大内峠から徒歩で
大内宿の街道往還に出たとき

秋とは言え、紅葉も落ちかけの季節は
旅人の心も体も
芯から萎えさせ冷たくさせる。
街道沿いの落ち葉を踏み締め
漸く視界が開けたところは大内 ....
 ボクはいつも此処にいる
 地上に立って
 たまには怒ったり
 自由に哀しんだり
 している

 ボクは
 社交辞令と
 コンクリートが嫌いだ
 歌うのは下手だけど
 口ずさむくら ....
月に導かれしものたち

やはり
そうなのかもしれない
偶然が重なる
必然

あたしの
脳の中には
まだ
アナタがいる

そう みとめたら
ココロが安らいだ

愛しいでも  ....
ヨドバシカメラ大ガード店向かいの雑居ビル
六階にはやはり怪しげな不動産屋が入っている
階下の換気扇が焼き鳥の煙を噴き上げる
ドンキの店頭商品じみた事務の娘は
毎度同じ罵り言葉を吐きながら窓を閉 ....
<ブラッディ・マリ―>


ブラッディ・マリーと君の唇の色が同じだから、

どちらに口をつけようか迷っている。

君は何のためらいもなく赤い液体を飲み干す。

重なったその色が乾く前 ....
キョウもなお いきてゆくのか
イジキタナクも いきてゆくのか
外では ゴオゴオと風がなり
それをあびることなく
ポツねんと 部屋のなかに おる

はかなくも 厭世などというものは
セイネ ....
{引用=
かくかくしかじかで
魚の骨が喉に刺さっているからどうにかならないかなって食卓を挟んで彼が言う。
かくかくしかじかで
多分どうにもならないんじゃないかなって私は箸を口に運びながら、そん ....
歌と句

みんな歌と句を作る私も沢山青い空低い雲

太陽が斜めから私を直射している

2百10円で2杯の紅茶が飲める懐中4百円

目前の高速を何台も車が広い窓いつもの喫茶

大きい ....
おとこが獣を放っている

意に反して荒々しく

意に反してやさしく

おたがいの素肌を

性器をさらけだす

タイミングを計っている

おんながほの暗い覚悟の目をして

そ ....
{引用=
図書館へ向かう碧いスロープの
脇に咲く珊瑚の合間を縫いながら
ゆらゆらとスカートの尾ひれを漂わせて
記憶の深海へと迷い込む

見たこともない
七色の藻屑を拾い集め
繰り返し剥 ....
受信
下書き
送信済み
ゴミ箱
送信
迷惑メール


今の若い世代と付合っていると
私との会話はだいたい
メールボックスのように
振り分けられる

例えば、息子
私の言った ....
きみには本来だれもいなかった
血を分かつはずであった兄や姉はもう先に、
緑色のはなたれた地平で仲よくみつめあって
いた。ほとんど恋人のような握りかたの
手と手

かたくリボンで結 ....
二人して酒を酌みかい見合わせて独酌相哀れむという

琴の音の行きかう部屋に酒吟して黒田節吹く尺八の音

今日は雨雨の朝なり一人いて古事書記を読む朝湯上り
なまぬるい風に
ウエルニッケ野原はがらんどう
すずめを いちわ
ちからまかせに
にぎり もだえる
臨月まぢかの手(うで)をひろった

縄をまわし
大地に丸太をいくつもしいて
石油コン ....
叫びながらカラスの群れが飛んできた
初雪も消えて見えなくなった秋の空
会社に向かう朝の空気が緊迫する

運転しながら ちらりと眼を向ける
トンビが小さな鳥を追いかけている
死に物狂いに逃げ ....
十一月の凛とした

午前のひかり、風、匂いのない匂い

カーテン越しでさえ

きみの部屋を充たしている

カーペンターズが流れている


ノンビブラート

体温を超えることの ....
崖の上を覆う
赤い紅葉の
庇の下に
渓谷の底
竜が滑る。

鱗状の水飛沫(みずしぶき)
突然竜頭が
川底からなお落ち込む

崖の上には
紅葉楓の緞帳が
視線の上を覆っている
 ....
{引用=
 草の先を
 むすんで
 おくのだという

 悪戯心
 という
 生易しいものではない
 もっともっと切羽詰まったもので

 おさない死児が
 先に逝った親しいもの ....
すくっても
すくっても
零れる時間を
気にも止めず
またすくう
街の空に
モノトーンの虹
夜が来れば
乾いた月がのぼる
この窓も枯れてしまった
無造作にガラスのコップに挿した
一輪のピンクのガーベラだけは
鮮やかに浮かんでいるけれども
街はずれの丘 ....
26年目の記念日

落ち着く和食居酒屋の個室で
あたしは
貴方に
指輪ケースを差し出した

 もう一度 はめ直して

いつの頃からか
あたしの薬指には 指輪の跡さえ
なくなってい ....
 父さんはニ層式洗濯機の中で
 ぐるぐる洗われている
 家族みんなに
 臭いって言われるから

 姉さんは乾燥機の中で
 父さんと同じように
 だけどひっそりと回っている
 好きな ....
{引用=
一晩中、街を歩き回り、疲れ果ててしまった。
ずっと昔、もっと子供だったころ、高校生のころに、深い憤りを抱えて、幾駅分も歩いたときのように。
あのころは、答えを必要としなかったが、今は答 ....
瞼の奥で失っていたことに気づく。しかし、
それが、髑髏を巻いていたひと夏の感情だ
ったのか、それとも、行きずりの女が床に
棄てた水着の匂いだったのか。朦朧と立ち
込める喪失感だけが、ドラム ....
明るい日差し、風、笑い声
帰り道、手のひら、力強さ

両手で慎重に掬い上げて
零さないように壊さないように
そおっと抱きかかえても
風雨に晒されて時間に色褪せて
そうやって思い出になって ....
重ねると傷になるからね
特に完熟

「桃太郎」は品種名
「トマト 妻せつ子」はブランド名

品種による
大玉、ミディ、ミニは、あるけれど
それだけではない、育て方で
品種の普通より小 ....
秋になったら家を出る
軍手とシャベルを持って遠く遠く
九月いっぱいは歩き続ける
十月は釣りなどして過ごす
十一月が木々を染め出したら
場所を決めて、あとは待つ
落葉を敷きつめてその上に座る ....
森の中に独り
命の香りを感じる

高層ビル群の中とは違う
少し湿り気を帯びた
静かな空気

街にはあんなに人が居るのに
なぜどこか刺々しくて
無機質なのだろう

森は違う
木々 ....
永遠が何だって言うんだろう
そんなことを考える暇があるなら
今すぐこの喉の渇きを癒して欲しい

君の首筋に咬みつきたい
それが僕のすべてさ

暗闇の中で求め続けるもの
それはこの喉を潤 ....
{引用=

せかいのあちこちに
内緒で敷かれている
内緒の線路を走行する
打ちっぱなしの
コンクリートの
でっかいとんねるは
せかいの中身を
くり抜きながら
こわれた部分を直して
 ....
恋月 ぴのさんのおすすめリスト(17882)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
大内峠から- ……とあ ...自由詩10*10-11-10
此処にいる- 豊島ケイ ...自由詩7*10-11-10
月に導かれしものたちよ- 森の猫自由詩4*10-11-10
転々- salco自由詩7*10-11-9
カクテルのための三篇- 渡 ひろ ...自由詩14*10-11-9
ヒカリサス- 月音自由詩810-11-9
割愛- 佐藤真夏自由詩7*10-11-9
歌と句- 生田 稔自由詩2*10-11-9
覚悟の儀式- 吉岡ペペ ...自由詩310-11-9
人魚の名残- 高梁サト ...自由詩14*10-11-8
メールボックス- ナカツカ ...自由詩11*10-11-8
かぎられた就寝- しもつき ...自由詩1610-11-8
朝湯- 生田 稔短歌210-11-8
がらんどう- 乾 加津 ...自由詩10*10-11-8
ナギ- 砂木自由詩7*10-11-7
十一月のカーペンターズ- 吉岡ペペ ...自由詩910-11-7
竜化の滝ー塩原渓谷- ……とあ ...自由詩8*10-11-7
むすぶという祈りの方法について- 石川敬大自由詩2010-11-7
達観- 未完自由詩1*10-11-7
モノトーンの虹- 塔野夏子自由詩3*10-11-7
指輪- 森の猫自由詩14*10-11-6
ちぐはぐな家庭- 豊島ケイ ...自由詩28+*10-11-6
魔法少女についての断章_1- 真島正人自由詩2*10-11-6
喪失感は地面を掘っていって- 乱太郎自由詩14*10-11-5
帰り道- さつき自由詩4+*10-11-4
トマトのはなし(改訂)- 鵜飼千代 ...自由詩15*10-11-4
冬支度- salco自由詩17*10-11-4
パラサイト- うずら豆自由詩3*10-11-4
ヴァンパイア- 未有花自由詩7*10-11-4
ぷろぐらむ- 佐藤真夏自由詩12*10-11-4

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