西日の{ルビ紅=くれない}に照らされた
誰もいない部屋の
あの日は永遠に暮れずに
私を傾きつづけて
太陽電池式腕時計の刻みつづける
秒針の先にひっかかっている
スープに影はささないでい ....
母と{ルビ娘=こ}の
思い出まぜて
ちらし寿司
仕上げにかける
古雛の謎
子供の頃、飾っていた雛人形の指が折れてしまい、結局誰が折ったのかは今もわから ....
朝起きて
台所
ざくざく ことこと
朝食を
じゅうじゅう かちゃかちゃ
おべんと二つ
君はすやすや夢の中
ひどい
ひどいね
ひどいよ
君は
帰宅して
晩ごはん
テ ....
空に浮かぶ減点主義の風に吹かれて
今日はどこの国に行こうか
空想の楽園
この手に入れる
こんな俺にも両親はいるし兄弟もいる
友達もいるし恋人もいる
先輩もいるし後輩も ....
2007/02/28
キャシュメモリの上に
香具師の油をひいて
滑りやすくしたい
こけつまろびつするうちに
下向きの感性が
上昇するかと項垂れて
ご禁 ....
{引用=
今年もこの季節が巡ってきたのですね。
たぶんこれが見納めとなるのでしょう。}
―そんな事はおっしゃらないでください。
来年は元気なお姿で、
また御覧になれますよ。
{ ....
雨に唄えば、何かがころげおちてくるから、月を眺めてたんだ。
子供の頃、聴いてた愛しい人の声を探してるんだ。
雨の日は、ただ雨の匂いがするだけで濡れてもすぐに乾いた空気に肌を ....
色の名前を忘れていく
最初に忘れたのは
花の色を真昼の
それにする太陽
そして、ものまねの月
雨の色を忘れていく
濡れるものとそうでないもの
雲の内側では透明の
感傷にも似た
匂 ....
透き通った黒に、私は何の用意もしていませんでした
立春の冬はまだ夜にあり、凍えるには充分
涙
それはそれは同じような線を辿り、胸まで達する程の
音は
この夜があまりにも深 ....
春の初めのこの風と
自転車に乗って一緒に走る
どこまでも行けそうだ
上り坂は大変だけど
風が背中を押してくれる
温かく見守ってくれる
下り坂は楽だから
ぼくの背中に風を背負ってあげる
....
何で?って 死にそうな目で
あなたは 私に尋ねて
あの時 私はただ 好きだから。 としか 答えられなかった
それ以外の言葉を使っても よかったのだけど
そうしたら 全部言い終わる前に ....
かきたいからかくの
かきたいからかくの
想いが溢れそうで
想いタンクが壊れそうで
急いで蛇口を開けて
文字にしてるの
....
スカートに挑戦してみたのは
昔からずっと憧れていたから
単純な理由じゃない?
生物学的には男らしいけど
ピンク色や化粧が好きなんだ
別に普通じゃない?
趣味は人それぞれなん ....
夜の公園の上 ブカブカ 猫が歩いていく
君が 弾く弦の 音に合わせて
お月さんの前を 猫が横切る
キレイなメロディ BGMに
君を想うと 頭の中
「君が好きだ」 ....
回る理由もわからないまま母体は回り
僕を孕み生み、落とした
知らないよこんなところは
なんだ、 この鉤裂きは
ある朝目を覚ました
父親が死んだ
ひとしきり遊んで帰った
....
?.
この絵、あんたにそっくりね
そういっておまえが笑った絵は
リオハのお城みたいなワイン美術館にあって
おまえが指差して笑った絵は
赤ん坊のバッカスが
ワインをラッパ ....
「愛してください」と言えないから「ちゅーりっぷ、ください」と言った
「あなたが好きです」と言えないから「白いちゅーりっぷが好きです」と言った
たった一つ、あなたから貰った
白いち ....
ぼくの
ひげをゆらして
風がすぎていきます
おだやかなはるの
やさしい風
今日ともだちと
たくさん遊んだ
とても
たのしかった
みんな
立派なネコになれるといいね
そらはいつも
....
なあ、雪、降ってるよ
なんぼ今年は暖かい言うても
冬は冬やから
ちゃんとあんたの見たかった
雪、降ってるよ
ベッドに横になる
あなたの瞼は死神の重しで
開かなくなり ....
3月のつぼみをほどかぬよう
小さく軽くノックする
唇をつけるほどにのぞきこむ
私のこころ乱すほどその姿美しく
手の平で包んで奪い去ってしまいたいと言ったのなら
快活にあははと笑うだろう
君 ....
{引用=そこに立っていてはいけない
だってね
そこは通路なんだから}
満月の夜
ぽっかりあいた空の穴へと
長い階段を登る
有象無象の影
水面に映る月は
堕落した ....
光差し添う{ルビ日照雨=そばえ}受け
孕む息吹に 背を伸ばし
明日を手繰りて ときめきを
{ルビ抱=いだ}く{ルビ童=わらし}が 虹を吐く
透ける視線は {ルビ横豎=おうじ ....
ソファを見に行った
高級家具店へ行った
電車にのって行った
外国人のつもりごっこ
買うつもりごっこ
オーノーと
あなたは言った
オーイエスと
あたしは言った
やあらかいソファはふ ....
体調を崩して(半分は仮病でもあった)
授業中の、保健室で
そのベッドから見上げた模様が好きだった
長方形を積み重ねてあって
ロボットの顔を想像して
胴体までは上手く作れなくて少し残念
....
冬だって
やがてやってくる暖かさで
春になる
悲しみだって
やがてやってくる笑顔で
幸せになる
酸性だって
やがてアルカリ性と混ざって
中和する
キャラメルだって
やが ....
サテンの光沢まばゆく
風が雲の緞帳を翻すとき
ひととき白日夢に眩む
まだ蕾、とも呼べぬ小さな膨らみは
幼すぎて花の名前を知らない
その風の名残のなかで
わたしは繰り返される春を
....
ブロック塀の向こう側から
笑い声が聞こえてきたので
穴からこっそり覗いてみたら
子ども達がビー玉で遊んでいた
その笑顔は輝いていて
太陽よりも眩しかった
あれはもう10 ....
緑錆に走る
スレイプニール
星団の航行図
灰色の鬣に
潮の飛沫が煙る
猫が咥える
ドラウプニール
数える端から零れて
追いきれず諦めた
くつわの先
私はあなたの足から離れてしまいました
橋から見下ろす川の水が
私を誘っているようでした
一瞬だけ
ほんの一瞬だけ
あなたのことを忘れてしまって
そのまま川に吸い込まれてしまいました
水の ....
あなたから逃れるように
発車間際の列車に飛び乗れば
涙が後から飛び散って行く
誰かここから連れ出して
あなたのいないところへ
愛を確かめるたび悲しくなるの
あなたのやさしさ愛さえも
....
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