来る日も来る日も
欲しいだけの陽は降り注ぎ
水の恵みも充分受けてはゐたが
代はり映えのしない日々に
嫌気がさして
葉叢のなかの一枚が
ある日 ひらりと裏返つた
―決して気紛れでは ....
Ⅰ
小さな日だまり きらきらと
光のカーテン揺れている
小さな日だまり ゆらゆらと
そこだけ光の輪ができた
誰にも内緒教えない
あれは妖精の輪なんだよ
妖精たちが踊っている ....
{引用=
一、ヘヴンズ・ヒル
枯れることなく
花の咲きみだれても
それは
開くことをしない
閉じられたままの
かなしみの
すそ
風が
つねに優しいならば
怯えるこ ....
あらしの余波だろうか
はたまた 世間のしがらみだろうか
木枯らしが 落ち葉といっしょに
チリと涙 芥とおもいまで まきあげて
足早に歩いていくコートをくすぐっていった
そして 今 スコー ....
月が沈む
呼吸を止めて惰性で滑り降りる
しんとした
虚空の直中
廃墟の階段で
草が揺れる
....
湖面に幽かな波紋をのこして沈む
かたちなき夜の杖が
ことばもなく
彷徨う声の虚しさに散らばる
沈黙の
ただ拡がるばかりの濡羽色の森は、
音もなくざわめき
漂う、 ....
美しき祈りを閉じ込めた
真っ赤なラズベリイケーキ
香り高きダージリンと
華麗なマリアージュでおもてなし
閉じられた心の隙間から
届けましょう
甘酸っぱい愛と鮮やかな赤、
そして祝福に満ちたカノンの調 ....
1 追憶の街
(そこを曲がると目的地だ。
(たくさんのヒヤシンスの花が僕たちを見ている。
(そう、あの青い塔のある丘まで競争だ。
(君の長い髪がそよかぜにのって
(春を歌っている ....
暗闇に 紛れて
このまま飲まれてしまうのも 悪くないと思った
理屈なんか通用しないのに
全てを理屈で
固めてたんだ
わかってる
あたしの負けだ
....
春まだ浅い朝に摘んできた
ルビー色の甘酸っぱい宝石
籠をいっぱいにするより先に
ちっちゃな指と口の周りを
真っ赤にしてた
そんな美味しい歓声に
真っ白な砂糖をたっぷりかぶせて
ホウロ ....
{引用=山里に出会ふ少女はひたすらに
坂下り行き{ルビ畠=はた}のトマト赤し}
D展に出す絵のモチーフを探して
山地を旅していた
山里の道を歩いていくと
籠一杯のトマト ....
きみが涙で、青く弧を描いて
おれがそれより淡い色で、ゆがんだ円を完成させれば
光って
そこは完全におれらの場所だ
意識をそこに飛ばして慎重に体温をあげてゆく
ほら
日溜 ....
手紙 なら
彼の詩を
参考に すればいい
下準備を 終わらせて
お正月を
お雑煮を
待てば
いいのだから
しかし
この
二つ折りの
機械は
どうすれば
いいのだろう
私は
花びらが一枚足りないの
みんなは五枚なんだ
でもね
一
ずっと前、
私は小さな種でした
ほんとに小さくて、軽くて、やわらかかった
あの土と、この風が私を育て ....
不思議なもので最初は誰もが怖さを抱いている
生まれて初めての呼吸の仕方
単純に考える事でしか出来ない
深く深く深海に行くに連れて
光が届かない闇の中で
僕は今、泳いでいる
....
雨が降り続く秋の中で
公園のベンチは
誰も腰かけないまま
しっとりと濡れてゆく
何もない無の空間に
わずか一瞬だけ
背もたれにスズメが立ち止まる
雨が降り続く秋の中で
公園のブラン ....
ギャーと言えば
ギャー
ギャーと言え
ギャー
ギャーギャー
うるさい蛙の声に
おい、黙れと
太い声がして
石が飛んできた
頭をかすめて
向こう側にすっ飛んでゆく
音速 ....
薄曇りの空は
上から私を見つめるが何も語らぬ
道端の花は
小さくひそやかに咲いている
緑は影含み揺れゆるやかな坂へ
おいでおいでする
白いガードレールは
くたびれながら道案内をする
....
(はやく耳をふさいで。あれは死人の戯れ唄―。)
寒々しい空は、睨むごと暗さを増して、
空が生きているならば、それは今にも息絶えそうな色をして。
冬の匂い、
スカートの裾 ....
料理をするとき君は
良く歌を歌っているね
とんとんと小刻みに聞こえる包丁
ぐつぐつと煮えている鍋
うんうんとうねる換気扇
君の歌
そんなときに
これ以上ないくらい幸せを感じるんだ ....
真夜中
雨の音で目覚めた
まだ家にはカーテンがないから
部屋の中は
街灯のオレンジ色で
隣に寝ているはずのおまえが
窓際に立って
そとを見ている
おまえのい ....
深く透き通るマリンブルー
淋しいとき 悲しいとき
涙はどこへ行くのでしょうか
海の奥底に沈んでいる
私の心は宝箱の中
涙の泡に包まれて
静かに息をしているのです
毬栗が黄緑色に膨らんで
山の稜線を彩つてゐる
棘の一本一本は張りつめても
刺々しさはなく
光と風と大気に丸く包み込まれて
和んでさへゐる
さうしてなほも ....
街灯ともる裏通りを一人で歩けば
時折窓越しに明かりが灯る部屋がある
それぞれの生き様
それぞれのステージ
未来に向けて蓄える夜の宴
近づいてはならぬサンクチュアリ
....
しとしとと久しく耳に雨音を聞きし静けさ君想うとき
夢はまっくらだった
時折水面が光る
あぁ、川だ
笹が沈みきれず、流されてゆく
・・・短冊になにを書いただろうか
....
流鬼くぐり渡る
舞爪 の
川底
沈む 匂い袋
藻の痺れ
かきすく 小指
ほどけぬ水の痕
掻き鳴らされた
土の鎧
笹舟が 黙らせた
ひとこう月の 檻
藪に宿る 露 ....
世界中の人たちが
みんなみんな仲が良かったら
パスポートなんて必要ないよね
僕は
君という国に永住したいんだけど
承認してくれるかい?
渡し場で舟を待つ。
遠くから響く風に耳を遣ると
今しがた現れた
言葉がみんな消えてしまった。
残念なことだ、
水面の紋でさえ
こんなに早くは消えない。
渡し場に佇む。
風に運ば ....
秒針が/ちくともちくとも何かを刻む/焦燥をこぼす君の眼差し
自死を希う/君の髪からフレッシュベリー/毎晩シャンプーしている癖に
此の世には/奇跡もドラマも無いけれど/幻覚や妄想なら ....
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