野良猫は仕事を求めている
ダンボールで背広を守るホームレスのように

野良猫は仕事を怖れている
歯医者で口を開けない子供のように

野良猫は仕事を決めかねている
半年前の求人誌を読み返す ....
僕は今
君に
とても
恋をしてる

僕の愛を
受け取って欲しい
君が
好きだということを
わかってほしい

逢えない
時間が
恋を
つのらせる
目を閉じれば
君がいる
 ....
「僕は狂っているのだろうか」

真剣な顔をして問うた彼を目前にして
あろうことか俺は吹きだして笑った。

狂ってるか?だって?
馬鹿馬鹿しい。だって人間なんてさ、

「狂ってなきゃ生き ....
わたくし

未熟だけど

うりゃうりゃと

がんばって

ます


今年も

よろしく

お願い

します


さて





写真



好きなわたくし

ですが

この頃





描 ....
            071231


こもりをせなかに従えて
少し大きな赤子がほざく
少し大きな旦那様
生意気盛りの旦那様
黄色い蜜柑を手に持って
緑の枝葉を引きちぎる
つごもり ....
音も無く流れる川も冬の顔

愛情と隠し味いれ大根煮る

空仰ぎ散歩したいよ年の暮れ
情緒に問題あり、と
言われた、三者面談で
帰り道、お母さんが
泣いていた、自転車の
荷台で、情緒の意味を
分かりかねていた
テンイヤーズオールド


西日のまぶしさだけ
息が詰まっ ....
ここはいくつめの駅だろう
外では雪がやまないし
君はつま先をもてあまして
車内にころがる星屑を
蹴っ飛ばしたりなんかしている


君を胸に抱くまで
宇宙なんてしらなかった
僕はじぶん ....
星のように流れていく君たち
今夜はどこを目指していくの
それとも行く当ての無い旅なのか
いく当ても知らない旅なのか
星団を組んで東から西へ
誰かが君に願い事を託す
ここで君たちを見上げてい ....
美しくなった、本当に
美しくなった
成人を迎えるからだの中から
魂の
幼い部分だけ
すくい集めて
投げる

そこに生まれた空間が
やさしく
かたまったら
ほし
と名づけて
揺 ....
午前の安らかな居眠り

窓の風景が寒い冬枯れて
モノトーンの射し込む光に
アケビの橙が透視できる 窓に

うたた寝の前
布団をかぶり
空を呆然と見詰めて
表情のある天候と同期して
 ....
  「君、を燃やしてみたいよね」隣で三月さんが言った。
  「え、私の、ハート?」笑って答えてみた。
  「いや、身体だよ。ほら、髪の毛とかさ、そういうのに
   火をつけてみたくない?」そう言 ....
 
 
 
 
 
 
水玉の反射光
少しだけ、離れた目線
 
水滴が頬を打つ
その、一瞬くらい前
私は私より
ずっと私だった
 
 
足元が脈を打つ
それは轟きであり ....
すなおな円の中に
さかなや鳥や
そしてほ乳類を集めて
食べる

それぞれの
交差する部分で
わたしらは健康を保つ
それは罪深いことではない

ラベルには
聖書のことばのようなもの ....
 仏教の教えに、十界論というのがあります。生命の境涯の世界を十に分けたものです。下から、地獄界、餓鬼界、畜生界、修羅界、人界、天界、声聞界、縁覚界、菩薩界、仏界と上がっていきます。日本の仏教では、死ん .... 母なりし君

小さな花産み

長い髪揺らして

いくつの波越えたかしら

幼子 言葉ひとつ とつ とつ 覚えてゆくたびに

通学路でぽつり唄ったメロディ

夜{ルビ来る=きたる ....
{引用=
年が明けたら
一月になれば
初詣に
神社へ

おみくじを
ひいてみます

"大吉"が
出れば良いなぁ

巫女さんに
「こんにちは」
声を出して ....
そして雨が続いた

近付いて耳際で一つの嘘をついて
傘が手離せなくなっていたその手から
力が抜けていくのを見た

瞼を擦って世界を揺らす
誰かになりたいって
誰かも分からず ....
イブの夜に彼女にあげたキスマーク 不埒なサンタクロースは俺だ

クリスマスケーキを食べたその直後キスして聞いた「ねえ、甘いでしょ?」


{引用=
ちなみにクリスマス前の五七五はこちら(昨 ....
今日も{ルビ賑=にぎ}やかな 
職場の仲間は 
跡形も無く姿を消した 
残業の時刻 

静まり返った部屋で 
ぱらぱら 
書類の{ルビ頁=ページ}を{ルビ捲=めく}りつつ 
手にした判 ....
じゃじゃりり〜ん 


紅茶が美味しい原宿のCafeで 
初老の紳士が羽織ったジャケットから 
小銭が床に散らばった 

赤いチェックのワンピース 
栗毛に{ルビ薔薇=ばら}のリボンを ....
某月某日(土)
 句会に出席する。三上先生、毒猿さん、ゆりえさん、ディエゴさん、吉村夫妻。万寿夫さんはウランバートル出張のため欠席。兼題「魂」には皆さん苦吟難吟だったよう。私の「たましいの毛玉に氷 ....
 
 
午前三時
おれんじ色の世界が始まる僅か前
張り替えたましろな障子に囲まれ
新しい青臭い畳の上で
蛍光灯から垂れた紐の先を
猫のように見つめている
 
断片的な映像が
時折ノ ....
おおはばきん
新しい言葉を一つ作ると
世界から一つ言葉が失われていく音を聞いた
それはながいながい車の衝突音に近かった


下半身が老人ホームにいつも向いている青年
後ろを見たければ目を ....
(水槽から飛び出した金魚の体温)

煤けたような暗がりで
瞳が開いていく
洞窟の中をずっと迷っているような
コオロギの摺り足
夜には手が届かない
指先が触れる闇の境界線、それは
ひんや ....
 人は死ぬ
 人はいずれ死ぬ
 人は間違いなく死ぬ

 この現実をあなたは消化しているか

 俺は死ぬ
 俺はいずれ死ぬ
 俺は間違いなく死ぬ

 日々の煩わしさの中で麻痺して ....
 理由はありません、っていう理由について
 もう少しやさしくあれたら、
 と思うんだ





さびしい時刻が生え出したのは
ぼくの、背骨を笑う
星のした

だ ....
わたしの肩が
知らず知らずに
雪を溶かす、ということ

それは
もしかすると
物語ることを知らない
ほんとうの物語


容易には
何事も信じないけれど
疑うとなれば
 ....
真夜中
眠らないで
夜汽車の音を聴いてるの
羊が何匹飛んだって構わない

みんなが寝てるのに
ひとり起きてるのって
いい気持ち


あたしは
あたしを探す
どっかに置き忘れた
 ....
さらりさらさら、刻の砂
さらら、今日の出口は見つからず
さらり、昨日の砂は無い

時計のなかでは
あどけない頬が
片隅にほんのりと笑っており
記憶の岸辺に
くすくすと
無邪気な声 ....
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