朝おきあがる度に
号令を
強制した
おれそうな体を
黒いブルゾンで
拘束した
かわいいなどと
言われるだけで
この心がまっすぐにこぼれ落ちて行くのです。


生温い視線さえ
敵 ....
 ちょっとでいいよね
 ちょっと優しくしてもらえるだけで
 それでいいよね
 多くを求めちゃ欲求不満
 幸せからは遠いよね
 
 ちょっとでいいよね
 ちょっと願いが叶うだけで
 それ ....
白鳥の声で
目覚めたような気がした 

明け方の空は蒼の階層を成して 
東の彼方の地平線のすぐそこまで 
太陽が迫ることを告げる

昨夜のうちに雪はうっすらと降り敷かれ 
まだ誰に ....
お前はそっちへ行きたいか
お前はこっちへ行きたいか
俺はまっすぐ歩いてく
また逢う日まで歩いてく

そっちへ行ったあいつは
たくさんの悲しみを見た
けれど
悲しいことを  ....
今まで仲良かった子が友人ではなくなった
それは怒りよりも悲しみが先に来るでしょう

何故?という疑問を解決するために答えを求めるでしょう
でもたいがいの人は答えてくれずに去っていく
 ....
川の中を
無心に歩いている
歩きながら
水を感じて
冷たいと思う
ばかじゃんと言う声がして
バケツの水を掛けられた
全身濡れ鼠になったので
見損なったらしい
猫の攻撃を免れる

 ....
冬の砂浜で拾った貝殻は
すこしだけ無機質な感じがした

太陽の角度が変わっただけなのにね

心は同じようにここにあるのにね

海岸線をどこまでも歩いて



歓声とパラソルと波の ....
 
 
 
 
その人はヒビコレ
彼に別れを告げられることのほうが
彼が死んでしまうことよりも
つらいといった

渋谷のヒビコレ
町でいちばんの
愛することばが流れてしまって
 ....
 薄闇のなかで煙っているのは
 発光するわたしの、産毛にかかる氷雨
 ヒールを脱ぎ捨て、アスファルトに踏み出す素足は
 ぴしゃり、ぴしゃり
 水溜りに滲んだネオンを攪拌する
 ぐっしょりと水 ....
いつもそこにあった
それが当たり前だった
大切だって知っているのに
大切にしなきゃなんて
少しも考えなかった
いつも思わなかった

昨日まで何て事なかった
どうして気が付かなかったんだ ....
君を初めて見つけた時僕の鼓動がときめいたよ

君と初めて出会った場所いつまででも忘れないよ

あの日2人で夜の街を歩いてた時に

君は僕の手を握って微笑みながらキスをしたよ
 ....
  憎しみの中に愛があると
  都合のいい性格占いのような
  内在する、という{ルビ幻想法=パラダイム}で
  あなたの半身を
  私は求めてしまった

こうして高原に陣取り
遠めがね ....
僕らはオペラ歌手
歌で心を伝えるんだ

♪君が好き
 僕の恋人になってよ
 世界で一番
 ステキな家に住まわせてあげるよ

♪おあいにく様
 私はお金持ちよ
 立派な家だって
  ....
{引用=


一、ハッピー・バースデー

たとえば今日が
誰かの命日かも知れなくても
生まれたあなたに
おめでとう

そうして
またひとつ
わたしは欠ける


たとえば今 ....
ミサイルが発射される音が聞こえる
母が
台所で家計簿をつけているのである

インキは戦車のキャタピラのように
勇ましく前線を進み
赤い数字が攻撃目標みたいに
点々と書き込まれてゆく
エ ....
銀を光らせて
少年は輪をなげいれた
輪は的中した
{ルビ傍=かたわ}らに立つ年上の少年は
おだやかな黒い{ルビ眸=め}は
輪をとびこえて
はるかな向こうをみていた
そして
今初めて遇っ ....
朝焼けに響く波紋

今日の産声を僕ら確かに聞く

閉ざしてた瞼開いて

陽光に染まる街を見る

熱を取り戻した空気が胎動のように震え

その瞬間を待っていた


今日の産声を ....
その濡れた髪が
乾くまでの
わずかな時間

滴る雫を
眺めながら

あなたへ紡ぐ

奇跡を祈る



あぁきっと


今日も明日も


昨日と同じように


 ....
一。



あたし捨てられた。
だから流れてる。

この汚れた水の中を、
彼らと流れてる。
髪や肌には、
彼らがこべりつき、
凄まじい悪臭を放ってる。
 ....
あなたと繋がるその一瞬に
何故だろう無性に不安になる
このしあわせが明日もありますように
と、祈りながら声をあげる

ゴーアウェイ付きまとう影よ
愛することに怯えたくない
すべて預け ....
夜行列車「能登号」車内 
すでに電気が消えた
午前二時十五分 

数えるほどの乗客は
皆 {ルビ頭=こうべ}を垂らし
それぞれの夢を見ている 

一人旅に出た僕は眠れずに 
開い ....
初めてこの道を通ったとき
小さな花が咲いていることに
気がつかなかった

初めてこの道を通ったとき
向こうから歩いてくる人が
君だったことに
気がつかなかった

初めてこの道を通った ....
幻の昨日
消えた時間、過ぎた過去
日はまた昇り沈んでいく

進む時、今を生きる自分
太古の自分に合うためアルバムを見る

幼かった

あれから何日たったんだろう  ....
暗闇に言及したって、いつだって答えはない。

強く息を吸ったら僅かに死臭、が

ねぇ、君。

愛していたよ。

すごくすごく。

愛していたよ。

ふわふわの頭持ちながら
死 ....
僕らはまた時を数へて

夢を抱いてくただそれだけしかないよ

気が付けばそこに合ったはずの

歌が見あたらない

モノクロのサイレント映画に

入り込むように見つめている ....
ごろごろ
太鼓が鳴るよ
ごろごろ
猫が鳴るよ
のどが

渇くよ
水が
乾くよ
洗濯物が
ひらひら
飛んでゆくよ
蝶々が
空高く
飛行機が
雲の ....
 ハルマゲドンこねーかなー。
 37歳の先輩はそういう。
 こないでしょうねえー。
 僕は答える。

 俺を殺してくれよ。
 37歳の先輩はそういう。
 僕は捕まりたくないから嫌ですよ。 ....
  同じ一つのものを                   
  別々の名前で呼んだ咎によって           
  罪なき多くの血が贖罪の地に流され        
  同じ一つの光によって ....
雨上がりの少しだけ雲のある空に
小鳥が二羽飛んで行きました
近くの電線にすいっと止まると
あっという間にまた、すいっと飛んで
ぴぴ、ちちぴ と鳴きました
空は青くとても澄み渡っています
私 ....
まどろみの中で
薄れてゆく意識と
わずかに残る自覚とが
交差する

微かな論理が
無我と溶け合い
何かが生まれ
何かが消えてゆく

夢と現が
メビウスの輪のように結ばれ
頭の中 ....
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