ペンキの剥げた
「幸福の青いベンチ」に腰かけ
いつまでも手の届かぬ恋の花や
身を粉にしても報われぬ仕事の
やるせなさを思う
誰の手もふれられない
こころのうつむきに
寄 ....
かっちぃが積み木を積んでいます
黄色のしかくいのを二つ並べ
赤い円柱を二個
青い円柱を二個
と 上に上に積み重ねていきます
最後に三角の緑を二個乗せて
かっちぃのお城が完成しま ....
地球が滅びるとき
進化が過ぎて
全種類のいきものが
一斉に空を飛ぶ
大気圏を越えて
少し離れたところから見た地球は
丸裸になっていた
そんな夢を見てしまったら ....
よりどころになる火は
つぐなう先をもす
じくの浅瀬に
なぎ払ったものが倒れ
喉が 海に泣く
制する夜は きたての波
しのぶ朝 しのぐ昼は 隠れ
ついえて春と
声 ひめる
〜である
〜がある
本質と事実
境界線上のイデア
遊離と乖離の連関の中で
問いは意味を持ち
意味は実存を失う
問われることと問われざること
....
まわる まわる
くるくるまわる
世界はまわる
今日も停まることなく
くるりくるりと
目がまわる
この世界には
たくさんのことがありすぎるから
言葉のひとつ
近づいてきたら 追いやって
離れそうになれば 手繰り寄せている
縁側でする遊びのようで 意味なんてないのだけれど
笑顔の会話を 遠くにききながら
追い払われたひとの行方を ....
この手紙があなたに届けばいいと思います。
お元気ですか。
こちらでは、毎日少しずつ、何かが消えていきます。
壊れるとか、崩れるとかいうのではなくて、
昨日までそこにあったものが、今 ....
幼子の手引く母の
足取りは重く
歩道の上
アスファルトに滲んでいく
いつの日も繰り返される
出掛けてしまった後悔を
抱いたまま家路を急ぐ
手に取る物がそこに在る
確 ....
さまざまな想いが込められた街角に
熱を帯びた顔をさらして
過ぎ去った日々を懐かしく思う
若さ故の過ちは多々ある
それは顔を背けたくなるような
恥ずかしいこと
それで ....
恋をしてもいいですか
この思いを隠さなくても
構わないと勇気の出ない僕に
後ろから軽く背中を
押してやってくれませんか
覗いた万華鏡に拡がる
美しい鮮やかな世界
白い兎が手招き
こ ....
(きみは近く
足元から古い崖が、伸び悩み
きみはすぐ下のことが分かる)
ひどく、近く
じっとしている
長いこと
息を奪われて、呑みこんだ夜
ふさわしい音はながれ ....
高校で処方されたトローチを
ずっと舐め続けている
いつか消えるという
先生の言葉を信じて
大学生にさん付けされ
上司にはくん付けされる
しかし口の中にはまだ
トローチが悠 ....
あの日を
あの日、と呼ぶことは
思いも寄らないことだろう
あの日の
僕には
時は
流れてゆくものだと思う
追い越せないことは
確かだけれど、
離れ過ぎずに
ちょ ....
アメン君が持つ無意味の王様
理解されようとされまいと
規格外それは不変の観念
(ほら、恋愛が科学で証明出来ないのと
同じ事だよ。要するに未知なんだよ。)
形容するならシヴァのピルエッ ....
ひねもすノタリノタリかな
花瓶の中の水仙
洗濯物を干す
有給を取る
世界は逆ねじの歌
世界は左回り
世界は平和の歌
世界は大人になる
私に夢を下さい。
私に愛を下さい。
私 ....
立ち昇り 斜頚の日
紫煙の薫りに不思議に色めき立つ
煌き 重い日輪 くねる日差し
とどかぬ窓のない部屋
赤外線ヒーターの鈍い光に目を そっと閉じて
紅い瞼の裏で
妖艶な瞳 輝かす
....
白線の内側を
遵守するものにはわからない
よごれ
くすみ
否応なしに手にさせられる
白線の内側を
順守しないものにはわからない
うつくしい
かがやき
届かないからこその憧憬
....
見つけたから
ついていった
きっと昇っていくのだろうと
戻されても
水ばかり飲んでも
同じように昇っていくんだと
あの時この瞳は
きっとすべてを照らしていた
それから
何も見えて ....
年賀状の
返事を出しに
近所を歩く
遠くに見える
赤いポストの頭に
新年の日が映り
うっすら後光が
射していた
かけがえのない人々の
名を記した年賀状を
輪ゴム ....
親指でしか語れなくなった
指先が覚えてしまったのだ
無機質な凹凸に触れるだけで
整然とした文字が手に入ることを
まっさらな紙の緊張や
そこに落ちるイビツな文字
との格闘も捨 ....
さらさらと
お前は何しに来た
こんこんと
お前は何を話しにきた
しんしんと
お前は何を聴きにきた
さらさらと
また人々の掌に舞い降りてきた
....
一、たらちね
ふるさとの町は
訪れるたびに輪郭を変えてゆく
けれど
夕暮れどきに帰りつけば
あいも変わらぬ暖かさで
湯気の向うから微笑みをくれる
あの人のおかえり
ただいま、と ....
わたし、
だからうまれたの
きゅうたいのいのちに
いくどとなく
はもんがつたうとき
わたしは
すいてきになる
そのあと、
またいのちになる
からめるいとは
....
小鳥を逃がした事がある
さみしい時に啼いてくれたのに
鳥籠にいる姿がかなしくて
僕の目の届かない世界まで遠くへやって
今もふとすると胸うちで啼いている
傷ついたその折れた翼で
....
お父さんはね
お母さんを口説いたとき
自分の故郷には
おはなばたけという駅が
あるよと言ったって
夏に嫁いできた母は
駅前に花畑があると
おもってたと
文句を言ったらしい
お父さ ....
指をとりなさい
昔から着せられてた時間
粒を飲んだら海に帰るよ
青しまい終えた夜空のまつ毛に
つつまれたまあるい出窓
しゅっとひとふきで曇るガラスも
つやつやのくうくう
うぶな瞳
ひとりの
少女が
荒れた
広場で
待っている
午後の光は
小さな花の
髪飾りに
舞い降りて
空の青さを
気づかせる
少女の体を
縛っているものは
何もない
翼を広げ ....
海を見ると
懐かしさがこみあげてくるのは
きっと私たちが受け継いできた命が
すべてを知っているからなのだ
私たちの親が見た海
そのまた親が見た海
さらにおよそたどり着くまで
私たち ....
心を のべひらく
凪いだ 北の方へ
静まり返った部屋で
北向きのベッド
伏臥した 頭の上を
船が通り過ぎている
北極海航路が開かれる時
涙は溢れるのだろう
極海に船影が ....
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