1 髪を切らなかった日

失恋しても髪は切らないよ
と言ったあたしに
失恋したら髪を切るよ
とあなたは言った

手をつなぐことを覚え始めた
あの頃

そして
あなたが髪を切った時 ....
それでも人は幾多の過ちを
乗り越えてここまで来たんだろう
それでも人は躓きながらも
果て無き道を駆け抜けて行くんだろう

消さないで 小さな炎でも
負けないで 確かな光を

 ....
まあ俺が言えた義理じゃねえが
詩を書きなぐっていい奴と
だめな奴がいる

書きなぐっていい奴
そいつは小物しか釣りあげられないが
次々にかかるやつをどんどん捕まえて
当然小物だが生きがい ....
あなたの写真を 一枚も持っていなくて

あなたに よく似た絵があったから 売ってもらいました

ありったけの貯金をおろして  買ってしまいました
ヘッドフォンからクラゲが出てきた
きちんと右と左から
透き通るその姿は美しかった
片方が大きくなると
一方が小さくなったり
それぞれ浮いたり沈んだり
その度にひらひらと舞う姿は
まさにハ ....
これ以上 言葉を重ねたら
青い光にすっぽり 包み込まれてしまいそうで
触れるか 触れないか 指先の熱をもてあました



 人を好きになるって 理由とか わからないけど



青い ....
あの頃は誰もが夢を見てた
遠い未来に憧れて
恋に恋していた
だけど今ひとりきり
支えてくれる人もないまま
ただ後ろを振り返らないように
前を向いて歩くだけ
やさしさにかえりたい
素直な ....
夕焼けは決して終わらない
さっき、オレンジのストローで
おもいっきり膨らませておいたから
輝く小石たちのいるポケットの輪郭
指先の土は、もう、乾いた


工事現場の重機の群れは
拳を打 ....
先週、君と別れ
おとといあなたが殺された
昨日はおまえが街を去り
今日はあいつが冷たいアスファルトの道路で夜を明かす

暗いニュースばかり
暗いニュースばかりだ
この街は

明日、僕 ....
否定から始まって
背理がもたらすものを、
あの人は
知らない
パパはなんでもできる人だった
天使を悪魔に変えるなんて
朝飯前だったし
時には神様がパパに
アドバイスを求めに来たりもしていた

パパは最期の夜を迎えたときに
僕に優しくこう ....
何度確かめても足りないの
あなたの愛

綺麗な指先に私の指を重ねてもいい?
本当は近くに居たいだけ


会えない日々が加速させる
わたしの気持ち

馬鹿だと笑ってくれても構わない
 ....
見えない明日に向かって
ぼくらは走る
見えない明日があるから
ぼくらは走るのだ

いつも手探りで
仄かな明かりは君の存在
何も聞こえない暗闇で
微かな声は君の呼び声

知らない明日 ....
あなたからもらったもの
そのひとかけら、ひとかけらに
愛がこもっている

私はそれを探し出して
ひとつずつ、飲み干すだけ



今日もお腹いっぱいよ
甘いケーキも、一口も喉を通らな ....
たくさんの雨が
パンドラの筺の、その奥底から降ったような夜
咳が止まらなくて
眠れなくて

今朝方ツクシが顔を出し始めました
と、一筆箋に書き始める

生物表記には片仮名じゃないと落ち ....
いえでします
と書き付けて机に置いた

小学校に とりあえず向かう

誰に叱られてだったか
何故か知っていた 家出というものを
はじめて決行した 小学一年生の時

きょろきょろみた  ....
僕が少し思春期に染まり始めた
中2の夏
おじいちゃんの家から
自分の家に帰る日

おじいちゃんの声がして
2階から降りてくる
階段の天井には
手を伸ばせば届きそうだ
のしのしと足音を ....
時空の迷宮に臥し

あなたの足跡を 
まるで軍用犬のように嗅ぎまわっても
それは せんのないこと

時空の渚で 
迷宮を彷徨いたい

渚の音は
あなたの構成のBGMたりうるのか
 ....
         2007/01/13 
コインランドリー
ガチャガチャと
歩き出す小銭入れ
中身の薄い独り者
冬至のカボチャを
茹でながら
コインの色に憧れる
カボチャ ....
あの急な下り坂で
自転車のペダルから足離して
猛スピードで駆け抜けた僕等

どっちが早いか競争中
なんていう最初の目的忘れて
風をきる感覚に二人して溺れた

それから
競争だって言っ ....
地下鉄の風に吹かれて 
灰色の階段を上がる 

地上に出る前に 
用を足そうと 
便所にゆく 

入口に 
「 只今清掃中 〜そっと入ってください〜 」 
という看板が立っており 
 ....
ひとつのポケットにふたつの手を入れあたたまったふたり雨の日。




雨の日にはくりくりになる。
きみの髪くりくりするのが好きだった。


怒られるの ....
いつか君の病気が治ったら
どこにでも行こう
そのときまでに俺は
いろんなところを見ておくから

いつか君の病気が治ったら
カンパイしよう
缶ビールでいいよ
もう薬はいらない ....
貴方と別れてから
気持ちが悪くて全てのものが
次々と身体から流れ出していきます

貴方と別れてから
気持ちが悪くて貴方の映像が
次々と浮かんでは消え
沸いてはこびり付き
どうしたらいい ....
したんです
最近日々が
不真面目で
申し訳ない

のぐそ
したんです
僕の住む街から
工房のある隣の港町まで
海沿いを
くねくね
うねうね
モンテ・ウリアという ....
夜に開いた
隙間を
埋めるように
雨の旋律が
耳に届いて
孤独にいる者の
遊び相手と成りはしないだろうか
滴の奏でる音が
たった一人の為の
優しさとなって
降り注いで
あなたは雨 ....
 砂漠のような街
 愛という水を求めて
 今日の続きが明日
 明日はお得意様
 大好きなあの娘
 連絡ない
 黄色きパトライト点灯
 モチベーションの落ちた枯葉
 どんな時も自分は ....
冬は、しろく息が砕け
朝を浴びて目の前をただよっている
今どこかで
開かれた窓に
外が流れこみ
人に触れた渦が加速して吸われ
熱をうばい、いのちを呼びさます

冬は、空がひびきあい
 ....
 花の悲しみは
 自由に色を変えられないことだ
 今日たとえ世界が終わるとして
 そのことを知っていても
 紅いバラは紅いまま
 その生涯を終えるだろう
 紅いバラは紅いまま
 そのトゲ ....
ひきはじめの風邪と
冬の雨
足元の雪氷

淡い恋をしています と
誰に告げよう

おわるために
生まれるわけではないけれど

指先をゆっくりと冷やす
雪氷よりも
はかないと 知 ....
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