亜光速で移動する阿藤快。

刀を振りかざし、
阿藤を追いかけるは、
阿刀田高。
その速度は、
もはや光速を超え、
時を遡り阿字本不生。

逃亡の果てに、 ....
この骸に湧き出でる
形無きもの

己の心に押しつぶされるならば
その重さはどこから来るというのか

わたしがあの人を想うとき
どこかで誰かの心から
何かが消えているのだろうか

わ ....
「お土産は、何がいい?」と
聞かれたものですから
私、何とはなしに
「らっきょう」と答えたの


お父様とお母様が夕食後に奏でる
小気味良い音が好きなのです
ぽり ぽり ぽりり
 ....
花曇りの空に舞う胡蝶の
その透きとおった翅を 
欲しいと思う 

やわらかく笑う 
ということを覚えたのは 
いつの頃だったろう 

新しいピンヒールが
足に馴染まなくて 
ア ....
公園に着いたがエリカはいなかった

大きなため息をついて腰を下ろした

ふと、自分は何故こんなにがっかりしているのかと

疑問に思った

エリカという名前を知っているだけであとは

 ....
ほど近い、
雨音の届く、
屋根裏部屋で、
眠りは紡がれる。












            了。
爛漫の春、日の光を一心に集めて
桜は夜に発光して花吹雪を降らす

花びらを拾い集めたその手
今は傘の花を咲かし
砕け散ったこころを
ジグゾーパズルのように
張り合わせる

欠 ....
舗装された道の
ペイントされた、とまれ

踏みつけられた骨の色の
見上げる季節の樹香
舞い散ってへばりつく
美しいという名の死骸
立ち上がれない
ペイントされた、とまれ

月が ....
のこされた風の中
四月がやって来る
この思いをのこしたままで
新しい輪に入らなければならない
記憶を背後の倉庫に閉じこめて
残酷な月が始まる
すべての匂いや音や色が
われわれを呼吸困難に ....
とろりとことこ船影が
岬を曲がって帰ってきます
時計はもう零時を回っています

恋人よ
よい人であろうとすることが
いかに厳しいか
僕はとりとめもなく考えています

この密やかな夜に ....
桜土手通りの
ほんとうの季節

夜、春香を写しとる水面に
ひとの本性があばかれる

だから秘密は
誰にも知られないように
今年もまた、

桜が咲く。

「誰が為に」などと

言うつもりはないが。

去年までがそうだったように、

来年もまた、咲くのだろう。

二度と見ることはかなわない

あの桜も咲いているのか。

こ ....
ターミナルに出ると
うす青い空が広がっている
通りは車で渋滞していて
そのまんなかでは 赤信号が
意味をさがしながら
点滅する
帰らなければ、と漠然とおもっていた
帰ろうとするその方角を ....
喧嘩の締めくくりはいつも
見えない一本の線だった

 あたしがこっちで
 のんちゃんはむこうね

そう言いながら
両腕を伸ばして陣地を分ける

 ぜったいはいらないでね
 ぜったい ....
スプーンの背で潰した苺から
紅が雲に届いて夕焼けになる


静まれ  しずまれ
桧扇を広げて
漆黒がそこまで来ている
上着の釦をもうひとつ閉めて
心して迎えよ

静電気をちりち ....
知恵を運ぶ美少年が
いつしか薬漬けの老青年と化し
やっぱりそうかと言われそうなことに
人生の階段を転げ落ち
崖っぷちです

誰か助けてください

神様が私をひょいっと盆の上に乗せ
へ ....
抜けるような蒼い空の向こうに

煌めく未来があると信じていた

薄紅色の蜃気楼のような架け橋

ピカピカの一年生といっしょに

駆け抜けていったのは希望の花

凍てつく寒さ ....
あの頃ぼくは若かった
世界を知っているかのように
ヒーローは間違いなく
ぼくの味方だった
太陽は
抱くべき
自然そのものだった
強く打ちよせる波を
いくつも
こえて
本当に大切なも ....
星の遠めがねを峠に据えて
のぞき見る未来への深淵
みんななぜか震えていたね

体温を奪ったのは
外套をはためかせて
丘を吹き昇る風ではなかったんだ

風のゆくえを仰ぎ見る先に
透明に ....
「原子力みたいな女だな。」

その人は言った。

「使い方を間違えたら被爆するな。」

その人は言った。

「あら、そう。」

私は言った。

その人と話す事といえ ....
半年振りで姉は嫁ぎ先の富山から 
5歳の{ルビ姪=めい}を連れて帰っていた 

家族{ルビ揃=そろ}って
僕の出版記念すき焼パーティーをするので 
今朝の出勤前母ちゃんに
「 今日は早めに ....
あなたは掃除用具入れの夢を見ましたか
階段の下にあって
窓が無い
私は車を押して砂浜の縁を進む夢を見ました
どちらにしろ救いはありません
ドアを閉めて
速やかにここから脱出せしめましょう
 ....
ねぇ、あなた
あたしが博士から手紙が来たのよって言ったら
誰からだと思う?

今だったら数学を愛しているあの博士からかしら
記憶が80分しか持たないあの博士
そう、あの博士

 ....
月も沈みかける頃
目を開いた私は
黒い電気糸に繋がれた
冷たい機械に手を伸ばす

春独特の憂鬱な症状と
一週間前からこびりついている
心の霧に悩まされ


また例の機械に手を伸ばす ....
墓標に刻んだ自分の名前に背を向けて
てのひらはいつまでもとどかないのです
生きることの意味を知らされないこぶしが
硬く握られたその先で照らして

夕日が水平線を越えて旅立つこの場所で
朝日 ....
時計を見たらもう12時をまわっていた

僕のバイトしているバーは

7時から3時までの夜間運営の

なんとも珍しい店だ

店内はテーブルが4っつとカウンターだけの

やや小さい店だ ....
濡れはじめた空が
歌をくりかえすのに
私はピアノを弾けないでいる
雲が沈み雨音が遠くなり
やがて射しこむだろう光に
伸びた髪をさらす
地上が反転する雫のなかで溺れる
鳥の影が風に波打つ
 ....
十代の詩友さんに
歌を教えて貰った 

その子が書いた夜の詩に
中島みゆきさんの 夜を往け を
聴くことをすすめたら
その子は バンプ・オブ・チキンの歌を
是非にと 教えてくれたのだ
 ....
君の口付けを
夢見た日々は過ぎ
思い描いた風景は巻き取られる

新しい大地が現れるわけでもなく
羽の生えた女が
降臨することも笑い話でしかない

捨てられた世においては
布切れに女 ....
生まれてこなければよかった
誰にも必要とされていないのに
どうして今も呼吸をしているんだろう
捨てられて路に転がって
冷たい風に煽られ舞い上がる
そんな小さな祈りさえも

このまま眠り続 ....
恋月 ぴのさんのおすすめリスト(17882)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
「_ああ嗚呼。_」- PULL.自由詩12*06-4-13
流体閃光- アマル・ ...自由詩506-4-13
薔薇と_らっきょう- 千月 話 ...自由詩24*06-4-12
花笑み- 落合朱美自由詩4106-4-12
僕と君と麦わら帽子と本___第五章- こめ自由詩306-4-12
「_雨眠。_」- PULL.自由詩11*06-4-12
*花散らし*- かおる自由詩10*06-4-12
踏みつけてふりあおぐ、春- たりぽん ...自由詩16*06-4-11
四月のいる場所- 岡部淳太 ...自由詩16+*06-4-11
完全に与える/もしくは奪う- けんご自由詩206-4-11
春の本性- たりぽん ...携帯写真+ ...11*06-4-11
桜の下で振り返ってはいけません。空をあおいで笑いなさい。- 逢坂桜携帯写真+ ...11*06-4-11
終着、そこからの- 望月 ゆ ...自由詩2206-4-11
思い出「じんち」- LEO自由詩8*06-4-11
苺宵- 銀猫自由詩14*06-4-10
へのへのもへじに食べられる- けんご自由詩306-4-9
*みらい*- かおる自由詩11*06-4-9
あの頃ぼくは若かった- ナオ自由詩6*06-4-9
夜空の微熱- たりぽん ...自由詩11*06-4-8
(友情+α)×午前2時÷明日=y- むらさき自由詩2*06-4-7
姉のまなざし_- 服部 剛自由詩18*06-4-7
refrain- 篠有里自由詩4*06-4-7
*博士からの手紙*- かおる自由詩5*06-4-7
携帯電話- Keico自由詩3*06-4-7
漕ぎ出す春、夕日へ- たりぽん ...自由詩14*06-4-7
僕と君と麦わら帽子と本___第四章- こめ自由詩5*06-4-6
予感- こしごえ自由詩25*06-4-6
楽しみ- 砂木自由詩6*06-4-6
君の名は- アマル・ ...自由詩706-4-6
いらない- AKiHiCo自由詩206-4-5

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