ハーモニカの小さなキーホルダー
これ 読んでみない?
と
「クリームレ ....
水仙は冬の空を貫く
凛と、静かに、美しく
瞳に白い花弁を溶かし
鼻孔を黄色く染めた
それは幾分の幸せを香らせる
桃色のスニーカーには
柔軟な葉と真っ直ぐな茎が映る
それは気分を優 ....
私は春の空を見上げた。
私は春の匂いが鼻に当たるのを感じた。
私は舞い散る花びらへ飛び込んだ。
私は夏の空を見上げた。
私は夏の日差しが瞳に当たるのを感じた。
私は木陰を歩き水を求め歩い ....
彼女から発せられる
ことば、旋律は
街中を彷徨う
歌声は力強く魂を揺さぶる
六〇年代ニューヨーク
カフェで行われた
ビート世代の詩の朗読会
擦り減った石畳の路地裏にあるガスライトカフ ....
今日
この町に
初めての雪が降る
昨日
君が初めて見た
その雪と同じだったらいいのに
そんなことを思いながら
一人
夜の空を見上げる
小さな雪が風に踊るよ
君
....
今夜もお風呂に入れてあげる
一緒じゃないと危ないからね
眼鏡をはずしてあげよう
シャボンでブラシとシャンプーも
手ですくってかける
温かいしずくは
バスルームに響く魔法の音
湯気の向 ....
ひなびた温泉地の
居酒屋で
地酒の熱燗を呑む
まわりは
方言を使う
地元のお客ばかりだ
あさりの酒蒸し
厚揚げ豆腐を
肴に
2合の徳利を
猪口に注ぐ
木作りの梁
温 ....
君が
好きだよと
素直に伝えたいけど
君の前で どうしても
言えなくなるのさ
愛してる 今でも
僕の 気持ちは 変わらない
今も 君が 好きさ
笑顔の 似合う人で
いてほしい
....
ぼくの
気持ちを
どう伝えよう
はじめて
出会った
あの日から
君にもう夢中
誰にも
言えない
ひそかな この思い
君だけに 伝えよう
ぼくだけの ひみつ
ひそかに ....
君と歩く朝方の冬の道
気の遠くなる距離感
吹雪け
命
そして、凍死してしまえばいいんだ
俺
自殺願望は甘いドーナツ
君を想うだけで
真ん中に空いた穴に
ダイブしたくなる
ゆ ....
三年は居ると思ったのに一年で帰ってきて
高校を卒業して都会で寮生活をしながら働いて
帰りたくて故郷に帰ったけど 親は怒った
だからお前には無理だから行くなと言ったのに
どこまでも行くと ....
{引用=
あなたの写真を見ていると
なぜか横顔しか
残っていない
小さなカフェに
行ったとき
突然歌手が
ジャズを歌った
ジョー・ウィリアムスに
ちょっと似た声で
いかにも偽者らし ....
「ただいま」君の声
「おかえり」と返す
伸びてくる君の手
掴む僕の手
それが光さ 君の目に映る
それが命さ 僕が知っている
不機嫌な君の声
知らない顔でいよう
伸びてくる君の手 ....
さびしく光をめくる
冬の公園の夜
うろうろと
街を進んだ
車のバンパーに
暗い電球を乗せて
叫んだ
雪に埋もれた公園の池で
闇の飛沫が激しく踊り
死ね
街灯は
小道の向 ....
しわくちゃなので静かな紙面に舟を浮かべると
宙の上で均衡がとれるように
その点において
静置する
対になるその
たゆたう舟の影も
水底でしわをつくって静置する ....
ぼくは四角
ころころ
ころころ
いろいろなひとに
ころがされる
だけど
ぼくは四角いから
簡単には
ころがらない
だから
みんな
ちからをいれて
ころがすけれど
やっぱり ....
伊達直人がホテルをでて朝の商店街を歩いていた
四方に広がるせまい空
雲ひとつない水色をながしていた
まだ冷たい商店街
異国の山麓に広がるバザールのようだ
路地には猫がにら ....
魚(とと)屋の裏の
軒先伝い
いつもの三毛が
銀渋屋根から
三軒向かいの
土蔵の屋根まで
尻尾引きずり
のそりのそり
土蔵の屋根は
少し高くて
いつもはそこ ....
あなたが止まり木で休んでいる間に
燕雀がちょっとさえずるけど許してね
快適な檻をお探しのようだけど
ここら辺では貴方が翼を広げられるような檻は
ちょっとないかも
私にとっては広すぎるこの ....
山間から 金属的な反響音が聞こえる
ブランコのきしみのような音だが大きすぎる音だ
山に反響し どこから 背後から聞こえる気もするし
前方から聞こえる気もする
川岸に下りると クレーンが ....
青空に顔を向けて
無邪気に咲いた早朝
陽射しが眩しすぎて
不甲斐なく萎んだ午後
無力を思い知って
力なく項垂れた黄昏
もう夢なんか見ないと
突っ伏して泣いた真夜中
花が落ち ....
女の子はミルクティ
黒い人は刹那が好き
大抵みんな空が好きで星が好き
だってそうでしょう
男はわりと"あたし"が好きで
女は破綻を否定しつつなんだか嬉しそうだ
....
雪が降ってくるのです
音もなく 羽毛のように
やわらかく 花片のように
雪が降ってくるのです
見えない雪がすべてを包んで
私を埋めてゆく 冬の森
ごらんなさい
遠くから蹄が駆けて ....
静かに、静かに耳をすますと
身体の奥から霧笛が聞こえる
いったいどこから聞こえてくるのか
僕はどこにいるんだ
朝の通勤電車に今日も乗り込む
見慣れた顔が椅子に並ぶ
少し曇った空の下
....
僕は正装してそこへ向かい
ドアの前に立ったのだけど
鍵穴から嘘が見えたので
そのまま部屋を通り過ぎ
隣の部屋で服を脱いで
行きずりの女と一晩過ごし
手紙も一切残さずに
あなたのもとを去っ ....
伝統の中で
裏切りから始まった20年は
三日天下のようなもの
暫く触らずほっておけば
後世に検体の価値を成す
パクリーマンは
自爆連発のネズミ花火のようで
中国の祭典かと思わされ ....
{引用=
個人的な話だが。
あまりにも呆然としてしまったのと、書くことが弔いになるかと思って。
※
Iさんが亡くなってしまった。
昨日、数人で一緒にバーで飲んでいて、気分が悪くなった ....
こんなにも多量の糞が出るのなら
俺は当分死にそうにない
食当たり何を食っても粘土味
油あげ一枚で死ぬかと思った
自転車のオカンがスロープ落ちてきて
駐輪場で死ぬかと思った
....
様式美とはこんなことを言うのか
西洋の美と江戸の美が混然となった舞台
何処にも属さない世界を現出する
その舞台装置の中で演じなければならない
役者の苦労は如何ばかりだろう
半端な存在 ....
のび太くんに会いたい
ぼくはのび太くんに会いたい
漫画の空のしたでやわらかな描線で
10才の小学生のころのじぶんに
ぼくはのび太くんに会いたい
土管の公園にゆけば会え ....
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