路上で その場で
大声を 上げる 男の
不潔さ 生活の
王者は
何故か 狛犬を 欲しがる
狛犬を 食うのか?
狛犬を 煮て 焼き
食事には 豹の目
生きた 男の 生前
口元からは
....
ある冬の日の午後に
人通りの少ない道を選んで
散歩をした
それは確か 手が
かじかむほど寒い日だった
一時間ほど歩いて
そろそろ家に戻ろうとした時
前方にある ....
昨日新宿である人にいわれた
人に甘えない事がいけないと
軽くしかられてしまった
親友に電話した
『自然に助けてとかなんとか、甘えるってでるもんでしょ?』
それがわかんないんだ
....
満々と宇宙を讃えていた夜
幾億光年の彼方から
囁きかける水の憶い
暗い蒼に浮かぶ☆の色
やがて
東に紅が
ぽとん
満ちていた夜と浮力が
引いていく 退いていく
....
冬の天井が落ちてきて
降り積もった断絶が
錆びたハサミを行使したのです
あなたとわたしの相似形は
いとも簡単に失われるから
失ったとたんに永遠で
何も持たない子 ....
いつもとは 違う 冷たい冷たい 風が 悲しい声を響かせて 吹いている。
私の不安を 駆り立てるように・・・
今まで暖めてくれた 大きくて優しい手は 今はない。
自分の心を 信じようと ....
コンクリートうちっぱなしの部屋で
魚と空を見る
(完成することなく終わったものは、廃墟というのでしょうか)
(生まれることなく死んだのは、あれは、)
トレーの中で魚が跳ねて、
吐 ....
白い息を吐き 上を見上げると
どこまでも果てしなく広がる 青い空
手に入らない苛立ちをぶつけて
何が解決したという?
何も解決しないまま
進むことも戻ることもできずに
泥沼に落ちた ....
この世には黄昏時のよに
平凡を知り
不平を嘆く場所があり
自らを見る顔がある
眠りから徐々に覚めた目が見つめるは
限りなく灰色に潜られた街
人々はわが身にただ 不可蝕な不安を覚え ....
お日様が真っ赤になりながら
羊も鰯ものみこんでいくと
とっぷりとした夕闇がやってくる
cosmosは忍びやかに地球(テラ)に寄り添い
たっぷりとした夜のマントを拡げる
....
日曜の正午
レストランの店内には二人の若いウェイトレスが
できたての料理や空の器を運んで
客のにぎわうテーブルの間をひっきりなしに動いてる
20分前に頼んだ和風{ルビ手捏=てご}ねハンバー ....
此処は昔風でそれでいて未来的な
実験城砦
此処に居て僕のすることは
純粋であり続けること
その純粋を自ら頑なに
裁き続けること
此処には僕の他誰も居ない
そして僕はほとんどの時を
....
石榴は血の味 密の味
月の無い夜に
女を食べた、あの木製の詩人は
熟れた石榴を 銜えさせて
美味いだろうと、夜風に訊いた
共犯だぁね 、
硬花の指先はわたしの唇に触れ
睦言のように
....
「あなたはね。
卵から生まれたの。
それはそれは痛くって、
とっても大変だったのよ。」
それが母の口癖だった。
嬉しいことがあったときも、
悲しいこと ....
さがしものをしているんです。
と
声をかけたのは
いつもベットに腰かけているはずの
小さなくまのぬいぐるみ。
話を聞くと
ひつじやぞうのぬいぐるみをかきわけ
布団の隅々
た ....
空は啼いているのだろう
風は狂いはじめている
雪の華はその美形を
とどめることも叶わずに
ただ白い塊と成り果てる
清き水の流れさえも
怒涛に変えて
白鳥は真白の吹雪に ....
いつでも思い出せるということと
いつまでも忘れないでいることの違いを
知らなかったのです
それは
アルバムに貼り付けてしまい込むことと
手帳に入れて持ち運ぶことのような
違いなのでしょ ....
昔 同じ職場の人に 「几帳面な字ね性格が出るんだよ」って言われた
私は一つのことにこだわりだすと止まらない。でも 几帳面とは思ったことが
無いからびっくりした。
仕事で気が張ってるか ....
高い 山の 頂きには
何もない
だが
あなたの 心の
死に場所だけは
誰にも 触る事が
出来なかった
今 ここで
歌おう
自殺の 歌 生まれ変わり
死ぬ 寸前の 宗教の歌
....
人魚姫って切ないね
幼子の呟きに
なぜかあたしは驚かされて
あたしはこんなこともわかってなかったのかって
ショックだった
人魚姫は王子様のためだけに、人間になり
王子様のためだけに ....
問い
「ドーナッツのあなだけ残して
ドーナッツを食べなさい。」
ふとんのなかで
かんがえた
ドーナッツふたりで食べこぼしながら
答え
は忘れてしまった
....
満水の夜に
感覚をとぎすませながら
無数の魚が泳いでいる
距離と、位置と、
上昇する体温と、
そういうものを
止めてしまわないように
蛇口に口をつけて
あふれ出すカルキを吸うと ....
君からもらった
たった一通の封筒は
古びて黄色く灼けてしまいました
その中に大切に抱かれた
数枚の便箋も
古びて黄色く灼けてしまいました
今にも崩れそうな酸性紙の上
ボールペンの ....
猫みたいにおとなしく犬みたいにはしゃぎまわり
いっつもあなたを見上げて少しだけ唇を開いている
あなたが好きなあたしを
あたしは完璧に演じ続けることができる
それを延々と続けられたら
それ ....
私の右耳には、いわくつきのピアスの穴がある。
この穴をあけたのは大学に入った初夏だった。
いたく衝動的に、ある日、安全ピンで、ぐりぐりと、
部屋にいて突然に思い立った事をそのままに
実行に ....
便利さと言う名目で
色んな物が切り落とされていく
夢の島に住んでいたい
と思うのは女々しさなのか
金額や思惑で秤にかけられて
計算高く世の中は動いているようで
取り残されるのは ....
死が怖くて、私は
まだ小さかった夜、泣きじゃくり
死ぬのは遠い 先のことだよと
若かった父になだめられ泣き止んだ。
花が咲き 枯れる道理の
カケラも知らない
いま咲き誇る 花々
....
静かな 音色が 私の
腕を 釣る
首まで もっていかれ
死は 釣られ
音色は 小川を 走る
十字星 にも 似ている
まだ
まだ 終ってはいない
私の 足が 主のいない
夜道を 歩 ....
清清しさが僕の胸を突き抜ける
「青空を見るとどんな時でも幸せになれるの」と
満面の笑みを浮かべる君が好きだった
だから僕はいつも
明日は晴れるようにと祈っていた
陰で泣いても
....
吐き出したくてたまらない
感情が
弱さのために
置き去りにされていく
そうして自身は守られている
紛らわす娯楽が
今は溢れていて
でも何かが残る
痛みの無いかさぶたのように ....
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