すべてのおすすめ
空が片方の目を瞑る
女はさよなら

、と言った


沢山の赤い宝石が、道路を転がってゆく
遠ざかってゆく赤い宝石の
笑い声
夜を前にして、消え去ろうという
閉じかけた花の
遺言を ....


虎はその幕の奥深くに身を委ね静かに眠りを始める
兎がその上に立ち
電球のフィラメントでバイオリンを奏でると
そこ一帯は輝いて
学生達の駆る自転車の前輪と後輪が
まるで男女のように踊 ....
きみという少年時代の秘境について

そこに恐れていたものなど何一つなかった

きみに吹く嵐は去り際をわきまえていたし

きみの森に虎なんかいなかった

過ち達は気前よく十字を切って ....
乾いた笑い声
抜けたままのプラグ

真っ昼間、踏切の側で
女は胸に手を当てている
子供達が足跡を消して走っていく
夕暮れ、街灯の側で
老婆は胸に手を当てている

黙っているけどみんな ....
春がその鋏をもって髪を切り落とすことで
年月はまるで少女でした

幼さ故に軽々しい
その唄声は温い雨
弾むような花の手を
この手で掴む術もなく

彼女は舞台袖から飛び出すと
馬を駆っ ....
彼らはひたいに手をやる
私は左目をおさえる
彼らは両目でしっかりと見ている
私は{ルビ右目=ききめ}を凝らしている
{引用=左目は未だ微睡んでいる}

彼らは叫んでいる
声が脈をうち
 ....
刃をもって地図を刻んでみる
道を失った時はいつもこうする
するとそこに印しは現れ
私はようやく安心する
悩みなどない
刻まれて山となった老廃物のベッドで眠る
それは悩みではなく
  夢
 ....
そんなことはない、が
結局は開かれることなかった口の内側で吠えている

不便のないところでは
それがどんな狂犬だろうと
誰かしらがいい薬を処方してくれるでしょう
それで利口に生きていける
 ....
女の子はミルクティ
黒い人は刹那が好き
大抵みんな空が好きで星が好き

だってそうでしょう

男はわりと"あたし"が好きで
女は破綻を否定しつつなんだか嬉しそうだ
 ....
僕は正装してそこへ向かい
ドアの前に立ったのだけど
鍵穴から嘘が見えたので
そのまま部屋を通り過ぎ
隣の部屋で服を脱いで
行きずりの女と一晩過ごし
手紙も一切残さずに
あなたのもとを去っ ....
何処までも高く投げたはずのボールが落下をはじめ
それを静止した瞳で追う

身を預けた椅子が軋む音
カフェインの色で染まる部屋
身を預けた骨の軋む音
カフェインの色で染まる声

脳が死ん ....
{画像=101015121000.jpg}


君はどこに行っていたのと
神話が問いかける
ここまで
ずいぶんと時間をかけて
きたのに
ほんのちょっとの不在で
だいなしにしたね、と
 ....
{引用=なめらかな光り、消失
それはあの人
火花散る、消失
それはあの人}

世界が基準の統計
雄大な時間のパーセンテージ
そこに私は含まれているだろうか
例えば未完成に向けて進ん ....
胸に彫刻刀をあてて
誰が家紋など彫ろうとするのか

いづれ君は
かどをヤスリで削って
私は誰でしょう、なんて
笑って(泣いて)

それでも
叩いた音の響きで
君はすぐに見つかっ ....
焦げついた喉の奥に最も暗い夜がある

野犬逹が吠える
それは肺のもっと奥の方

何処か雲で霞みがかる月

歌いだせば
全ては煙のように這いで

誰の耳に入ることもない
それは誰に ....
灯台みたいに光る目と
夜空を照らす回る首

両手は常に塞がっています
だって、なにが起こるかわからないでしょ
いつだって捨てられないもので手が一杯なの

{引用=お馬鹿さん
どんなに利 ....
角砂糖ひとつ分のダリで歪んだ
そんな私の記憶の個室
父が一杯の水を差し出す
母が一輪の花を差す
それがかつての始まり
最後に望む光景

角砂糖ふたつ分のダリで歪んだ
そんな私の記憶の個 ....
私がとても遠いのだと思っていた人は
すぐ目の前にありました
なぜならその人は海だったのです

必要とあれば向こうから
そうでなければひいていきます
私がどんなに駿足でも
どれだけ望みを握 ....
{引用=領域を徐々に侵してゆく不均一な煙のような
その渇きは}

意識の最も深い階層に砂の粒はあふれ
ああかつてのそこはなんであったか
今を放浪する怪物の名は私の三分の一足らず
どうして気 ....
外は今日も騒がしい
豊かな自然
沢山の人間と沢山の生き物
私は今日も窓からその変容を眺めている
それはもう毎日のように

この窓辺から遠くへ臨むことだってある
窓越しに映画を見に行ったり ....
私達は風景を食べている
そしてもうひとつの地球のような
そんな世界を造りその上を歩いている
しかしそれはとても、とても小さい

幾つもある小さいを繋いでみようと試みるが
誰も縫い目ひとつに ....
ローテイトする空気
ツンとした金属
それが君

つい触れてしまいたくなる
そびえる金属の塔
不可思議
早巻きでみる植物のように
私は蔓を伸ばし試みる
君への動脈
ツンとした金属
 ....
拳を握り立つ女の背中の弓が跳躍する
大地のステップをくぐり抜け
夕映え瞳の奥
火燃ゆるその矢が到達すべき心臓へと導かれ
まさに射抜くのを誰もが目撃した

唇は乱れひとつなく
確信が彼女の ....
私がまだモクセイ科モクセイ属の常緑小高木だった頃
女は窓に立つ鳥でした
私がまだ荊のような神聖さを保っていた頃
女は鳥をやめ風景になりました
そんな女が周期的な区分でグラデーションを繰り返す間 ....
父は木製
母は金属製
そんなわたしの骨は木製
そしてどこか金属製

寄り添う啄木鳥
蝕む啄木鳥
偶然かわいい一羽くらい
薄い音を鳴らすときどき

黙る木製
黙る金属製
そんなわ ....
舞台の緞帳はいよいよあがり

しかしその舞台のうちで更なる幕は開かれる

改革は合わせ鏡

今や幾重にも続く世紀の幕開けに

観客は右に左に首をかしげ

出演者達は台本を忘れ

 ....
私の中の音楽達は皆
荷を詰め込んだトランクをもって出ていきました
だから今は
産まれたてのように静かです

ただ目に映る春をのぞいては
あらゆる情念は鳥のように去りゆき、今やもう海の彼方
きみの温めた卵はもう何処にも見当たらない
いづれ粉砕されるのを知りながら体温を分かち
最後まで希望と名付けることはなかった
そんなきみの熱情 ....
眩く目を瞑ってしまうほど金色のメッキ
林檎の赤を恐れ隠そうとするファントム
時の雨は降り剥がれゆくあなた達よ
今度は水を金にして流れゆく行進を

既にあるものの存在を誰が否定できよう
目覚 ....
金属を叩く音が
全部で三つ

離れすぎず
また、求めすぎない間
充分で理想的な関係

重要なのは音色
振動する空気も
重すぎないのがいい

単純な規則性と
各々は直に影響し合う ....
恋月 ぴのさんの瑠王さんおすすめリスト(71)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
空が片方の目を瞑る- 瑠王自由詩6*12-5-18
30wの春- 瑠王自由詩512-4-18
きみという少年時代の秘境について- 瑠王自由詩4*11-8-28
安定したトリル- 瑠王自由詩411-8-24
春がその鋏をもって- 瑠王自由詩9*11-4-14
左目- 瑠王自由詩311-3-17
カムフラージュ- 瑠王自由詩711-3-2
ありったけの花束を- 瑠王自由詩3*11-2-18
戯言- 瑠王自由詩511-1-13
鍵穴の向こう側- 瑠王自由詩411-1-12
14時- 瑠王自由詩710-12-6
合作「星たちの邂逅」- 瑠王自由詩8+*10-10-15
scene_(without)- 瑠王自由詩6*10-9-27
セロファン- 瑠王自由詩6*10-9-1
誰にも見えぬ夜- 瑠王自由詩7*10-8-1
愛でる手- 瑠王自由詩6*10-7-27
記憶の個室- 瑠王自由詩9+*10-7-22
潮と月と人間と- 瑠王自由詩14*10-7-16
共存- 瑠王自由詩7*10-7-14
飛んでいく家の話- 瑠王自由詩5*10-7-8
Patch_Work_#1- 瑠王自由詩11*10-6-28
ツンとながす君- 瑠王自由詩8+*10-6-9
拳を握り立つ女- 瑠王自由詩4*10-6-2
柊と鳥- 瑠王自由詩5*10-5-28
カストール- 瑠王自由詩8*10-5-25
緞帳はあがり- 瑠王自由詩4*10-5-21
代謝- 瑠王自由詩7*10-5-17
ほとり- 瑠王自由詩8*10-5-10
剥がれて尚も行進する金色の- 瑠王自由詩4*10-4-30
三つの音- 瑠王自由詩10*10-4-23

Home 次へ
1 2 3 
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する