
ぽっかりと浮かぶ しろ
ひと ....
彼はいるのだ
明るさ―この時期には場違いな―の中に
まるで透明で小さな箱に押し込まれたように
彼は縮こまっているのだ
ただ、昨年、一昨年、と
思い出せるだけのこの時期の思い出を ....
私を呼んでください
私を抱いてください
ちょっとでも放っとかれると電池が切れて動けなくなる
私は寂しがりやのウサギ
私を求めてください
私を探してください
誰か ....
ある日を境に
名前も住所も失った
私はただのコンマでしかなく
コンマでいるのは
たいそう居心地が悪い
誰か一人でも
私の名前を思い出してくれないものかと
お茶ばかり飲んでいる ....
申し訳ございません、ただいま満席でして
お待ちいただけますか、お名前は?
狼様と羊様でございますね、先にご注文を
はい、ディナーをフルコースで、おふたつ
かしこまりました、お掛けになって…
....
だから俺は未だにこうしている
この世界を嫌うのに飽きるのを
何時まで経っても同じ事だろう
簡単に結論なんて見えやしない
俺たちは置いて行かれて
またもや時代の波ってのに乗り遅れた
世界 ....
涙がつたっていた
朝のことだ
見ていたのか
夢を
(思い出せない)
遠くから鈴の音
昨晩のことだ
届いたのか
手紙が
(治らない)
涙がつたっていた
朝の風が
....
あなたが海を歌うとき
わたしの瞳は波になる
愛していたと
告げる言葉が悲しくて
静かに揺れる波になる
あなたが空を歌うとき
わたしの胸は波になる ....
プラネタリウムの暗闇に
目が慣れるまでの
ほんのわずかな時間
きみのからだの
いちばん柔らかなところに
そっと指を這わせてみたい
こっちを見るな北極星
少しだけ目を閉じていろ
....
やる気 元気 勇気
三気の馬に跨がって
毎日 駆けてく その様は
アポロンにも似た 凛々しさで
ほれぼれ すっかり みほれます
おうまは 時々 気まぐれに
そ ....
何度時計をなくしただろう
その度、親や恋人に申しわけなくて
三時間部屋の隅で膝を抱えた
それでも時計は与えられる
ベルトを見て身が凍ったのを隠し
頭を下げて受け取る
ベルトを締める ....
モラルを守るの、ラルモ
それは大切なこと大切なことよ
生きて再び歩いたりしてはだめ
火遊びもまた
街がひとつ陥落しているわ
ジス・イズ・ア・ペン
それは荒井注のギャグよ
スペ ....
寄る辺なきひとの波に影を投じる月の輝く空を放っておけば雨があがる。
泥と砂の間のぼやけた境界線にもやはり与えるべき色がある。それを接触と呼ばせる
行動の中に既に未然の行動の中に通っている線を与えん ....
足下に流れるほの暗い思念の残滓
忘却の河に沈む意志の荒野
時の行方を筆先に乗せて形にならない言葉を返す
語られる物語の終章にあるのは虚無の後先
詩の痕跡を辿り行き着いた光の陰影を浴びて
歌わ ....
花火の音は別れの合図
カラッポの腹に響いてから
空しさと 情けなさを
さらに カラッポな空へ
打ち上げて ばらまいて
「忘れることは簡単だ」
空が皮肉に笑って
散らばって落ちる色 ....
雨の日は嫌い
雨の音はあたしを寂しくさせる
目を瞑って 声も立てずに シーツに包まって
そして雨が止むのを待っている
雨の日は嫌い
雨の音は誰かが泣いているように思えるから
雨の日 ....
明け方に帰ったわたしに
次の日電話がかかってきた
留守電にする
その次の日も
留守電にする
その次の日も
一度だけって
約束したよね
だから許したよ
酔ってたし
でもそれだけだ ....
水色をまとい眺める水平線南の国は晴れだよ兄さん
マスカラの黒に瞳が見え隠れそんなふうに怒るな妹
空き瓶をカチリといわせ運んだね僕にとっての紅姉さん
紫の水晶送 ....
ヒュー シュッパーン パッ パッ パッ パッ パン
たま〜や
夏の宵闇を貫く大輪の華
ラムネの瓶に沈んでいく
タップ タップ タップ タップ ....
どうしたら此処から翔べるのか
そればかり考えていて
けっきょく何処にも翔べなかった
次々と羽化する蝶たちを
横目で見ながら
葉陰に守られて留まって
安穏
すがるような言葉 ....
ある日の夕方
ポチは神妙な顔をして
私の前におすわりをして
喋りはじめた
ねぇ。
ボクはずっと前から考えていたのだけど
どうして人は平気で人を傷つけたり
いがみ合ってみたり
....
青空に流れる雲
川辺に座って ぼやりと眺める
いつのまにか 消えた雲は
懐かしい風 を 運んでくれた
いつからか思い出せない
力 になりたかった あの頃
今はきっと こう願う 心 ....
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