{引用=しん
と張りつめた空気の隙間から小さく 雪ふるる}

 氷点下の朝
 白樺の並木道
 枝の間から差し込むあたたかさ
 昨日の凍てつきなんて
 思い出すことなく
 鳥たちのさえず ....
 世界の片隅で生まれた風は
 猫柳の枝を揺らし
 水辺に群がる蝶の触手を掠め
 乾いた轍の上を砂塵を巻き上げながら
 叫びと響きを翼にのせて
 つむじとなって舞い上がる
 鋭いまでの切っ先 ....
税金泥棒になる位なら
大ドロボウになってやる
石川五右衛門、鼠小僧次郎吉、
怪盗ルパン、三億円強奪犯に並び称される
大ドロボウになってやる
まず、福島、和歌山、宮崎なんかの
県政の ....
 夕べのカレーを今朝また食べました。


 ああ。
 うまいなあ。
 ほんとうにうまいよ。
 一晩寝かしてよりまろやかに。
 お肉も野菜もトロリと甘く柔らかく。
 辛味も角が取れて ....
第二次世界大戦の帰り
コーヒーのお代わりと、兄によく似た笑顔に何故か敗北を予感した

銃剣によく似た冷たいものが
心臓の半分弱を撫でている

その日はいつものようにマーメイドによって、パン ....
今いる自分より
遥か遠くにいる自分を想うから
それが夢になる

夢はいつも
今の自分よりも良くて
だから
今の自分がつまらなく想えるけれど
そう想えるからこそ
夢である価値がある
 ....
 
新しい雪へ
眩い光が降りそそぐ
 
白い世界から
窓ガラス一枚の
暖かい部屋で僕は
UVなんてものを浴びずに
ニュースばかりを見ている
 
今日もたくさんの人が死んだ ....
 ひとひらの思い出のカケラ
 走馬灯のように右脳を走る
 凍えてぬくもり求めて歩いた我が青春
 過ちをするなとは言わないけど
 繰り返さないこと
 それこそ大事
 絶え間なく続く命の鼓動
 ....
哀しみを抱き締めるみたいにして
君はありったけの力で私を包む

私は熱に浮かされた
白痴みたいに言葉を紡ぐ

「愛してる」

生きるって哀しいね
でもとても素敵だね

なんで泪が ....
ぼくらはいつも
見ていたんだね
同じ窓から
午後の青空
透ける葉脈
震える小枝
それらにも似た、未来

ぼくらはいつも
感じていた
同じ風を、違う感受性で

教室にいる ....
前回に書いたことを、
簡潔にまとめてみます。


つまり、
みんな誰もがひとりひとり、
他の誰にもない才能や感性を、
持っているのです。

誰も、
 ....
おれの書くものには、
リズムのものが多いです。

リズムで斬り込んで、
ことばを繋げて連鎖させて、
ぽこぽこ弾けさせるのは、
「おれの独壇場だぁ!。」
そ ....
つらくて悲しむ日
苦しくて泣く日
たくさん たくさんある
だけどその分
うれしくて笑う日
楽しくて心弾む日が
きっと来るって信じてるんだ

あなたはどうですか?
少し 信じてみません ....
一本の意志で繋いだカイト

風を受けて泳ぐ

追う風も、向かう風も

すべて流して泳ぐ

抗わず泳ぐ


一本の意志で繋いだカイト

黒雲の下なお徃くならいずれ  ....
お父さんがくれた

真っ黒のカメラ

聞いたら

おじいちゃんからもらったんだって

おじいちゃんに聞いたら

おじいちゃんのお父さんからもらったんだって

ひいじいちゃんはもうボケちゃって

私のこ ....
夕暮れの風が優しいので
少しだけ手袋を外してみた
小さな枯葉が僕の手にのった

電車に乗ると人ごみが恐ろしく
そっと息を止めてみた
苦しくて苦しくて仕方が無かった

駅からの帰り道に雨 ....
珪石、打ち鳴らし、
火花が砕けた。
日々には
何も影響しないし
縫い付けない。
去年の冬に読んだ、
ある外資系投資家の
凡庸な装飾と比喩、
エチオピア・ハラーという珈琲が
おいしいく ....
 きっちりきっぱり引けている。
 ペッコリ腰が引けている。

 類人猿がさ。
 お前腰引けてんなあーっていうくらい。
 ガッチリ綺麗に引けている。

 メジャーリーガーがさ。
 こいつ ....
 このゆびを
 のぞんで降りたきみですか、


しずかな熱も
いそぎゆく風も
そのゆくすえは
つながってゆく気がして
荒れたくちびるを、恥じらう
ふゆです


やさしさ ....
普段は忘れていて、ふとしたはずみで思い出すことってありますね。

最近では、煙草でわっかが作れたよ、という記述で、祖父がそれをしてくれたことを思い出しました。それを見て以来、多分30年近く忘れて( ....
花はいつ咲くのか
花に聞いてみなければ
わからないけれど
心の花は
自分で咲かすものだから
自分に聞いてみれば
きっとわかるはず

星はいつ流れるのか
星に聞いて見なければ
わから ....
ユニコーン
あの人から私を守って
ユニコーン
心傷付く前に

その蒼い瞳で私をみつめて
おまえのやさしい胸に抱かれながら
永遠の夢を見るのよ
汚れ知らない{ルビ処女=おとめ}のまま
 ....
私は未だに足枷をはめられている



でもいつか自由に羽ばたける日が来ると信じて

地上から天を見上げる



天からの眩しい光

楽しむ事

生きること


 ....
寒さが好き
暖かい物が嬉しくなるから
寒さが好き
オシャレをし易くなるから

けど、そんなの口実なんだね
薄着をすればするほど
温かさが判る
厚着をすればするほど
人 ....
みかん畑の夢を
あなたもいつかきっと見るでしょう
深い緑に
橙色が星のようです
母なる木の枝に包まれて
静かに眠るみかんの実は
いつか生まれた場所を遠く離れ
めぐり逢った人に必ず ....
一粒一粒俺を消して

それを適応と名付ける

一粒一粒俺を消して

それを人間と名付ける

一粒一粒俺を消して

僕ら人の間で生きていく


それが世界だと軽くぼやいて

 ....
めずらしく静かな夜
疲れた体を横たえて
左手を眺める
夜の匂い
似ている指先

右手で包んで胸の上に乗せる
キリギリスの鳴き声
蛍光灯が切れかかっている

小川のせせらぎが聞こ ....
春からひとり
流れてきた
おまえ

こんこん冬と
墨染めの宵の川は
さぞ冷たかろう

月様には出逢うたか
さぞ澄ましていたろうに
あれは誰かを
好いている

一に ....
 若き頃
 道なき道を歩いたな
 誰からも相手されずに
 涙{ルビ眼=まなこ}で恨みっこ
 自分の未熟さ所以だね
 今だから分かる若き微熱
 こうしてる今も
 振り返る日がくれば
 ....
雨が降ると
紫陽花の咲くあの場所を思い出す
カタツムリは今日も
葉っぱに隠れて雨宿りをしているのかな

高校生の頃
雨が降った日には
よく二人で放課後の音楽室で時間をつぶした
君の奏で ....
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