暗くなる前から隠れる所を捜した
冷たい風を避けて 二人は草の茂みに潜んだ
ざああ ざああ 荒れ気味の風が林檎畑を走る

強い風に羽があおられて もっと草の奥へと
二人は入り込んだ
夜空 ....
四の並びを避けたい一心の
番狂わせな四隅の角。

帯状の試験管に潜む
冷たい仕打ち。

隔たりに、突き上げられている事実は
送り手の番に
どうしても従ってくれない。

注意が反れて ....
湿度にとらわれた熱量が
肌にまとわりついている

エアコンは嫌いだ
あの冷やりとした
微かにカビ臭い風は
地下の駐車場を思い出す
軟らかにしなだれる
段ボールを思い出す

寝苦しさ ....
大切にしているつもりが
大切に出来ていなくてごめんね

日差しの強い日は
さぞかし調子が良いだろうと思って
直射日光の下に置き去りにし
干乾びて

雨の続く日には
さぞかし栄養が行き ....
あなたとさようならをした日

最初はとても晴れた日で

いなくなる日は
ほんとうにたくさんの雨が降った

{引用=
ばいばい
ばいばい

あなたはたぶん
そんな言葉知らなかっ ....
まんたもん

もう まんたもん やん ゆうたもん
みやてと まに もに たむいやな
よのやも やのまい ねをめたもん
たんなんね やんとんよ

( ねねねねね 笑 ねねねねね )

 ....
ことばで上手く伝えられないことを
どうやって今 君に伝えよう

はるか昔はるか彼方の国の山の上で
あの尊き御方が
弟子達に伝えたように
傍らの花に触れて微笑んで君を見ようか
君はその尊き ....
熱がある時に観る
テレビのような現実が
頭の端っこで丸くなって
きれいに瘡蓋になる前に
剥がして/痛がって/泣いている
ぽとり



つぶやきをひとつ
落としてきた
苔の生えた出会いのテクニックのように


ぽとり



つぶやきをひとつ
落としてきた
迷子猫のような写真まで貼りつ ....
何にもない

ただ真っ暗な空が

切り刻まれていた



いつも見あげていたはずなのに

真っ暗すぎて

切り刻まれていることに

気付かなかった



今 ....
陽も暮れきった午後六時
買い物メモを持って靴を履く
切れているのは醤油
それから時計に入れる乾電池
八時には夫が帰宅するので
急がないといけない
台所にはやりかけのパズルが広げてある
電 ....
fallin', fallin', fallin'

夢に堕ちていくのか
現実に落とされていくのか

曖昧な境界線は
貴方の体温だけを明確にする


スパークする光
流星の歌声
 ....
赤く濡れた月の蜜
追憶の茎から垂れ下がり
これから弄ばれることを夢想する

酸味の残った薄い唇
僕の指が軽くなぞると
風のせいにして髪に隠れようとする

火照って潰れそうな肉体
甘い香水の匂いが肌を ....
夏の陽射しの中

曲がりくねった道を
君と一緒に歩いていると
丘一面に黄色い向日葵

僕はスケッチブックとクレヨンを取り出し
道の傍らに座り込んで
丘一面の黄色い向日葵をスケッチブック ....
疾駆する車の前を
白磁の蝶がひるがえる
蝶は
そそり立つ眉を持つ

白く焼けた小石から小石を
羽黒とんぼが渡る
ゆらゆら揺れる
かすかな悲鳴

夏の熱が山脈をかすませる
盛り上が ....
真っ白く巨大な雲に
薄くて淡いグレーの雲が
今にも食い千切られようとしていた。

止まっていることと
動いていることが
まるでわからなくなる。

ぼやけた真実が
確かな真実になったり ....
うっすらとした
指紋が残る
小さな
背徳ばかりで出来た
フォンダンの中から
青銅のさかなが跳ね上がる

冷気の中で始まってしまった
運動会
知らないプログラムを
延々と放送して
 ....
自転車で
スローダウンして
見上げた初秋の青空に
アオスジアゲハ
自然にまかせて舞おうとする
あなたのようだと思う

今朝気がついた秋は
褐色の落ち葉
乾いて道端に身を寄せ合って ....
恋しくて雨のソーダ水飲み干したはじける泡よ恋しくてまだ


ものがたり、は続いている泣きながら夜そして昼あなたの時間


たわいなく戯れ過ぎる風としてもふりむかないで首筋にただ


 ....
きょうそとは

キンモクセイの匂いしている

それだけが湿気のように


こすれあう肌が

お花屋さんの冷蔵室の匂いだ

植物みたいな悲しみに

ふたりはじゃれあい

た ....
君は 青い鳥を追いかけ
僕は 新たなる月を追いかけている
同じ空の下でも
二人が駆け抜けるのは別の道

自然の摂理か

背中を向き合いながら走っていく
振り向く仕草を思い出させる魔法は ....
ぶつかってははじけ沈みこまれてく/見えない傷を時は置き去りに
雨の黒さを見上げる葉月の今も/あの娘はきっと放ちきれない愛を胸いっぱいに抱きしめて
僕は不埒で浅はかで疾しいまま/嘘にまみれ退屈に灼か ....
誰にも知られてはならない
耳をそばだてて

この地面の奥深くには
川のように赤い血が流れていて
少女だけがその流れる音を
聞くことができるのです

でも聞き続けていてはいけません
自 ....
世界の食虫植物展
てのひらはそそと、ほたるのあかり
贓物をてらすと
くびれた腰の民族思想
 わたしも生きものよ、
かずらを隠す種の保存が餌をうかがうふしだらな生足

挫いた関与が助けを求 ....
秋のある日

日本には目立つものが3つあり震災円高なでしこ・ジャパン

妻とともなでしこジャパンを喜んで秋の一日は爽やかなりき

清潔とは一切を拒否しつづけそして不満がないそうかも

 ....
私欲で手にいれて私腹を肥やして
要らなくなったものは?
赤の他人にプレゼント

街のほんの片隅でも
すぐに見つかってしまうのだから

人間の汚いとこ

世界に溢れていても仕方ないのかもしれない
雨や雪やもしくは火山灰
降り積もるものに閉ざされるとき
あおぞらに解き放たれた高層雲が眩しいとき
それら、数え切れない
ゆえに無限に近いものを見上げるとき
からだは静かな楽器になるのです
 ....


蝉が鳴く

孤独を切り裂くように



何処へも

もう

いけないことを悟っているように

性急に 性急に

夏の生ぬるい空気を震わせている



こん ....
途切れた糸
それでも僕は
忘れられない

そのふわっとした笑顔が
でもちょっとシニカルな

途切れた糸
ほつれるなんてないはずだった
無限のさざ波のように

花柄のワンピースが
 ....
すべてがあなたの声だった

忘れたいってもがいていた

ときどきあなたが

自身のことをよく言わないとき

ぼくはあらゆる悲しみになっていたよ

すべてがあなたの声だった

忘 ....
恋月 ぴのさんのおすすめリスト(17848)
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素直にこころを- 吉岡ペペ ...自由詩211-9-5

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