私の父は沖縄生まれだから
血の半分は南国のものなのよ
と、言ったら
君は目を丸くして色々聞いてきたね
東京の凍りつきそうな夜に
白い息をふっと吐き出して
私は記憶をたどって常夏の話をする
 ....
少女は 骨を 折る
少年は 骨を 折り

骨の中には
亡骸がある

折った試しはなく
ゆったりとした 服の中では
骨が 
ざわめく

あの 男
どこに 行ったのだろうか

 ....
暗い空が
黒い海に埋もれてゆく
私は
一人砂浜で
掴んだ砂を握りつぶす
隙間のない
二つに
嫉妬して
世界を破りたいの
どうか今すぐ
闇の深く深くへ
より恐ろしい魔物を求めて
 ....
つけて
ドア に ピン

不特定 な
平面下

流れだすのか
なだめすかすのか

でられる ものに
トッテ つけて

だけど

アン ド ア に
ピン
 
おそらくそれは夢だったのだ

夕やけを膝に乗せて僕はおもう


引き潮の静けさがこの身体を隅々まで覆っても

どこかでまだ焦げた匂いがするのだけれど


膝を転げ落ちた夕やけは世界 ....
例えばあの人
繋いだ手から心音が聞こえやしないか気になって
躊躇い残した私の掌を強く握った花火大会

例えばあの人
逢いたいの一言を
メールで打つにも時間がかかった付き合いはじめ三日目の事 ....
手のひらいっぱいに握り締めたこの想い

手を広げたら指の間からこぼれてしまいそうで。

怖くてずっと握り締めていた。

大切なものだったから。

失うのが怖かった。

ぎ ....
au!

僕は マイケル・コバーン
歌いながら 空を 飛ぶ
天才 変人さ
近所の おじいちゃんの
足蹴りを くらって
トイレに 直行

au!

僕は 科学者 M・kobainさ ....
僕は汁だ
先代から受け継いだダシに
自らの厳選した経験を加え
己の舌を信じ
独特の旨味を抽出したつもりだ
まだ完成したとは思っていない

君は麺だ
やわらかい泡で
大切に茹であげられ ....
日はこの時ついに陰ることはなく

交叉点の信号が
青ざめて進めという
曲線に添った産声が
白い手で羽ばたき
円周率へ視線をおくり

目をふせた
ふせないで
みつめて
林檎の赤
 ....
春まだ浅い、冬空を
バッサリとまぁるく切り抜いて
茶色の小瓶に詰めましょう

だんだんと伸びていく日暮れ時と影を
ちょっぴり三角に千切ったら
茶色の小瓶に詰めましょう

実は朝 ....
星はひとつづつ
オルゴォルのピンのよう
ゆっくりと巡って
光の楽譜をなぞる

  昼に
  雪を降らせるのは雲で
  夜に
  雪を積もらせるのは月だと
  指揮棒で譜台をたたく
 ....
 
 雑音だらけだった人生に
 空からキミが舞い降りた
 傷だらけのキミがいて
 過ちだらけのボクがいた

 星空煌く空のした
 灼熱の太陽照る空の下
 たくさんの話
 たくさんの思 ....
あなたの『大事だったもの』を
もらいにきました

あなたが
「もうそんなの古くてかっこわるいんだよ」
と言っていたのを聞いたので


  そうですか・・・
  やっぱり大事ですか・・ ....
  昔、あなたに宛てて書いた手紙
  あなたが受け取らなかったので
  まだ手元に残っている


  手渡そうとすると
  あなたは決まって困った顔をしたから
  わたしは何故なのだろう ....
喉に閊えた言葉
 書きかけの詩を
 そのままに

それが何なのか
 くもるガラスを
 手の平で拭いた

思い出せるまで
 流れ落ちる滴が
 腕を這う

終わらない迷走
 いつ ....
腕を

上げ下げする時モーター音が少しうるさいでしょう
ごめんなさい

今日はどんな一日でしたか?

駅でまたお腹が痛くなったんですか
大丈夫ですか

私ですか
私は駅のホームか ....
あー 肉なんて焼かないでそのまま生で食べたい
両手で掴んでむしゃむしゃと立ったまま食らいたい

そこら辺に生えてる草も食べたい
元気そうな深緑を引きちぎってむさぼりたい

服なんてもう着な ....
 手がかりのない深い帳の降りた夜
 まだちっぽけな壁を前に立ちすくんでいる
 ぶち壊して
 次のことをはじめればいい

 この夜に意味はあるか
 そんな風に夜風はささやく
 意味なんて最 ....
真夜中の部屋で独り
耳を澄ますと聞こえて来るピアノの音
沈黙の闇に 響く「雨だれ」

( ショパンの透き通った指は今夜も
( 鍵盤の上で音を{ルビ紡=つむ}いでいる

写真立ての中で肩を ....
酸性雨が降り
森が枯れて
花は身じろぎもせず
こっそりとあぶくを吐く

内なる情念を
笑った眉尻にはりつけて
澄んでゆく



道草が過ぎたので
傘をなくしてしまった ....
春に
桜花ほころぶように
夏に
青葉の目映いように

 聞こえる

声なき声に
心はおどる

 あなたにそっと
 触れたくて



秋の
時雨に濡れるように
冬に
 ....
僕らの住処は小さな漁具小屋
呼びあう吐息を波の声に隠し
漁網に髪を絡ませながら
夜の深まりを体温で追った

雪夜の渇いた闇をとかした雲が
入り江を真冬のガッシュに染める
朝の刃を隠した列 ....
のりしろを見つけました。

観察しても、
どちらがのりで、
どちらがしろなのか、
わかりませんでしたが。

とりあえず。
貼り合わせてみましょう。

のり( ....
コートの袖口に
凍った風が刺さり
いつか繋いだ掌を思った

小さな歴史が吹き飛びそうな日には
冷静を乱し
きみ行きの列車に
乗ろうかと考えたりする


枕木に光る足跡を
小さな獣 ....
喧嘩でへこんだ時
涙こぼれそうな時
何気なくそばに来て
寝そべっていてくれたね

柔らかい毛の下の
温かいぬくもりは
言葉超えて僕を
励ましてくれた

誕生したのは
僕が先だった ....
詩のフレーズを思いついたとき
メモをする
ひとつひとつの言葉を
忘れてしまっても
メモをスッと取り出せば
鉛筆を走らせたときの息遣いまで
いきいきと蘇えるように

私の生 ....
涙が嫌いでも
泣かずにいられないときは
雨に打たれに飛び出そう

雨の歌声に
君の嗚咽はかき消され
雨の雫に
君の涙は雨になる

君が泣いていることは
雨しか知らないから

だ ....
美しい木は
幾百年ものあいだ
その土地に立ち続けている

カナリアたちが
愛したその木は
誰もいったことがない場所
誰もがいったことがある場所に
根をおろしている

朝の光でくちば ....
やわらかな
風が吹いている
丘の上の

さようなら

たくさんの公園と
澄んだ小川と
空き地と

苺の庭と
カブトムシと
サッカーボールと

さようなら



そう ....
恋月 ぴのさんのおすすめリスト(17883)
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美しい木- mina未詩・独白506-2-5
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