雨の中で星を見ていた<それ>が言った
君 君
全部嘘なんだ
エネルギー保存則も光速度不変の原理も
フェルマーの定理もチューリングマシンも
全部僕が考えた嘘だったんだよ
さいです ....
静寂の水面に一石を投ずれば
波紋がゆらり、影が波立つ
月もまた冷ややかな横顔を
一層歪めて泣き笑いする
この橋の名を面影橋と人は呼ぶ
月明かりの下で我が影を
水面に映せば見えるとい ....
恋は落下するものだ
突然上から落ちてくる
だからって
見上げてばかりじゃ首も疲れる
受け取れても
恋は落下するものだ
やがて手からぽんぽろりん
やがて目からぽんぽろりん
恋と一緒 ....
羽を捥がれた蝶は
飛べなくなって
身体を花の上に横たえ
蒼い空を眺めている
手を伸ばしても
もうあそこへは戻れない
さっきまで自慢の大きく美しい羽で
蒼に溶け込むように ....
どんどん沈んでいく太陽が
真っ赤に燃えていた
見とれていて僕は今日がもうすぐ終わると感じた
今日が終わり明日が来る
今日も何もしなかった僕にも明日が待っている
ほとんど空 ....
明かりが灯らない側道を
綱渡りしてきた午前1時の伏見港公園は
トラックの行き交う騒音と
今年初めて聞く虫の音に染まっていた
オレンジ色した街灯が
川の水面に反射して
誰一 ....
?.
旧市街のプラサに
仮設テントが建って
ワインの試飲祭が行われた
一週間続く
ぶるじょわなお祭りだ
入り口で
一ユーロでグラスを買って
あとは一杯一ユーロで ....
{引用=小鳥のあおいへ}
君の目の
レモンのかおりするかたちで青い輪にふちどられた高く清んでいる空
少女だった
君は、
妻になり
母になり
私の恋人でもあって
今日、{ ....
眠れない夜に
星はただ淡々とひかり続けている
僕は疲労の限界をこし
暗闇の中に僕の見ていた未来が
切ない音を立てながら崩壊していった
鏡を見るとコレが僕なのかと
絶 ....
少しづつ はぐれるようにして
息のつけるところまで
霧雨が 庇う様だ
陽射しが吠えていた
ハンドル握りながら
ひとすじの 血脈が
太陽に かかると思っていた
そして 同じくらい ....
かつての僕は
あなたという列車を
引き止めるために
真実と真心という
二本のレールを
一本
冒険に変えて
脱線させたものだった
でもそれは一瞬で
多くの人のために
あなたはまた ....
回転木馬で日が暮れた
ふらり立ち寄る若侍は
ガキ大将に殴られては
顔を赤くして騙す日々
照れたふりして歩く
風来坊の雷が落ちて
足下に火がついて
石油缶に引火して
部屋中が火事だ! ....
学割九千八百円の
上海行きの船が岸壁から離れていく
思っていたよりも船は速く
もう見送りの姿も遠く
そのくせ船はゆっくりすすみ
行方は遙かにかすんでいるので
夢をもて ....
始まりと終わりに境界線を引くのは
もう終わりにしませんか
この世は幾つもの糸が絡み合い縺れて
構成されているのです
アナタにとって大きな出来事も
この世では小さな欠片
一つの縺れに過ぎ ....
恋人を待つように
明日を待ちわびる
繰り返し押し寄せる波のように
昼と夜が交互に入れ替わるように
毎日の出来事は移ろい変る
過ちを犯しても挽回のチャンスは与えられるのよ ....
そのときあたしたちはデニーズにいて
いっとくけど詩には結構本気のほうだとおもってた
「智恵子抄をよめばなにもかもわかるのかもしれない」
とおにいちゃんがいいはじめた
最近好きな女子 ....
帰らなくてはならなかった
ガード下の公園
オレンジと灰色の記憶
あれはいったい
どこだったか
ガムの包み紙の甘い香り
急すぎる石の滑り台
の冷たさ
風はどこからかやってきて
....
鬱屈した毎日にドット柄
カーテンをひいたみたい
密閉された浴室のようで
じっとりと纏わりつく熱
乳白色の気持ちはブルー
日に当てないと黴ちゃう
雨はブルーチーズタイ ....
凍りつく落日が、煌々と浮き上がる、
退廃の翼が燃えている丘陵地帯を
毅然としたまなざしが、顔を引き攣らせて、
走り抜けてゆく。
夜ごと、記憶の手帳に書き加え続けた
凛々しい言葉は、荒れ狂う午 ....
雨の降る夜の帰路
高速を降りてからの長い田舎道
前照灯が照らす小さな視界に
跳ねるものがあるのだ
灯火の中それは白く見え
雨粒とは違う動きで
ぬれたアスファルトの上を
道一面に跳ねる ....
かつて
Aという列車が人の心を走った
ゆるい時代のわたしには
えー
という列車しかない
ときおり蒸気の出方で
えー?
という日があり
えー!
という日もある
ただ
たいていは ....
あぁ、こんなにも愛していたのだ
零れ落ちてしまった言葉
繋いで離れた手の隙間
水面にたゆたう魚の骸
初めて逢ったのに君はもう骸だった
ぷかぷか浮かんで
ぷかぷか沈む ....
小鳥ちゃん 謎の民族の踊りする
小鳥ちゃん おしりに黄色の ひらひらフリル
小鳥ちゃん ささみの足を蹴り上げ 風と
小鳥ちゃん ひとりで勝手に驚いた
小鳥ちゃん 呼んでも聴こえ ....
母は優しい
兄貴より遥かに出来が悪い俺は、
絵が好きで詩が好きで、なんだかいろいろ中途半端で、
でも、
生まれてきてくれて本当に嬉しいのだと
臆面もなく言うから
俺はいつもあなたの目を真っ ....
僕が生きている人生は
悲しみに満ちたストーリーだった
泣きながら倒れ
夜空を見上げれば
流れ星が一つ
流れていった
僕は何もお願いすることなく
消えていった
....
あなたにも
嬉しい気持ちを
おすそわけ
つまさき立ちで
小鳥を真似て
高い空に知らしめす
両手を広げ
澄んだ少年の瞳で
ピアノバーで
その男は
いまでも
ピアノを弾いているらしい
アップライトピアノが
備えつけられている
小さなバーで
*
夕焼けが
川のどこかに隠れていると
聞いたのは
....
東武線隣に居てし婆さんが話しながら寝てしまうなり
爺さんがケータイ持って婆さんに写メ見せるなりシルバーシート
ホームから眺めるダンス教室に見慣れぬ教師ふと見つけたり
もう降りることな ....
今日も
回転木馬に乗って
走ってゆきたい
どんなに揺れても
どんなに遠くても
木馬の歩みは変わらない
トロットトロット軽やかに
ギャロップするのは人でなし
とんがりお屋根 ....
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