思い出の糸を手繰り寄せる
思い出の数だけ増えた糸は
今や無数にあるけれども
手繰り寄せる糸の手応えは
どれもあきれるほど弱く
数だけが増えた思い出の糸
これだけの思い出が
....
傘のしたでだけ
降り続ける雨がある
強弱では語り得ない、それ
交差点を渡る黒たちの
はじまりの日は
白だった
或いは
今も
嘘とほんとを
分けたがるけれ ....
傘を刺す
左手にはつめたい砂を詰めた
ビニイルの袋、
死んだ、
しあわせに笑い過ぎて
太陽が
死んだんや
聖歌隊が
空に吸い込まれる
....
素敵なことがあればいいのに
そんな事を嘯いて
僕らは今日も夢をみて
眠っている間に去ってしまうよ
素敵なことがあればいいのに
そんな事だけ考えて
僕らは今日 ....
わたしは朝に満たされる。
熱く火照ったわたしは、
彼を待っている。
彼は引き寄せ、
唇を付ける。
彼の唇は巧みにそこを避け、
わたしを甘く、
咬む。
わ ....
かぜ。が、
なみ。を、
いちばん。
(ちいさくしたから)
しんとう。
(するようなやさしさで)
つつまれ。
(きょうめいするのは)
はる。が、
(うまれたから ....
風、
見ることは
触れることは
掴むことは
できない
それでも
髪を揺らす
頬をなでる
服をはためかせる
感じることはできる
幸せ、
見ることは
触れることは
掴むことは
....
あなたは今
風の色が見えますか
春の風の色は
すぐに変わってしまいます
でもいつもどこか光っています
ほら
白い花が光っている
青い空がつやつやしている
また色が変わっています
あな ....
{引用=さらり ふぅ さらり
水の音
ふぅ さらり}
川岸で
あかい手を あらってた
空には月が揺れ
あたしは 朧月夜、を 口ずさむ
川岸で流れた ....
君は孤高の城砦に篭り
アメリカンコーヒーを片手に
砂時計を睨みつつ
夜空に浮かぶ星々の軌跡を追う
君は数式を解いて
混沌に秩序を
偶然に法則を
変化に予測可能性を
無数の仮説を検証 ....
涙が書かせる言葉がある
流れて消える泡沫の
一瞬にしてまた覚めぬ夢
心が鳴き伝える音がある
そして詠うわたしがいる
旅立った言葉は涙に包まれて
優しく鳴く
見送るだけのわたしはただ
そ ....
風に弄ばれ、雨に嬲られ
春の欠片は
華やかで暖かで
何処か哀しい
春一番と供にやってきた
サクラ色の季節は
緑色に変容して
ひねもすのたりと
猫とうたた寝中
寝過ごしたりしな ....
本屋で写真集を買って売り出し中のアイドルと握手した。
机の下で何度も掌をジーンズにこすりつけているのを目撃した。
私は負けない。
吉牛で奮発して卵をつけた。
おもいっきし卵の殻が入って ....
偽ることの
苦しさに
貴方は
気付いてくれますか?
いつも 微笑みを 絶やさず
そばにいるのは
偽りの 僕。
夕暮れに爪を切る
夜 爪を切ってはいけないよ と
いつか誰かに言われたから
冷たい風に
見上げれば
うすくうすく うすい空色
ほそくほそく 細い三日月
泣きたいほどに
....
昨日、上京する前に友達に言われたことを急に思い出した。
「お前さ、動物が好きやのに、獣医になるん」
『ベテリナリーアナトミー』は副教科書だから、別に購入する必要はなかった。特別価 ....
歌島さん宅の庭先で
タロが吠えます
夕暮れ時
表を飛び交う蝙蝠を一心に見つめ
かれこれ
吠え始めてから十分は経ったでしょうか
たまりかね
お向かいの河上さんが席 ....
君の声は
雑踏と春雨に 酷く良く似合う
その低く耳に優しく残る声色を 聴きながら
騒がしく行き交う人々の中で
曇天から静かに 降り注ぐ
糸のような 針のような
雨を見上げて
その至福 ....
-episode?-
失敗ばかりでいつしか後輩にも先を越されて
二十年勤めた会社にも見捨てられた
明日からは一日の食事さえままにならない
ブランコに揺れながら涙を堪えた
未来が見え ....
吹き荒む風の音が
締め切りの部屋の隙間からやってくる
私は携帯を握り締めて
ゆっくりと貴方の言葉を反芻する
貴方の声は私をほっとさせる
貴方は私にどうして欲しいの
私は ....
恋圧上昇高恋圧つらい恋には涙で憐分調整。
恋肝瓶詰め塩漬け涙で味付けしょっぱい失恋ちょっぴりね。
遠恋恋々年々えーんえーん未練三年練るば ....
初めには
何もなかった
果てしなく続くと見えた世界
いつのまにやら
こんなところまで来てしまって
気付けば
僕の残した足跡が
この今 ....
夜の、
雨の、
それぞれのゆくえを
ひと色に染めて
あかりは桜色
煙る雨の甘さ、
舞う花びらの温み、
絡めた指が
やさしさを紐解く
夜に、
雨に、
焦がれる桜
時計の針 ....
なをかけ
そらす
わにゆれ
くいる
つつしむ
よるに
こびんの
はおと
すめない
つちに
とべない
かぜに
まつうた
うたう
はなれぬ
はると ....
人に頼り頼られ生きてゆく
頼られるとNOと言えない
いつも笑顔で挨拶をする
本当の優しさを知っている
求めるものと必要なものは違う。
甘やかす事が良い事ではない。
必要な愛情は出し惜し ....
無人駅に降り立てば
地図の見方にも
ちょっと工夫がいる
缶ビールをぐっと飲む
子供の頃に
抱きしめ方を習ったような
初夏の風にさえ
あいさつを交わしたい
垂直に支えつづける日射 ....
満天の星空をつつむ静寂の下
潮騒を聴きながら横たわる身に纏う砂粒
はてしなく投げた仕掛けを海に任せて
ケミカルライトの点る竿先を微かに揺らし、
甘い潮風がコーヒーの苦味を慰める
アタリな ....
青色の幻覚に
溶け込んでいくよ
白い機体が
溶け込んでいくよ
ふわ、ふわ、ふわ、ふわ
飛行機型のラムネみたいに
少しずつ粉を溶かしているみたいだ
機体の証を記すよう ....
君の手は空には届かない
当たり前だけど
けれども最初から
そう思っていたら
君は何もしない人になる
無理だとわかっていても
やってみるのもいいものだよ
ああやっぱりダメだったね
そ ....
いつも触れたい 柔らかさ
マシュマロ気分ふわふわ
僕の知らない君を
一つずつ覚えていこう
大きな冒険の中に 信じあえる何かがあるから
より甘い力を手に入れて 空で手を離そう
....
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