舞い散る花びら地に堕ちて
黒く消え行く定めなれば
次世もまた闇から闇…
あなたがいなければ
あやまらないでくださいな
わたしに光をくれた人
....
ユニゾン、鳴弦
オベリスクに
隠された真実は
薔薇に片足を
捕らわれたオペレッタ
稀にみる
日常言語学派の横顔に
切なさを
放り ....
目覚めのひと呼吸が
かなしかった日は
ふい、と
砂漠に連れて行かれるようだ
そこは盛り上がった砂地/育ちかけたトマト/の/墓標が整列/黄色い花が手向けられている/生ぬるい南風が/背中/ ....
プラスチック
展示ケースの中の身体
柔らかに保存された眼球に
尊いという意味の
生きる日が見えるようで
僕らはただ
神様を思い出した
しなやかに
細胞は明日へと ....
平穏な毎日の中で思い出す
都合のいいきみは
なんだかアニメのようにチカチカして
曲がり角で衝突するために 疾走してみるのだが
ぶつかるのは壁ばかり
たかがメインカメラをやられただけだと強がり ....
ひっそりと沼地のほとりにしっとりと
薄青色の忘れ物
Vergiss−mein−nicht!
人知れず咲く一輪に
ふっつり切れた魂一つ
Vergiss−mein−nicht!
....
例えば
すぱあっと気持ちよく切れる
流線型のペーパーナイフ
例えば
小さな蜜蜂の脚についた花粉
のこぼれる音
例えば
南の島のからりとした朝の白いテーブルクロスと
熱々のコーヒ ....
090514
良くない
欲が無いから
良くならない
良くない
良くない烏が
良くない男を囓る
囓るのは狸の癖
良くない狸が良くない烏を囓る
....
ちょっとだけ、わかったかもしれない。
「頑張れ」「頑張ってね」と言われると苦しい。
認めてもらえてない気がして。エゴだよなあって思うけど。
「一緒にがんばろう」
言われて軽くなった ....
扇風機を起こしたら
「もうそんな時期なの?
早くない?」
と言われた
きっと、これから
毎年、一日ずつ
早まるでしょう
そのうちいつか
一年中
働いてもらわなければ ....
好きなことをやりなさい
幼いころから言い続けてきた当人は
ちょうど十時間前にツングースカへ
それから五時間
やっぱり心配だからと
いつものように母は後を追いかけて
十分ほど前には
ち ....
生きてるあいだ
出来るだけわらって
思って 泣いて 知りたい
あとどれくらい?
どれくらい?
飛行機雲にぶらさがって
世界を全部見下ろしたら
じぶんの知らない ....
私は二つの中国の面を持っている。
父の形見、とても大切なものだ。
陰は白、陽は黒。
こうして手にしていると不思議な力、大きな力を感じる。
深い謂れを父から何度も教わったのだが…、
白面をチナ ....
著者は第16回詩と思想新人賞を受賞した橋爪さち子氏である。
すでに二冊の詩集を出されていて、もうベテランの域に入っていると言ってもいい詩人が新人賞を受賞したのは、
そこに新鮮な感動と発見があるか ....
寄せる波に向かって
心の潮「A/アー/(ラ)」の音を放つ
わたしと海はパラレル
返す波からは原始の抑揚
「G/ゲ-/(ソ)」の音がかえってくる
海は ....
「明日の予定は?」
という
金曜日の夜の口癖は
もしかしたら
生涯無くならないかもしれない
あなたがわたしより
先に死なないかぎり
専業主婦だって
毎日遊んでいるように見えて
....
連休後の朝、
ちょっとお疲れ気味。
そんな時に限ってゴミの日で、
分別作業に気が遠くなった。
目玉焼きが半熟にならなかった時は、
朝食作りを放棄したくなった。
いつもできていた ....
イトしくて
カナしくて
仕方ないから
わたしは「夢」を視る
捉えどころのない
その想いを
苦い香の紅茶で飲み干して
白と黒の兎を
透明な「夢」
染まらない世界で追う
....
夏の縁側に腰かけて
入道雲が真っ青な空に湧き上がるのを
見ている
背後の部屋は暗くて
ひんやりとしていて
もらい物の生菓子を食べようと
手を伸ばした瞬間
チリリ
(一陣 ....
5時間目、書道
君の隣で「愛」を書く
君も隣で「愛」を書く
愛を込めて書きなさい、と先生
ハネ、トメ、ハライ
ハネ、トメ、ハライ
君が愛を込めた、右手の筆先
その ....
軽い足取り
幼い照り返し
蹴飛ばしながら
進む
シャツの袖まくり
緑のさざなみ
産毛を立てながら
泳ぐ
弾む呼吸
迷走神経の舗道
気取りながら
急ぐ
....
「おはよう」という一言で
心が軽くなる
この人はいい人と
信頼できる人と分かる
人の話しに
耳を傾け
気持ちを受け止める
何でも話せる
人を知る喜び
対等な関係
人が好き
....
青空にレリーフ
少女は命を受け継ぎ
誰かをしあわせにする
風はつばさを授け
太陽は希望を授け
僕は王冠を授けよう
昼と夜とが
逆転する頃には
自ずから輝けますように
....
さいきん身体がやわらかくなったので
じめんにも両手がつきます
ふくらはぎの辺りを覗きこむように
ダイブする寸前の
ポーズ
*
夏に向けて
競りあうように
伸びてゆく
ふぞ ....
生産性をアップさせるために
無駄をとれとかいうけれど
それはたぶん素晴らしいことだと思うけれど
承服しかねるじぶんもいたんだ
無駄なんてない、って
月あかりが万物にしみていました
....
普通に分かると思っていた
この没落された国家が
何の機能もしていない
パンドラの箱だということを
沸点をこしてもまだ沸騰しない
涙のアパートは
決して崩れるといった選択 ....
青空
もういいかい
まあだだよ
雲さん かくれんぼ
鬼さん こちら
とう かぞえるよ
お日さま ひとりぼっち
あか鬼さん
夕がた 来たら
たき火もするよ
....
禍々しく106ミリ無反動砲を六門装備した
巨大な蟹のようなM50オントスの装軌式車両が一台、
まったく人気のない夜の街を過ぎて
ビルに潜んだ甘い夢を殺しに、兵士たちは散った
すべての忌わし ....
北半球の地上の大多数がセンチメンタルにぬかるみ泥に足をとられながら
もうなにも考えてない白目の部分に霧をあびながら歩く
誰かを殴りながら笑う子供たちや大人たちが事実的に母親をレイプしたり父親を殺し ....
朝、目が覚めたら
右の手のひらがチクンとした
キップだった
日付はちょうど1年前の今日
行き先は書いていなかった
チクン
今度は胸が痛かった
その日付を忘れるはずがない
忘れら ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443 444 445 446 447 448 449 450 451 452 453 454 455 456 457 458 459 460 461 462 463 464 465 466 467 468 469 470 471 472 473 474 475 476 477 478 479 480 481 482 483 484 485 486 487 488 489 490 491 492 493 494 495 496 497 498 499 500 501 502 503 504 505 506 507 508 509 510 511 512 513 514 515 516 517 518 519 520 521 522 523 524 525 526 527 528 529 530 531 532 533 534 535 536 537 538 539 540 541 542 543 544 545 546 547 548 549 550 551 552 553 554 555 556 557 558 559 560 561 562 563 564 565 566 567 568 569 570 571 572 573 574 575 576 577 578 579 580 581 582 583 584 585 586 587 588 589 590 591 592 593 594 595 596