灯台みたいに光る目と
夜空を照らす回る首
両手は常に塞がっています
だって、なにが起こるかわからないでしょ
いつだって捨てられないもので手が一杯なの
{引用=お馬鹿さん
どんなに利 ....
うそには わざとだまされて
だまされる自分を楽しんで
むなしくないのと訊かれれば
わたしは機嫌よく答えられます
日頃 自身を欺いていますので
時には他人にだまされたくて
そう ....
{引用=前書き:
毎日暑い日が続きます。いよいよ本格的なお手入れの季節を迎えましたが、必要な方も無用な方も、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
ご好評をいただきました 春の総力特集・「朦朧を考え ....
私はここにいますよ
と、教えてください
私はここにいますよ
と
ふたりになかった夏の陽の
少しの
眩しさに消えぬよう
ふたりになかった夏の夜の
ふるえる
澱水に溶けぬよう
....
毎朝、まるで無知な太陽が昇って
毎夜、全て悟りきった月が死んでいくように
僕の本当のこと
君は何も知らないままだった
夢の中でもなんとなく気付いた
これは嘘だ
気付けばきっと
あの狭 ....
煩わしい程に儚すぎて
熱を帯びた
ひと夏の境界を越える
ひと握りの世界と
断片と化した意識の中の
朦朧とする扇風機の陰で
雷雲が産まれた
日の暮れた、少し後
光 ....
猿ぐつわを噛まされた
裸の青白い男が椅子に坐っているので
私はどういうわけか
ふるさとを思い出さずには
いられない
椅子の背に両手を縛りつけられ
陶器のようにつるりとした太ももに
一 ....
いつも息継ぎを意識をして
まったく君は注意深いな
それを芸術なぞとほざいてみる
嘯いてみる
息巻いて蟹のように
音を荒げる横顔を流し見、
「ラフロイグ下さい」
....
だいすきなシフォンケーキ
だいすきだから2つ買った
いままでは1人で2つ食べてたシフォンケーキ
2人だから、分けあって食べるの
あなたがくれた、ケーキよりあまい喜び
シフ ....
大きな空の真ん中に
言葉にならない穴があって
その奥の色は群青色で
いろいろなランプが
つり下がってる。
いつでも自分は一人なのですが、
このごろますます一人なので、
言葉に ....
ここに戻ってきた
狭いけど おちつく
あたしのキッチン
安い焼酎の炭酸割りの
グラスをもって
シンクの扉によりかかり
へたり込む
このひんやりとした感じ
ほどよいスペー ....
黒いベールを外す瞬間を
思い浮かべて
銀の食器を並べている
今宵は月夜
一夜の逢瀬
誰よりも会いたいって
自由に伝えられない
私を可愛がって
空に浮かぶ
闇夜を切り取って ....
出してない書類が
陽炎にまじって消えてく夢
現実
泣きたい自分のためのプレイリスト
安物のイヤフォンが眠りの邪魔をする
つけたり 消したり 冷房
携帯電話
....
ゆがんだ
細長い背もたれのいすに座って
ぼくたちは半日を
大きな絵のように過ごした
首筋を汗が
降りていく牧場で
太陽が庇の縁をなぞって
ゆっくりと半円を描き
ぼくたちは昏い絵 ....
季節風を操作して
思い出を計測するための
単位を探している
藍色の総譜には
奏でられない音符
アレグロの雲の行進
秋の実りにむけて
受け取りきれない
痛みと喜びを
....
静かの海
ここはどこまでも静寂な 砂がさらさらと、
乾いた想いを落としていく
初めて出会った日を思い出しては
ナトリウムの大気に
耳をすませる
小さな部屋で聞いた
パステルの紙を走る ....
横断幕を掲げて狐の団体が行進する
サクラマの山を下って
ミソグスの河を越えて
ブヒタナの街で尻尾を振って立ち上がる
嘖嘖 即即 黙黙
僕はヨシコと昼食の約束があるので
空に向 ....
もう絵はやめた
そう言っていたあなたが
鉛筆を一本買ってきた
照れ笑いを浮かべながら
これだけで描けるものを
それが今の気分なんだと
紙を忘れてしまったと
やっぱりち ....
父がテレビを見ていて
「昔は良かった」とつぶやく
おそらく白黒テレビの時代だろう
私もテレビを見ていて
「昔は良かった」とつぶやく
だけどそれはカラーテレビの時代
父は「いしだあゆ ....
{引用=(自動筆記の試みとして)}
薄っぺらい靴底を通してアスファルトが足裏を焼く。
体温と等しい大気の中、人は噴き出す体液で白い布帛を半透明にして抗えもせず、
仕事に炙られ夏にじっと茹でられる ....
みえるもの
触れるもの
ゆれるもの
遺された体温が、シーツの
皺にまぎれ
薄くひかっていた
指で掬って、軽く混ぜて
水の匂いのような
ものと遊びながら
何 ....
まっさおにしろいくも
絵に描いた様な夏の朝だ
裏の戸を開けつつ
ひたすら上を見るのだけど だめだ
いつもの場所にいつもの死体
蟻に狩られて頭から胴体の途中まで
ミイラ化した子蛇が
巣穴に ....
※アメリカのライト・ヴァースの経緯については「ライト・ヴァース雑感2」をお読みください。→https://po-m.com/forum/showdoc.php?did=215625
こちら、 ....
角砂糖ひとつ分のダリで歪んだ
そんな私の記憶の個室
父が一杯の水を差し出す
母が一輪の花を差す
それがかつての始まり
最後に望む光景
角砂糖ふたつ分のダリで歪んだ
そんな私の記憶の個 ....
眠らないバスにのった
眠れないぼくは
あの野性化した雲といっしょに
あかるい夏の海辺をどこへむかっていたのだろう
写真でみただけの
マリアナ諸島の鮮やかなブル ....
手拭を汗ふきとらむと思いてや万葉の歌涙をぬぐう
蕎麦食めば妻の与えし千円の中よりいでしそのそばの金
物乞いをなすと思わじ今朝の妻の与えし何がしかの金
芸術によって何をなさんやただ表面 ....
あれだけ涙を流したのに
今日もまた溢れ出す涙
小さい頃の思い出はアルバムの中
大きくなってからの思い出は心の中に
貴女の寝顔を見て
ひと時の安らぎを感じる
別れの準備をする為に ....
何も考えずに済む 静かな日々が待っている
それが望んでいたこと 筈だった
月明かりの下を歩く 潮騒が流れ込む
満たされた音を抱え 胸の奥に滴る情動を
なぞ ....
お晩でがんす
むじな似のおんな魚選る夜五つ
閉店後精肉売り場よぎる牛頭
三叉路で人待ち顔の地縛霊
お嬢さん背中に手形ついてます
タクシーが女客拾わぬ上り坂
ウシガエル田んぼあぜみち ....
古本をさがしに
町に出たのですが
足をひねって
歩くのがつらく
花屋の前に
すわりこんでしまい
どこからか来た
蜂の羽音に
彼の目的が
花だと思いながら
か ....
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