がちゃん
ものの割れる音がする
ごとん
ものの落ちる音がする
どんどん増える音
増えすぎたので
耳を塞いで居る
ガチャン
ガラスの割れる音
ゴトン
電車の繋ぎ目から
重た ....
ガソリンが 値上がりし続け
保険の お得な前納システムにさえ
不安で 躊躇してしまう
変動したら 上乗せして払うのか
道路工事で 渋滞の通勤道路
わずか数十メートルの道を整えるため
....
イワシの缶詰を
買ってきて
もらった
イワシの缶詰の空き缶は
魚臭いから野良猫が咥えて
行くんだ
カランコロンと音を立てながら
猫がイワシの油を舐めるんだ
たまご
ようちゅう
さなぎ
うか
烏揚羽
とまった
ゆびさき
あけた
まど
ゆらっと
かしぎ
ひらっと
はためき
さっと
こうか
ぱくっと
たべた
....
ひかりの断片がまちまちに彩る景色の
これ以上無い非日常さに腕をひかれたように
散らかった部屋を放ってわたしは外に飛びだした
今日の天気がうすくもりなのか
目にかかるレンズのうすくもりなのか
....
今日 あなたが死んでも
明日 私は泣かないだろう
一瞬の悲しみは
空しい夜に飲まれてゆく
今日 私が死んでも
明日 誰も泣かないだろう
一瞬の衝撃は
儚い朝に吸わ ....
光り輝く美しい世界
のはず
傷つけあい
罵り合い
奪い合い
感覚が麻痺するような連日の悲しいニュース
笑っていられない
もう、部屋 ....
炎の塊がどんどん大きくなっていく
僕の心もどんどん大きくなっていく
知らず知らず僕は少しずつ大人になっていった
まだ子どものままでいたい
ピーターパンシンドロームでもい ....
ごみ袋を引きずって、
外に出る。
家の外に出るのは、
三日ぶりだ。
ずるずると、
アスファルトの上を、
引きずって運ぶ。
集積所の周りでは、
ご ....
朝露が風に吹かれて踊りだし
その銀の光が草原を舞う
すべてが溶けてゆく
やわらかい朝
道を進めば
梢に止まる小鳥たちが
歌でぼくを迎え
自然の中とともに
あるべき姿の自分に気がつく ....
記憶の湖に小船を浮かべる
揺らぎの中を覗く
湖の底で幽かに白く
蜃気楼の様に
魚の影の様に
消えた世界が見える
あれは何処
あれは何
あれは僕
あれは誰
....
A子(主婦39歳)は嘆いていた
価格破壊の世の中を
街を見渡せば
いたるところに100円ショップ
(なのにレジでは105円取られるのよね)
超ディスカウントショップも蔓延し ....
(でっかいのが、死んだ。)
風殺すようないかり肩に丸刈りの白髪頭乗せて来るのは あれは
ロブス 漁師で 工房の隣の教会の管理人だ
逆光でも分かる お調子者の いつものいたずら ....
「太陽は暴力だ。
冷房の効き過ぎた教室で
あたしはカーディガンの袖を食みながら
前方伸身2回宙半ひねり
を、決めた燕の
誇らしげな嘴を 遠く眺めていた
あの、三つ子の巣立ちは
母の墜 ....
不思議な声で
鳥が鳴く
梅雨の終わりに
わたくしはその鳥の名前を知らない
ワールドカップの順位表で
トリニダード・トバゴという国の存在を
初めて知った
わたくしはその国の ....
打ち震える涙が、立ちならぶ
忘れられた街景の片隅に、十代の足音を揺らして、
失われた向日葵は、いまだ声を上げて、
古い風の臭いに浸り、
枯れた夏を首に巻いて、
届かない空の裂け目を編んで ....
照りつける夏の陽射しの下
墓石の群を横切る私の地面に頼りなく揺れる影
一瞬 頬に見えた{ルビ滴=しずく}は 涙なのか汗なのか
( {ルビ嘗=かつ}て 一途だった少年の恋は
( 夏の夜 ....
つやつや
ぴちぴち
ほっこりさん
幸せの資格は誰もがもってる
暗いトンネルの先では
美しい光景が迎えてくれるよ
こころを削り
周りが見えてなかったよ
....
会話は
なんで成立するのか
ボエケットの帰りに考えた
共通の認識があって
共通の感性
共通の世界に住んで
穏やかな気持ちで居れば
ことばは要らない
迷惑な三角帽子
巫 ....
やがて
夕闇に閉ざされる海の
光る航跡を追いかけて
白い波間に漂う一人ぼっち
私の貝殻は声もなく
笑えるうちは
泣けるうちは
あきらめません
だから
あなたも
あきらめないでください
....
1.その朝
飼っていた鳥を籠から逃がし
ニュースの事件で共に泣き
生ごみはベランダの植物の
肥料として再利用
洗剤を使わず食器を洗い
お風呂の残り湯で洗濯し
手紙の返事を全て書く
....
「輪郭はね、大きすぎない方がいいと思うんだ。
両手を、こう。ゆらりと、一杯に広げたくらいの」
朝の電車は
どこかに海の匂いが紛れている
だから皆、溺れた ....
昨日は切なさを
今日は愛おしさを
明後日は狂おしさを
一枚
また一枚
引き剥いだ心から溢れ出る
あかい
あかい溶液は
あなたの眺める空を
あなたの愛でる花を
染めぬいてくれるでしょ ....
水深5キロメートルの恋に落ち プールサイドで墜落する午後
砂浜の午睡からうつら目を覚まし すいかの縞の波に溺れる
ピーラーで削がれ半裸になりしきみ 水にさらせば ....
顔も思い出せない人だけど
その声も聞けないけれど
もしも叶えられるなら
せめてその眠りを妨げるものから
あなたを守りたい
言葉が溢れて眠れぬ夜には
その話をただ聞いてみたい
あなたが ....
僕は
間違っていたよ
両手を掴んだからといって
それが君だったという根拠を
説明することなんて
できやしないんだ
どこから自惚れていたんだろう
向き合っていた時には
見えな ....
夏は化粧に忙しい
忙しくなればあちこちがさわがしい
小さな約束がたくさんあるけれど
約束の周りには雨がふりつづけている
この星の伝言は
雨が好きなのかもしれない
わたしらは雨の外側で
....
えんえん泣いてるときより
はにかんで大笑いしてる方が可愛いよ
なにげなくふれあう瞬間
電撃が体内をいっそうに駆け抜ける
消えかかる心の奥底に
沈み損ねていた思い ....
罰をおそれ 島を出る
黒く深まる空間のさらに奥へと向かい
非力な腕で櫂をくりだし
ボートは枝先のようにじわじわ進む
シャツの汗の総量が
罪の重さを告白する
あの人は私のために
くるい ....
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