私という形がなくなってゆく
壊れた時計の螺子は緩んだまま
閉じた瞼に踊る蒼白の輪に
何かを託そうと指を動かすけれど
心はいつもの空へと還ろうとする
私を破り捨てて昇る世界は
思うより華 ....
知らないくせに
知ったふりして
大きな顔して
世界は回る
回る地球は
ひだり巻き
ねじ回しを
押っぴしょる
軍事内閣
戦線不足
木霊誰何が
甘くなり
売れなくなった
終戦 ....
ふらふらと酔っ払いの千鳥足
さみしがり屋のピエロは口笛吹いて
今宵も月夜の道を歩いています
膝を落とし 手を差しのべ 愛を乞う
寒がりな裸の心を胸に{ルビ潜=ひそ}めて
夜空 ....
曇った窓の水滴
悲しそうだから
笑って欲しくて
指でなぞってみた
表面張力の君の笑顔は
もうこれ以上
笑っているのが
つらそうで
張り詰めた思いが
寄り集まって
耐えられず ....
今、生きている人間が必ず1度は経験する事柄があります。
全員、おしなべて、例外なく、絶対に、です。
それは、
この世に生まれる事と死ぬ事です。
人は誰でも、必ず親から生まれたから生きて ....
その男は言った『ケーキが食べたい』と
「食べればいいじゃない」言いかけて、止めた
きっと、食べられない事情があるから
その男はとてもケーキが好きだった
朝食はいちごのショートケーキ2つ
....
彼がまた
子育てを再開するという
一度は手離したのに
赤ん坊の
おじいちゃんとおばあちゃんの元から
今夜連れ帰って来たのだという
仕事を増やしたのだそうだ
「大変だよ」と ....
羽の群れがもつれあう向こうに
月が居る
羽の飛沫は風を飾り
陸ははばたき 海を撲つ
夜の冷たさ
夜の明るさ
言葉を忘れ
詩人は歩く
盗まれた星座の道をゆく
....
両刃の上では
留まれない
赤い靴は血の色で
ガラスの靴は涙色
愛している
愛していない
両刃の上では
留まれない
赤い靴は血の色で
ガラスの靴は涙色
愛している
愛し ....
とても疲れて
寂しい帰り道
歩きながら
車の中から
電車の窓から
わたしは夜空を見上げる
お月さまはいつも
わたしを追いかけて来る
どこまでも
どこまでも
逃げたくとも
逃げられ ....
あたたかい雨の季節にこがれて
梅の実は ほそ枝に寄り添い
みどりいろの葉陰を肌にうつして
いっそう深い みどりに染まりながら
かぜに ゆれていた
「あたたかい雨は いつになるだろね」
....
八月二十七日 午前二時
病室の小さなベッドの上
真っ白なシーツをかぶって
はしゃいでいました
夏が
終わるのを知って
少し ....
暑さ 流れる空間
自転車に乗った二つの目、通り過ぎるガラスの扉を見つける。
君は靴を履き、靴は君を支える。
バイクに乗った無数の汗、道路を挟む水田を通る。
路を進 ....
ぬるい雨に圧され紫陽花の青い首が舗道へ垂れています
私は待っています
触れてくれるでしょう、荒れたアスファルトの
えぐれたままの古傷に溜まる暗い水に、柔らかく
あまりに ....
あなたは、荒れ狂った、広大な砂地に足を埋めて、飛ばされないように、大時化で、ドロドロとした朝の、ドロドロとした波に打たれて、気絶する、泥土の景色のようだと、あなたは言うから、ねえ、あなたは帰 ....
僕は速読かつ多読家だ。
故に、短編と詩を好む。
いや、好まざるを得ない。
朝と夜の電車に揺られる1時間強を駆使した所で、ドストエフスキーを消化することは難しいからだ。
愛書の筆頭に上がるの ....
恋人は、詩を書く人と走る人
ふたりはお互いを知らない
わたしは詩を書く人と暮らしている
わたしは詩を書く人のために食事をつくる
詩を書く人はとてもきれいに日々を食べているので
....
ゲリラ兵に捕らえられた僕は
若きリーダーの男に
カラシニコフ銃を渡され
「お前の最も憎い者を打て」と
命ぜられ
超高層ビルの展望台に昇り
望遠鏡にコインを投じ
小さな人達を鳥瞰
タ ....
白から白へと響きわたり
限りあるかたちに届くのは
ほんのわずかしか続かない
どこにでもある小さな高まり
次々とほどける空気の結び目
とめどなくひろがるひろがりの
三つの遠い華や ....
君が言わせたがる言葉を
どうしても言えず
唇をかむ
うながされ
催促されて
思わず口からこぼれそうになる言葉を
唇の裏側で
なんとか押し留める感触
口腔器官が発熱している
....
君が握ると
同じ力で握り返してくるものがある
君はその力をさざ波に変え
身体の最果てまでゆっくり送り届けることで
自分の輪郭を形作っていく
君が握っているのは
君自身に他ならない
....
平坦な場所
何も いない
みていた空
置いてきぼり
かかわる 擦り傷
ぺろりと なめ
居場所は
歩いたっきり
ひきさく 日常の中
道なりの 花 乞い
....
30カラットで蜜蜂が鳴いている
空中に棘が咲いている
棘に切り裂かれ、花粉にまみれた大気は、
大気の色は?
棘に刺される
ある日、僕たちは棘に刺される
傷はぽっかり口を開け ....
貝殻を気取る私は
捕獲されるのを警戒する
辺りが静かになった頃
深い深い、おそらく他人には不快と思われる
夜の底にて
ようやく貝は口を開く
ポロポロと子守歌
誰にも与えら ....
誓いを立てた夜は 月へジャンプして兎と餅つきをする夢を見る
楽しい夜が過ぎて朝になると 重力はしっかりと手足を縛り付けて僕をこの星から逃がすまいと必死だった
明日なんてこないよ
それ ....
あの分かれ道
右へ流されてみることが
あの分かれ道
左へ巻かれてみることが
できずに
心のまま
選び進むほど
安息を諦めた者が
またひとり
雑踏に消えてゆ ....
月明かり程度の部屋で、
青白く浮かぶ お前の身体に隣接する。
しっとりした乳房に 導かれた手を添えると、
温かな弾力の内側から とくとく と、遠い波が返る。
数少ない安堵が、ここにはあって ....
窓ガラスがかたかたと鳴るのは
風のせいではない
カーテンが明るさに焦げているのは
西日のせいではない
窓に背を向けて本を読み続ける
誰かが肩に手を置く
焦げた風が髪をちぢらせる臭い ....
空へ
大好きです
空へ
雲間から差し込む光のすじの神々しさがたまりません
空へ
夕焼けの少し前
あなたは虹色に染まります
空へ
朝焼け時 ....
頭でわかるだけでなく
心でわかるだけでなく
経験を積み
迷ったり
覚悟を決めたり
骨身にしみたり
飽きたらず
性懲りもなく・・・
何かを求めたり
何かを一つ選ぶというのは
....
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