私は今まで
気まぐれな風に吹かれるたびに
力なく道に倒れていた
だが、夢を追うということは
眼前に漂う暗雲を
光の剣で貫いて ....
テーブルの上に載ったコーヒー
昨日買ったレーズンパン
いつもと同じ朝ごはん
だけどいつも寝ぼけたくしゃくしゃ頭のキミがいない。
いつもボクより少し遅れて起きてきて
寝ぼけた顔でゴハン ....
窓辺に顔を近づけると暖くてね
まだ幼くも確かな春を感じたよ
色にしたらベビーピンクだろう
匂いでいったらプチサンボンかな
色も匂いも甘くてちょっと切なくなったよ
きっと記憶のどこかに
....
ポチャンと天井から
水滴が落ちてきた
湯気が拡がった
お湯の入った水槽の中で
ぼくは体育座りして
悲鳴のようなため息を
一つ吐いた
横に置いていた砂時計がゆっ ....
よく晴れた日の午後
逃げ場の無い闘いに疲れた僕は
ベッドに寝転がり
重い日常に汚れた翼を休めていた
ラジオのスイッチを入れると
君の{ルビ唄声=うたごえ}が流れていた
窓の外に ....
あかねさす紫野ゆき標野ゆき
そんな旅を胸に描いた{ルビ妾=わたし}は
愚かだったのでございましょうか
野守などはおりませんでしたのに
せめて手をお振りになってくださったら
それだけでも嬉しう ....
バスタブいっぱい満たされたお湯に
ここちよくぬくもって
からだをのばして
ねむってもいいんだ
鮮烈さがほしいなら
シャワーを浴びたらいい
冷たい水が
ゆるんだ頬をきっとひきしめる
....
Tully's Coffeeで
買ったばかりの本を読んでいたら
「恋愛」は
12世紀ごろの騎士道精神から
「誕生」したものだって
書いてあったので
椅子から転げ落ちました
なんて ....
悲しみにくれるとき
いつも夕焼けを見つめていた
悲しくて涙が止まらないとき
いつも月が輝いていた
夕焼けの向こう側や
輝く月の世界に行きたくて
行けない自分がまた
やりきれなくて
....
雪の上で 軽い
ステップジャンプ
口元は
叫んでいる
Jisus!と・・・
誰よりも 誰よりも だれよりもはやく
命を捨てよう
ひとのからだ
我先に 我先に われさ ....
奪われていくだけで
体の細い先っぽから熱
低い空に流れていく
雲に穿たれた青空
なくなってから知るのだと
ひとは言うけれど
得てすらいないのだ
失う事すらできないのだ
小舟 ....
さくり 足音ひとつ
さくりさくり 足音ふたつ
さくりさくりさくり 足音続いて
さくりさくりさくりさくり 白い雪原に足跡よっつ
ふわり 真綿が降ってきて
ふわりふわり 掌の上 ....
関わることの無いはずの 現実に 遭遇してしまった。
屈辱的な 言葉が心にぐさりと突き刺さる。
言いようの無い 悔しさがあったが 係わり合うのは たくさん。
私以外の 全ての人が とて ....
太郎君があっと喚いて
花子さんはいっと呻いた
同じ本を読んでいたのにね
次郎さんは右に行きたかった
正子さんは後ろに走りたかった
ただ、エビが高かっただけだった
三郎さ ....
波打つみどり、
敵味方の風、
追われていく
ひとつの鍵盤に向かって
端から指が流れてくる。
とたんに、
空に生まれた
子供にかえる
見つけたカタバミは、
探していたものと ....
今、あなたに
隣にいてほしい
寒くて
さみしくって
自分を保てないよ
{引用=
暗い空
暗い部屋
息が詰まりそう
}
何を言っても言い訳にしかならないけれど
もう ....
手をのばせば
やわらかい陽射しに
触れるよな
小川のせせらぎ
口笛さそう
‥足下にも
小指の先ほどの
ちいさなちいさな
あおい春
なんのへんてつもない朝
とても特別な朝
まどむ夢の中から這い出て
また新しい朝に出会った
鮮やかで光りに満ちた朝
そして罪のない朝は
僕をあっさり ....
これは事故
あれは事故です
あたらしいニュースが
たおした液体みたいに
体をつたって地面へと
たいらにひろがっていく
戦争は反対です
これは平和
いけない事ばかり考える
マク ....
ちびたいろえんぴつのしんを
なめながら
おえかきをするこどもがいた
あたらしいいろえんぴつ
かってあげると
ぶんぼうぐやへさそっても
ぎゅっとそのこは
えんぴつをにぎりしめたまま ....
名前のあるものを信じない
だからまず、二人
名前を捨てた
形のあるものを信じない
美しさだけを模倣する
{ルビ仄=ほの}かな{ルビ星行灯=プラネタリウム}をとざして
境界をつく ....
背なか 背なか
もたれかかった珪藻土の壁には
真昼の温みが宿り
後ろから
春の衣をふうわり掛ける
あし
足もと
埃だらけのズックの下で
蒲公英は蹲り
カタバミが少し緑を思 ....
君はもう見えなくなってしまった
昨日までいつでも手の届く距離にいたのに
なんでかな
今では君はどこか
遠く遠くに行ってしまっているように
感じ取ってしまう
今聞こえ ....
ねえさみしいの
今すぐにこのさみしさをなんとかしてほしいの
あなただけがあたしのさみしさを取り除いてくれる
たったひとりの人なの
僕は君のさみしさを今すぐにでも失くしてあげたい
だから君 ....
1
・
閉ざされた
扉の中にふたりきり
彼女もしらない
わたしだけのきみ
2
・
きみの為
何もできないわが身ゆえ
泡となれる
人魚を羨む
....
切り絵(題材)
「少女」
ただ真っ白い紙でした 私たち
切り絵師は 無を有にする
柄に美しい細工を施した
銀色の先端鋭いハサミで
すんなりと手足の伸びた
可 ....
海辺で 少年と 会った
少し 会話をした 少年は はにかんだ
笑顔を 浮かべた
遠く かすんだ あの 向こうには・・・
いかずちが 見えるんだよ
少年は すぐに 顔を 曇らせた
嫌 ....
ぼくの肩に乗るピパは
足が一本かけている
だが ときおり
大声で泣くほかは
そこ等の蛙と大差は無い
ただ 知り合いの目利きによれば
それは伝説の金蟾(きんせん)なのだと
だから大事に ....
白日の世界に跪くわたしに
昏々と降り注ぐ言の葉は
もう
何も見なくてすむようにと
眩く光る
泣きたくはない
あの人の笑顔を焼き付けるため
でも
言の葉も 涙も
それを許してはく ....
ふと気が付き
腕時計を見ると
もう5時
公園で無邪気に遊んでいた子供たちは
母親に手を引かれ
友達とバイバイをして
自分の家へとかえっていった
ぼくにも昔は帰 ....
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