したたる、したたり、
侵食しはじめた月夜に
手足はどこまでも深く伸びている
やさしく影を包み込むようにして
月は、静かにあたたかい
当たり前のようにそこにいて
闇が照らすはずも ....
青銅の獅子が土砂に浚われる
日没、架橋のしたの渦のちかく
掘削されてまもない暗い洞穴に
青黴の麺麭のかけらを投げいれ
反響する木管楽器の透明な鼻息をきく
いっさいはみだらな情欲のうちにおこな ....
言葉が 膝を抱え丸くなったまま 産まれない まだ
非結晶の 硝子が こっそりと流動する
それは秘密 だよ
いつか 懐かしむだろう 君を 君の淹れてくれたココアを 君の唇の湿度を いつ ....
鳥取の冬を包み
かくすもの
街の音まで凍らせて
夜を沈黙で満たし
立ち尽くした
遠くで、雪おこしの稲妻が
夜を呼びさます
暗闇に置かれた水晶の透明が
今 ....
今日は一度も傘を差さなかった。
傘を差すのは嫌い。
周囲がいつも気を遣って、
『どうぞ』
って 入れてくれようとするけれど。
大丈夫だよ。
どしゃぶりでもない限り。 ....
心のカウンターで
1人酒を飲む
フェアーレディーが
隣に座る
プリティーガールが
その隣に座る
フェアーレディーが
攻撃する
大声で話す
劇をする男
人の輪ができる
話は ....
書き留めていたはずの詩が
一晩のうちに
家出をしてしまったらしい
枕元にあるのは
真っ白な紙の切れ端で
紙を失くして
彼らは
ばらばらになってしまわないだろうか
雨が降 ....
毎日に僕は横たわる
誰も待ちはしないと逃げ込む
あなたが居るだけなのに
猫の舐めたこの手は
今日もやはり汚いんだ
僕のしあわせが流れてく
銀の蓋をすべり
管を伝って
小さな ....
水鏡に
私をうつしましょう
私は醜い
何を基準にしよう
過去の話
自分以外の誰かに
固執した時の話
醜いものがうつる
水鏡には
忘れてたっていうか
....
悲しいけど涙が出ない
そうだ涙を作ろう
目の奥の真っ黒
ぎゅぅっと搾って
布でこして
まさに雀の涙です
そっと飲んでみて
私の 痛み 少し 分 か る?
でもね作っ ....
丹念に温めた躰を
その一粒は意図も簡単に
冷やしてゆきました
とんとん、
からん
流れても流れても
肌は通わず
なぞってもなぞっても
白に触れることは
許されません
....
「優等生」という響きに
たまに懐かしさを覚える
突っ走って
横に誰かいないかいつでも確認して
98点だった時は残りの2点を
異常にも責め立てる
そんな私を
どこかみんな遠い目 ....
なんだか灰色の空だな
シャブ中で捕まっている夫とくらしていた家はおじからかりていたもので
おじは今母の働いている透析の病院の院長先生をしていて
このお正月にすべてからっぽになったその家をみに ....
コロンと鳴った 耳の下の方で聞いた
なんで気が付かなかったんだろう
ハネた髪の毛が鏡に映ったりして
食パンの焼ける匂いを嗅いだりして
振り向かなかった 振り向かなかったんだ
行ってき ....
090108
ミズーリー州を
ミシシッピー河が
とうとうと流れてゆく
流れていくのは水で
河ではないと
理屈をこねる
ぼくたちの前を
気をつけをし ....
あの空は
ぼくたちにとってのどんな色で
何かを忘れないための色になったりするんだろうか?
つきぬける青に白い雲ひとつ
思いかえせば、
この変わらない空の下を
ながい間、 ....
夜の工業地帯を歩いていく
いくつもの照明の光とその
いくつもの色とで 僕はぼんやりと
何もかもを失っていくような気がした
うなづいていた
友人の会社が最近倒産したらしく
顔を合わせない ....
ぬらりひょん
つかみどころなんてあってたまるか
若い頃の苦労はすぐに質入れしたし
長い物は巻かれるふりして帯にした
真っ正面から当たるなんてドジは踏まない
折れない柳は風を知り尽 ....
雑踏ならば天使みたいな昼間のキミのキス
は磁石みたいでこわい
最悪感でひろがるのに
何度もやめたくなくてくりかえす
後ろの座席で友達がねてるのに
寝てないフリをしている
たぶん
たぶ ....
あなたは書かれた事のない手紙
いまだ出された事のない手紙
封を切られないまま
大切に言葉をしまい込んで
わたしはそっと考える
その言葉がどんなに心を震わせるかを
わたしは夢を見る
....
こわごわ伸ばした手をそっとリボンにかけた
伝えるため
逃げるのはむずかしく
逃げ続けるのはもっとむずかしい
やがてあらわにさせたその硬さは
罪悪感を駆り立てる
しっていた
あなた
....
{引用=
この宇宙は
はたして優しい場所だろうか
}
アインシュタイン、
僕はこの質問に
何と答えればよいのだろう
幸せだと呟くたびに誰かを傷つけていて
何 ....
090105
九官鳥を起こしてから
夜具をたたむ
昨夜、飲み過ぎてしまい
エスカレーターで蹌踉けて
危なく転落するところだった
すぐうしろの ....
イメージの中で溺れる歌姫
今は誰もがみな彼女の虜さ
イメージの中で溺れる歌姫
だけどそれは永くは続かない
一時代を築き上げた華々しい功績も
流行の波に曝されてもはや過去の遺物
巷に ....
「迷っていたけれど
そういうふうに
生きていく事にしました」
密やかな決意を
胸の中で繰り返し
そこへ行き着いた
あなたの思いに対し
親指は言葉を探せなくて
携帯電話を閉じまし ....
空を溶かしたような
この海が
わたしの心の奥の奥を
綺麗に洗ってくれた気がしました
空と海が重なる此処なら
泣いても
全て飲み込んでくれそうで
心の雨もどしゃ降りに
降らせてみれば
....
ジェットコースター乗って
ゴーカート乗って
ウォータージェット乗って
空飛ぶジュータンに乗る
メリーゴーランド乗って
ティーカップ乗って
汽車に乗る
オバケ屋敷に入る
ポップコ ....
泣こう、
神様がよそ見をしている
そのすきに
比較的不幸なんです
退屈なのに困難なんです
悩んでたいんです
分類 エゴイスチック 劣等感
気持ちは日々進化
気持ちは日 ....
一番星を探す
夕日に隠れた雀が
さえずりながら帰っていく、手のひら
親指から終わるあなたは
小指から始まるわたしの声に
ただ、耳を貸している
紫が雲 ....
いつのまにか 僕は 僕を 殺して
僕じゃない 僕が かわりに笑っていたんだ
いつのまにか そんな 日常が
楽になっちゃって
あの人もこの人もその人も
もしかしたら 君までも
だまし ....
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