湿り気のある空気が押しつけて
暗い灰色の空から落ちてくる
細い糸のような雨
歩道にあたり
無残に砕けて
この大地を黒く潤す
雨の残骸が田畑で生きて
静かな雨脚に日本の雨季はし ....
梅雨入りや紅葉の木陰秋海堂
二人してボランテァーや沙羅双樹
庭べにはさまざまな六月の花
爪先で掻き分ける、
さりり、
砂の感触だけが
現実味を帯びる
ひと足ごとに指を刺す貝の欠片は
痛みとは違う顔をして
薄灰色に溶けている
こころの真ん中が
きりきりと痛んで
....
空が晴れていることを
飴玉にくるんで
青葉を打って落ちる
雨が
夜
ヘッドライトが近づく路上で
浸った黒さの中で
金色の連弾が
跳ね上げる音は
かき乱す
裏側 ....
以下略とかかれた中に
コトコトゆれながら
姿をととのえて
目線を前に向ける
遠くからくるものの予報と
今から行われる今日は
ゴールの前に立たせながら
端から走れと耳打ち
涼しい ....
{画像=080622022551.jpg}
今日もまた
窓硝子に映った自分を見て、
少し微笑んでみせる。
いつもの挨拶
いつもの仕草、
駅前の喫茶店の指定席、
リングノートに ....
カラオケ帰りの深夜二時
車を止めてエンジンを切ると
無音の空間が一面に広がり
取り残されたような気分になった
駐車場から歩いていると
自分の足音がはっきりと聞こえた
その時 ....
うだるような夏休みの夜
水を求めるように
冷凍庫から氷をとり
口に入れる
がりがり
噛み砕いたり
飴玉のように
ゆっくり溶かしたり
氷は40度に満たない
僕の身体にすぐ溶 ....
わたしが
立つはずだった
あなたのお店のカウンター
これからは私の知らない女の人が立つんだ。
わたしが
あなたとの子供授かり
大きいお腹で立つのが夢だった
あなたのお店のカウンタ ....
ケンカして さよならしたね 意地っ張り
百年経ったら キスしよう
タンスから わたしの写真 眺めては
涙してると おばあちゃんから
一度だけ 空のメイルが 届いたよ
返信しない 返信 ....
・パルス
知って、ほしいと
輪郭をなぞる音が
弾丸のような重みをおびで
摩擦を起こしはじめた
昼の夢は
空に手を伸ばす赤ちゃんが生んだ妄想
何を見つけたんだろう
空気 ....
耳掻きをしたら
大きな塊が出てきて
それはティッシュペーパーに包んで捨てたけど
なんだか聞こえが良すぎて
虫の鼓動まで聞こえた時は
部屋に入って来て邪魔な虫も
どうしても殺せなくて
埃の ....
コイするのが恐くって、
でも コイ、 してみたくって、
あなたのするひとつひとつに
どきどきしたり、 がっかりしたり。
そんな自分がなんかスキになれなくて
ちょっと離れて逃げよ ....
優しい歌になれ
赤子をあやす
母親の子守唄のように
美しい旋律を奏でる
きみの笑顔よ
優しい歌になれ
孤独の闇に眠る誰かの
あるいはそれはきみの
その心に届くのは ....
夕暮れ、薔薇は香っていた
まだ残る夕光の中で
私は花びらをそっとむしりとる
指先がいとしくて
何かを待ちわびて
ふっと夏の透き通る波が
心に押し寄せて来て足先を濡らし
すべてを呑 ....
ジャングルジムを覗くマンションが
瞼の裏に座標を描く
月から見えない場所で
星もない悴んだ空間を占拠する
空っぽのブランコを一瞥し
ポケットの中 手を突っ込み
旋回して竜巻を生み
つま先 ....
愛なんて知らなかった
思い描いては囚われていた
親を愛していると
彼を愛していると
彼女を愛しているのにと
言い聞かせていた
それなりの愛
桜の季節に
かれは訪れて
....
こちらは支度ができました
夏をむかえる
そちらはどうですか
どうですか
どうですか
どうですかは
反響し合って
どうなんですかと返す頃には
星彩に似 ....
一面の草むらから、湧きあがる青い空。
向き合うわたしの窓は、青い空をもたない。
手にした一枚の写真を見て、
水を得た魚のように泳いだ海は、
黄ばんだ家族の笑 ....
真夜中
港まで自転車で走る
橙のあかりが点々と
その下に一人
また一人と
釣り人が並んでる
釣れますか
聞いても誰もこたえない
みな透明だから
二人乗りしてきた友人も
いつのま ....
さよな*らさよなら
、六月*の雨の日、
前線の*停滞と耳障
りな警*戒音、僕た
ちは一*度も約束を
交わさ*ないまま、
死別し*た。
{引用 ....
不自由は
ひとつの自由の答えだろうか
迷いと混ざり
散りゆくひかりを
なつかしく嗅ぎ
瞳をほそめる
夏の滲みの
あふれるかたわら
両手にかぜを伝わらせ
海 ....
青空に白雲の流れ
こうして天空は流動し呼吸をする
空とこの大地が接合する場所
なだらかな斜面に牧草が茂り
遠い過去から 吹き上がる風
そして長い髪が絡み合って
巨大な帆を作り上げ
....
世界が生まれて消えるまで
それをはかる時ならばいらない
、どこまでいっても自分
それを刻む鼓動の美しい機械に
{ルビ内燃機関=エンジン}
{ルビ回転速度計=タコメーター ....
アジアのどこかで
果実や肉の汁で汚れた
だだっ広い路地で
ひとびとは
収益とコストの差額のために
昼間のすべてと
夜の半分の時間を生活している
ビジネスを終えて
夜の街をうろついた
....
もう ラヴソングも描けないのさ
日の入りが終わった天空の
マゼンタがきれいでね
良い絵が描けた後の
水入れみたいでね
そんなことを伝える人も居ないのさ
眼球の奥でつくられる
とろんと ....
ジリジリと焼かれてみたいんだろ?
噎(む)せ返るよう 夏の視線に
押し潰されてみたいんだろ? 粉々に粉砕されて
ジリジリと焼け爛れた 熱の中に紛れ込みたい……混じり合いたいんだろう?
....
長いこと 時間はたった
ずいぶんと 睫毛も 声も 痩せてしまったね、と笑う
それすらも
全部両手で抱えて持ってゆきたい 日常の風景のひとつだった
おぼつかない足取り ....
あなたの描いた世界を見ました
それは小さな小さな世界でした
あなたはそこで一生懸命に前を向き
そうしてその世界に落胆する事も
何かを望む事もせずに
それでもひた向きに生きたのですね
私 ....
不思議なことに気がついた
今日はお昼にスパゲティを食べた
コンビニで売ってるやつ
海老とホタテにだまされて
生パスタに踊らされて
やっぱりコンビにはコンビにクオリティなんだよ
ホタテは ....
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