さいきん身体がやわらかくなったので
じめんにも両手がつきます
ふくらはぎの辺りを覗きこむように
ダイブする寸前の
ポーズ
*
夏に向けて
競りあうように
伸びてゆく
ふぞ ....
生産性をアップさせるために
無駄をとれとかいうけれど
それはたぶん素晴らしいことだと思うけれど
承服しかねるじぶんもいたんだ
無駄なんてない、って
月あかりが万物にしみていました
....
普通に分かると思っていた
この没落された国家が
何の機能もしていない
パンドラの箱だということを
沸点をこしてもまだ沸騰しない
涙のアパートは
決して崩れるといった選択 ....
青空
もういいかい
まあだだよ
雲さん かくれんぼ
鬼さん こちら
とう かぞえるよ
お日さま ひとりぼっち
あか鬼さん
夕がた 来たら
たき火もするよ
....
禍々しく106ミリ無反動砲を六門装備した
巨大な蟹のようなM50オントスの装軌式車両が一台、
まったく人気のない夜の街を過ぎて
ビルに潜んだ甘い夢を殺しに、兵士たちは散った
すべての忌わし ....
北半球の地上の大多数がセンチメンタルにぬかるみ泥に足をとられながら
もうなにも考えてない白目の部分に霧をあびながら歩く
誰かを殴りながら笑う子供たちや大人たちが事実的に母親をレイプしたり父親を殺し ....
朝、目が覚めたら
右の手のひらがチクンとした
キップだった
日付はちょうど1年前の今日
行き先は書いていなかった
チクン
今度は胸が痛かった
その日付を忘れるはずがない
忘れら ....
声、途切れた理由を
知ることをためらった
まだ若かった私たちは
過ちを犯すことに
慣れていなかった。
他人の言葉をかたどることも
容易であるかもしれないけれど
か ....
ぱしゃり、と水音をたてて
あなたは私を抱きしめる
二人きりのぬるま湯に浸っていると
まるで双子のようだと思った
「交わることのなかった二人が
一瞬だけ出会 ....
すべてはこのバスの中で完結している
ふとそんな言葉が頭を横切る
雨はもうじきあがるだろう
そうして所在無さげに
手すりの傘だけが残るのだろう
老人は窓と小説を交互に眺める
後ろのどこか ....
漏れた水分で腐りゆく木材のように
人間が腐っていく
そう思いながら
腐り続けている
ぐるぐるとまわる原色の世界で
縄文杉
みたいだけど違う
腐りかけた根元に横たわって
じめじめとした地 ....
小さな生き物たちの視線の先は万華鏡
枯れ草から靡く種子や
色付き始めた新緑のそよぎ
漂う太陽の匂いと
囀りまばたく木々
風に回転する水車のような
緩やかな光の屈折は
土台に息づく生き物たちの
宿りを喜 ....
太陽という名を持つその花は
光の輪郭を持っていて
「笑って」
と、ほほえみかけてくるのです
大切なものを失って
すべてを噛み殺して
悲しみよりも深くたたずむその人の
かすかな ....
ふいに春風が吹き
桜ふかれそして舞い
その花びらに巻かれ
いつしか春は過ぎてゆく
大人になったら分かると思っていた
自分の存在は今もわからないまま
残酷なように秒針 ....
夜汽車に揺られているということだ
どこかから離れて
どこかへ近づいていく
珈琲を飲み干しただけの私は
すでにさっきまでの場所にも居ない
どこにも居ないのに、ここにいる
誰かの居なくなったそ ....
なんて美味しそうなんだろう
透き通るように白く
柔らかな曲線
なのに
喰いたくない
しかし喉は乾き
むせかえるほど
涎は止まらない
そし ....
愛という字を
上手に書けないまま
この年齢になってしまった
心が大きくはみ出したり
小さく遠慮して
収まってしまったり
愛という字は難しい
昨日久しぶりに電話し ....
九十まで生きたいとか言っていた姉が
今は七十でいいみたいだ
介護を受けれるか受けれないか
ボーダーラインの老人たちの調査をするのが姉の仕事だ
老人は環境をかえるとすぐにボケてしまうらしい
だ ....
くるくるの髪型になったの。
羊の毛みたい、そう言ってわたしの髪をもてあそんでくれたらなおうれしい。
雨の日は耳に栄養剤入れて散歩に行くの。
シャッフルして流れてくるお気に入りの音たち。
....
人生の軽さを言いながら人生の重みを感じさ
せる。
そんな境地に僕もいつか辿り着けるの
だろうか。
ノイズとスクラッチとギターとピ
アノと正弦波とドラムとベースとライムのよ
....
いつだって窓は
逆光に黒いコンクリートを四角くくり抜いて
冷たさと
まだ見ぬ町と
まだ起こらない出来事と
未だ語られない言葉と
遠い町の中を走り抜ける音で彩色された
真っ青な空を映してい ....
ひざ小僧
どこの小僧か知らないけれど
みんなが知ってるひざ小僧
スカートの下でかくれんぼしてる
いやらしいなぁ
だけどね
転んだときに一番傷つく
ひざ小僧
私を助けてくれるから
....
旦那がトラクターで田んぼを掘るというので
いつもは義父がおもにやっているわけで
田んぼの段差や道々のカーブなど
あぶないんじゃないかと思い 付き添い
一緒に行って 掘った後にでてきた
石を拾 ....
猫がのびをするように
舌を出して
髪を風に翳して
眠るうちに
世界の大半が嘘に染まって
太陽さえもイミテーションになってしまう
午後に於ける
2時00分と云うものは
ひときわ ....
大切にしてきた心
ホラーは見ない
汚い言葉は使わない
嫌な人とは話さない
美しいものを見て
正しい食事
正しい考え
正しい人間関係
愛は出しおしみをせず
いつも笑顔で
今日 ....
風の中のミィ
押し潰されそうな
小さな体を
必死に支える
可憐な笑顔
憶えているかな
丸く小さな影
ただ泣いていた
小学校の下駄箱を
風の中のミィ
一瞬でアイド ....
鉄棒に細い両腕とあごを重ねて
校庭の向こう岸に
風が波になって集まるのを
見ていた
帰り道の友達は
黒い袖をはためかせ
くるくると帽子を回しながら
林の陰へ消えていった
頼りな ....
輝く身体を滑らしながら
じゃあ、と
ぜんぜん悪くないじゃん、と
顔の傷痕は唾液で満たされた
腕のそれには
唾を吐きかけ踏みにじるであろうことを想像する
くすんだ紫のパンジーに
行こう ....
屋上に通じる小さな箱の中
灰色のドアの冷たさで頭を冷やす
窓から差しこむ小さな光は、
座り込んで眺める私を映し出す
光は、なぜここに在るのだろう
それはきっと、
此処にいる私を上書きし ....
誰とも話さず曇りになって
ざんざんと夕暮れが過ぎる日は
きまってしじまがおとずれて
そういう日に
ステレオは死ぬんだ
くちのわるいひとが 正しいこといってる
やさしいひ ....
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