軽く会釈し、
表情を緩め、
跪いてから、
揚げ足を
いつかの 最も遠い昨日
空は霞み
遠雷は鳴り
燃えている その姿まさに暁
生まれいずる声を聞け
ありふれた誕生の発音ではなく
境界線を取り払え
そのものに 触れようと思うなら
....
日曜日、妻は眼鏡をはずした顔で
ハムエッグとデニッシュブレッドの朝食をとりながら
やつらに全体を見せてはならないの」と言い、
世界は分裂させて統治するのがふさわしいのよ
思想も宗教もそ ....
仕事を終えて入った喫茶店の夕食前
紅茶をすするカップを置いてほお杖をつき
今日という日を振り返るひと時
名も無き群の
無数の足音が響く
駅構内の朝
職場の仲間と
腹を抱 ....
ポ タリ
血が落ちて、初めて気付く
君の傷
ね、どうしたの?
どこが痛いの?
ポタ
見え隠れする、真っ赤な雫
滴り落ちては、吐息に ....
止めて
教えて
今 僕の胸から手が伸びていて
何かを欲している
空に飛んでいくって
どんな気持ちかな・・・
涙って何だろう
僕の目から
鼻から
痛々しい感情が
真っ直ぐに伸びて ....
ん?
うん
ん
ん
ううん
ん
お蚕ぐるみの
コバンザメに
たかられたんだぁ〜
だぁ〜!
ひゑぇ〜
かちどき橋を渡る
小型機が墜落する
舟が出た後で
だれ ....
今日の空が知りたくて
朝から空を見上げれば
昨日と同じ秋の空
でもどこかが違う
昨日はつぼみだった山ゆりが
白く大きく咲いている
今日の空は少しだけ
昨日の空より白かった
今日 ....
そらにもよ
でっかいそらが まつんだと
まんずだまって みあげてみれ
そっだらここちが するもんだでよ
ふしぎなもんさな
なしてかな
はらっぱはよ うみのすみっこなんだと
うなば ....
★調整中
苦しみの果てに何が見える?
真夏のアスファルトからの熱気に倒れそうだった
僕自身を映した蜃気楼はゆらゆら揺れる
あの日のままの気持ちでいるのに
君はそれを気が付かないふ ....
しらないものが多すぎて
わたしたちはいつも
上手におぼれる
陽射しとは
なにを探し出すための
あかりだろう
こたえなどわかる筈もなく
求めるわけもなく
わたしたちはいつも
上 ....
十月の
夕刻にしては
あたたかい風が
秋の
冬の
装いを始めた草の
乾いた匂いを運んでくる
霞がかった空は
穏やかな表情で
まだ染まるには早い
青く連なる山々に添う
静か ....
あなたをね
叩いたらティーンって
鳴いたのね
あなたをね
撫でてもティーンって
鳴いたのよ
チクタク チクタク ティーン
チクタク ティーン
チクチク ティーン
....
りんごは優しく指を濡らし
珈琲は
のどぼとけを笑わせながら
そっとすべりこんでくる
隣のうちのベランダに
タオルケットが干してある
いつから干してあるのだろう
もうずっ ....
街の猛犬が
路地猫を追ひかける
猫の尻尾に
口が届くばかりに接近した
その時
目の前を
轟然と特急電車がやつてきた
あはや犬は立止り
猫はそのまま行つた
犬の前を
唸 ....
露草がぽつんと畦道に咲いておりました
宇宙まで大きく口を開けていそうな
高く澄み切った空に負けない
素敵な蒼い色
雨にも負けず
風にも負けず
道行く人を
ほっと和ませる可憐なけな ....
ひとりきりで終りはないと真空で泡立つの
そんな風に青く生らないで
わたくしのけじめ
まるい樹木で虚実は木霊している
朝日のもとを{ルビ死霊=しれい}が
破邪をささやき帰還してゆく
....
コップの中
流れを止めた水源
下りの道の続きにある
渇いた喉へ
飛ぶのは 鳥
咲くのは 花
記憶ならないもののほうが多い
逆らえるのか
蕾でしかない このカオスは
海 ....
淡いグレイの海を静かに泳ぐ
誰かの寝息をかき混ぜないように
息継ぎには特に、気を使って
暖かい雨の日に、虹の継ぎ目を待ち侘びている
もう一度の再開、名残惜しい名前を
呼ぶ声を迎えにいける ....
果てしなく続く道
果てることなき夢の断片
遠ざかる夏の声
訪れるのは冬の足音
泣き叫ぼうが
大笑いしようが
詩を書こうが
書くまいが
明日は無神経に玄関のド ....
生まれたとき既に
月まで人は 行ったことがあった
抱かれている幼い僕の
進化さえ 掌の上だった
人は 追い求め
遠い真実を
人は 探し求め
自分のありかを
手を伸ばし
一歩を ....
わかったことは
たくさんあるけれど
わからないことのほうが
わかったことよりも
ずっとずっとたくさんある
わかったことは
たくさんあるけれど
できないことのほうが
わかったことより ....
ちょっとだけなんて
そんな大それた嘘は言わないから
このままずっと寝かせておいて
気休めや脅かしの言葉なんて
幾つも通り過ぎていったから
今更 届くなんてことはないでしょう
掴まれ ....
廃墟から走りはじめたふたりならねじれの位置をねじまげられる
竹馬を猟銃のように構えれば夕陽がはじけてふたりは紅く
「て、てて、手をつなごう」って言ったら僕の手を両方つかんだきみが大好き
....
きみはかわいい
けれど僕はきみの眉間を憎む
特にその皺のできた眉間を憎む
だからきみと一緒にいて
きみが眉間に皺を寄せると
いつもそいつをぐいぐいっと
指で伸ばして消してや ....
朝焼け前の海に小船を浮かべ
冷たい海水から網を揚げる
その人の背中は何も語らず
先代の想いを受け継ぐ船
傷痕が静かに海面を滑り
明日に繋ぐ
夜が明ければ港に帰ってくる
今日も無事 ....
■ 置き忘れた5つの願い
01.過ぎた日の幸い
あの頃、あたりまえだった会話
なんてことない仕種、見せた表情
日向ぼっこしてるみたいな、
....
茜の風に肩を撫でられ
少し頬染め
薄紅色に髪が笑う
少女の儚い夢のように
秋桜揺れては
深い空に落ちてゆく
花びらが落ちた空には
ほんのり波紋のうろこ雲
今日が ....
破れ、はためく帆と罪の波間にとぶ 潮しぶき
低い空の大理石にも似た模様が 狂い、ちぎれ
セイレーンの叫びに群がるのは、
姿なき乳濁色の「ざわめき。
水の泡立ちに「美しく覗く 翠の岩礁
神 ....
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