おぼろげに見え隠れする夢の欠片
 綱渡りしながら捕まえていく

 流れ弾に当たる
 宝くじははずれる

 アスファルトに落とした視線を
 夜の透明な星空に浮かばせる

 何度も ....
瞳の奥で揺れる
至極、あやふやな
日付変更線を
 
片足ずつで跨いで
 
昨日と明日の間
本当の、本物の今日で
息をする
世界を知る
 
 
でも
 
ここには
日付なん ....
生きてゆくことの危うさ
悪意なんてない
少し踏み外しただけさ
それで人がまた一人 死んだよ

僕たちはわかりあえない
事勿れ主義の神様
あなたのおかげで今日もずいぶん
赤い血が
青い ....
八十円切手を
丁寧に千切りながら、考えていた
軽四輪だったかどうだか
切断された偉そうな記憶だけが
粗大ゴミみたいに

音、

みいいんって
ああ、またかまただ
 ....
うみがはてしなく
おもえるのは
あなたが
ひろいこころをもっているから

そらがあおく
みえるのは
あなたが
すんだこころをもっているから

あなたが
おしえてくれた
かぜのう ....
野球帽をかぶった少年の頃 
いつもベンチから 
マウンドに立ち、グローブを頭上に振りかぶり
構えるキャッチャーに
びしっ 直球を投げ込む
エースのあきちゃんをみていた。 

チャンスで ....
さくら色の雨が降ると真っ逆さまに春になる

鼻孔をくすぐるみどりの息吹、お腹いっぱい吸う
するとくしゃみ百連発で花粉症勃発
マスクサングラスの完全防備
裸ん坊で日光浴は皮膚癌を恐れて止め ....
鼻を打つといつも、
はながみさまがやって来る。
はながみさまは襤褸を着て手に薄紙を持っていて、
薄紙はごわごわの紙とぬわぬわの紙のふたつで、
わたしは何故かいつ ....
塔を隠した樹々たちがくりかえす
やわらかな墜落

螺鈿の微笑を浮かべる遊星たちが
結晶状に形成する空間に
浮かべられた白い柱廊に
並べられたフラスコ

時折それらのいくつかの中で
新 ....
いつのまにか 僕は 悪いこと覚えてた
ひとりきりの 夜で 闇の中震えた

  誰も助けてくれない 誰も癒やしてくれない

人間は誰しも 不完全な生き物
欠けている部品を隠しながら生きている ....
どんな装いだったか
お前が愛し盲目にまでさせた安定性が
うなだれて堕落した時に
絶望視した目の死体を
担架に載せて運んでいる様を
コメディにしようと必死で繕っていたっけ

お ....
久しぶりの朝は雨の日で
このまま 布団の中うずくまって
雨の音を聴いていたいって 思った
ずっとずっとこのままで
雨になりたいって 思った

布団の中で ふと あのひとのことを考える
 ....
 いくつもの物語を奏でる人生オーケストラ
 奇跡の影に追いつけないまま
 狂い咲きする情熱の炎

 垣間見る景色は虚ろ気に

 咲いた花は散っていく
 涙もみせることなく

 果 ....
お酒に逃げる、

自分がわかる

「縁がなかった」

なんて都合のいい言葉

「昔の話だから」

なんて身勝手なその言葉

逃げてしまうの、

いまだけだから

もう一杯だけ、

お酒を飲もう!
きれた風が コップの中
五つの渦を 見上げている

行きつけの船の舵取りにしか
読めない星雲

人指し指をやめない
子守り歌は
コップのガラスをまわり

砂丘におちていく蝶の
石 ....
朧月
空想の羽ばたき
漆黒に眠りつきそうな 月

静かな 夜を巡る 
思いは宇宙に溶ける

平和に 一日を過ごした
感謝の思いを御本尊に報告しつつ
午後十時の唱題は声を細めた

 ....
もうすぐ、生暖かい夜が
苦いクスリとともに
グラスに注いだ水と一緒に
――やって来るョ。

窓の外は今しも
オレンジの火炎に包まれ、
妖しい空へと
黒煙を立ちのぼらせては

昨日ま ....
素晴らしい名曲を
聴くことは大切だけど
自分の歌を口ずさめば
それは生きている
たとえそれが
上手く歌えなくても
それは生きている
自分の意味が生きている

感動した言葉を
覚える ....
眩暈に似た痛みが広がる
右手の人差し指を中心に

(歪に屈折しながら
(彷徨を(彷徨し
(彷徨っている
 左右円滑に回転する
 首の骨/球体A
(貴方が可能な限り速(早く
(振ってく ....
清らかな
つぼみにむすめと
名を付ける
母の手をひく
二人のむすめ



残り香も
くれぬあなたの
着たシャツに
影を重ねて
子としての愛



滑り込む
指先に
目を奪われて
あなたに許す
花 ....
「まだできないの?。」
と訊かれたので、
「まだです。」
と答えると、
きみは、
すたすたと怪人の手を引いて出て行った。

それから。
ぼくはずっと、
 ....
捨てられた公園の
捨てられたベンチに座っている
捨てられたひと

捨てられた思い出の
捨てられた世界に生きている
捨てられたひと

かくれんぼの時
最後の最後までみつからなくて
つ ....
塗りつぶされたような無が
地平線まで続く平坦な荒地を
軽やかに飛んでゆく

この
とても静かで安らぎに満ちた風景

墓石に腰掛けながら
盲いた老人が呟いた呪いのことばは
もはやだれ一 ....
右のポケットに
湿ったままのハンカチ
トイレのドライヤーで乾かして
にわかに水蒸気は生まれていくが
それは霧でもなく雲でもない
つまり、僕のポケットには
虹は入っていないという事

エ ....
? ミックスジュース

頭の中 空っぽにして自転車こぐだけで
体を包む風がたくさんのメッセージを運んでくれる
人も木も車も道路も信号さえも輝いて見える

そんな素敵な詩のレシピで
ぼ ....
ここに
銀色のエンジンがあればそれと

あと太陽の動きのような一時間半があれば

ぐるりを周りきれるほどのちいさな島
四方からの潮風にさらされ続けていて

そこで何本もの縄を編んではほ ....
いつものように
いつものとおり

ガンジスの砂粒ほどの
転生を重ねつつ

今生も また 仏の軍勢につき

いつものとおり
常勝の勝ち戦で
悪を催滅しさるので

関係各位にお知ら ....
擦り切れている背表紙を
後生大事に持ち歩く
付箋に躓くことを繰り返してしまった

左手には一束のシャレード
紐解いている間に
夏の森は
微笑や涙やトキメキを頬張って
色彩を奏ではじめて ....
眠りにつく声は
静かに
揺れて

さぁお休みと言うより
何を言うより

暖かい音

眠りをください
あの頃見た
透明な眠りを

音の中に消えた
足音と血の流れる音

眠 ....
刈り取られた
花々は暮れようにも
暮れられず
風が吹くのを待ちながら
やがて、
朝になります


  いつか風、のように
広げた両腕は冷たい、思い出となりますが
 その内、に抱えた ....
恋月 ぴのさんのおすすめリスト(17883)
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散在する、朝- 霜天自由詩1007-4-30

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