リュートをかき鳴らす
あの燃えるような響きはどこに
自在のままに{ルビ弦=いと}を泳ぐ
あの{ルビ勁=つよ}い指先はどこに
歌はどこに
耳を澄ませば風が行きかうばかり で
目覚めれ ....
コバルトに染まる世界の
中心を求めて何も映さなくなった眼で
探し出そうと手探りに歩く
けれど危うい足許では
どこがどこのなのか判らなくて
この眼を摺り抜けて直に刺激する
体躯を走るは深 ....
飛ぶ鳥の名前などは
どうでもいいことかも知れない
晴天をかもめ、
夕暮れには
からす
一応の名前で
呼んではみるけれど、
きっと何かが間違っている
かれらは一途 ....
「年末、神戸の美術館にでも行こうか」
と、くしゃみをした
背後から語りかけてくる壁面
こんなにも長い時間
いまだ定まらない気持ちを抱えて
美しさに焦がれる空間
中国茶を飲むベランダ ....
初雪の日には
浮き世に慕情
あいかわらず
と笑いながら
かのかおりに
御辞儀をする
ほしいものがない人に
ほしいものはない人に
新聞紙に包んだ焼き芋を
押し付けるように手渡 ....
聖なる夜には
あの家族の幸せを祈ろう
聖なる夜には
あの子供の幸せを祈ろう
聖なる夜には
あのひとたちの幸せを祈ろう
あの人の笑顔を思い浮かべよ ....
告白します。
主食はみかんです。
黄色いお手てのみかん星人。
好きな音楽は、
シューベルト「未完成。」
甘酸っぱい望郷の曲です。
今日は休柑日。
....
積み重なる年月の
日々の出来事は
何一つとして繰り返すことなく
情の起伏が不規則に
時の流れの中に
ゆっくりと沈められてゆく
積み重ねてゆく年月の
今日の想いは
何一つとして定まる ....
人間皆はかなし
誰もが愛を欲っし
愛によって包まれ癒される
人は心愛を求める為に彷徨い
ゴールにたどり着くまで旅を続ける
あの曲が青色に聴こえた
今まで曖昧なオレンジ色だったのが
急に冷たく
研ぎ澄まされた
音に変わった
彼女は夕暮れ道を歩きながら
緑色の影を引き連れた
散歩代わりにい ....
あたしはただの女だけど
二つの腕があるので
あの人を守ろう思う
あたしはただの女だけど
撃ち込める弾丸はないので
あの人に言葉を込めようと思う
あたしはただの女だけ ....
私が欲していた言葉の先にはあなたがいた
たとえその姿が偽りであっても
私には溺れるより他にない
軋む身体をつなぐあなたの声が
また私を壊そうとする
寂しさと不安の合わせ鏡に写るのは
あなた ....
行き当たりばったり俺の人生
今日も明日も明後日も
通り道には通せん坊
それなら俺は回り道
くだらないことでも一生懸命
何処かで誰かが認めてくれてる
ありがたや、ありがたや
....
私が知らない、あなたの息遣いがある
私が知らない人の前でその息遣いを
あなたは、する
固く組んだ指を解いて
代わりに軽く瞼を閉じて
あなたの裸体を描くことができる
その正確さにやるせな ....
表面上はとてもとても綺麗で平和な世界
だけど現実は残酷で生きる事さえ難しい
感情をも失いかけて和によって保たれている
世界の平和を望んでも現実は避けられない
人は何 ....
鳥を姪に返そうと思う。
昨日から預かっているのだが、どうにも相性が悪いので、鳥を姪に返そうと思う。
今日は休日だから、兄の家には誰かしらいるはずだった。
今朝の曇り方は酷い有様で、空全体が何 ....
・cigar(葉巻)とsugar(砂糖)
あ、
煙草をやめようかな
と思った
手を伸ばしたとき
箱の中に一本しか残っていなくて
でも寒くて
買いにゆくのが面倒だったから
五分間
....
外で真っ赤なおべべを着てね
宝物の鞠をつく
あそこに見ゆるは母上で
てんてん てんてん 微笑んで
あっちに見ゆるは父上で
てんてん てんてん 仕事して
七色ひかり 鞠は空へ
....
想いと
ことばは
まったくのべつもの
あまりにも似通っている、べつもの
うまれた想いを、
そのままことばに乗せられる、と
そんな気がしてしまう
ことばの背中に、
....
寒々とした夜空
明々とした駅前
その中間にある一本の坂道
そこからは海の向こう側が見える
点々と輝くひかり
その所為か
頭の上にいる星達は
微かなひかりを放っている
今にでも消えて ....
ロマンチックにおなり猫
あまりにも淋しすぎて
おまえに何ができるというの
ロマンチックにおなり猫
夕冷えのする野原の中に
ひとつだけ咲いた白い花
おまえのようだと言いたいけれど
ロマンチ ....
針を含んだ
夜更けのくうきがはこぶ
とおい稲妻の裂ける音
面影のように遠雷
かすかに
(雪を呼んだのかい、それとも)
コートのポケット
握った手は汗ばんでいるか
遙かな遠吠 ....
黄色の花は枯草に足元を譲り
冬の陽だまりが
影もつくらず
土に隠した春の気配を
内緒で温めている
霜を忘れた僅かな緑は
十二月の大気に身じろぎもせず
去年のうたや
....
日曜日。
今年もあとわずか。
クリスマスイブ。
なんだか空が青いから、
ピンとこなくて妙な気分。
国道を歩いた。
明日は仕事だけれど、
今日は休みだし、
これと言っ ....
{引用=‘Twas the night before Christmas, and all through the house,
Not a creature was stirring, not ....
メリークリスマス!
私にメリークリスマス!
貴方にメリークリスマス!
みんなにメリークリスマス!
キリスト教徒でなくても、北欧の人でなくても、
....
最低の男と切れたかった。
わがままで自己中で、嘘と暴力と借金。
涙が流れる内はまだましで、最後には乾ききった。
ゴミだらけの部屋で、青アザだらけの体で、汚れた壁を見つめた。
....
さんたさまへ
さんたさま
このせいなるひに
きっらきらの
あい
をください
せかいじゅうに
ください
うまれたば ....
秋の静けさに
少しいらだつ。
冷たい風に
買った冷たいコーラ。
同化するコーラを見て
少しいらだつ。
落ち着いた秋に
反抗したかった
静かな秋に
半そで半ズボン
まだ夏が染み付 ....
ちいさい頃
秋になっても淋しさなんて感じなかったのにね
歳をとる度
切ない気持ちが濃くなってきているようです
ちいさい頃
大人は強いと思ってたのにね
....
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