注がれて激しくうねる麦茶
そこに波打つ氷の熱
呼吸と麦茶が混ざり合い
感覚は針のように鋭く喉を刺す
祖母が死んだときの
飼っている犬が死んだときの
苦味が
体の内側から
徐々に頭へと回 ....
愛なんていらねぇからさ、温泉で混浴チョメチョメしてぇのよ、夏。
君が持つ花火の描く曲線が僕らの絆の擦過傷です
都合よく凸(でこ)と凹(ぼこ)とがあるのに僕ら蚊帳を隔てて交わりもせず
....
なにもかも失う日のはぢまりのような日
いつもきまってベーグルを買いに来る
おじいさんがいた
今日はその人に会って
たった31日目
きっとまだぜんぜん
赤信号分の黄信号にも満たないような小さ ....
仕事が楽しくって
忙しさも勲章だと思っているうちに
携帯のメールもおざなりになっていく毎日
すれ違いばかりのあたし達
待ちぼうけを喰っている奴が
新しい局面を模索するのは世の常で
....
苔が吐きだす一千年の時
崩れてゆく胞子嚢が
クラッシックなビールの泡を
吹いて
ぼくの肺を満たしていく
遠い
ひかり
さえぎる
巨人た
ち
あなたが得た
この深刻な自由
じ ....
私がもし此の世から居なくなったら
君はどうするんだろう
どれくらい泣いて
どれくらい取り乱して
どれくらい…
どれくらい死にたくなるんだろう
怖い
私のせいで君がそんな辛い想いを ....
大きなサボテン
小さな鉢で
よけいおおきみえる
小さなサボテン
大きな鉢で
よけいちっこみえる
だからよけい両方かわいいねけど
大きいサボテン
「なんか家まちごうてへん ....
仕事帰りに電車にのる
少しビールを飲んで
少し酔っ払いながら
不意に哀しくなって
電車のなかで鳴咽をもらしそうになる
別に泣きたい訳じゃない
ただ情緒不安定なだけ
それだけ それ ....
アイスキャンディーで
当たりが出て欲しいけれど
恥ずかしくって
お店で交換なんてできないな
携帯電話で写真を撮って
思い出にしてしまおう
ああ
夢のない
大人になってし ....
悲しみが滲む蒼穹の果てが
ゆっくりゆっくり{ルビ紅=べに}に染まってゆく
そんな{ルビ表情=かお}をしないでと宥めるように
隅から紅が侵食されて悲しみが消えて
心に翳が射すのを必死で誤魔化 ....
指し示す指が
ぶるぶる震える
なんでもない
ただ指をさしておしえるだけのことで
からだはこわばり
震動は腕を通って
指先へと伝っていく
なまのきみに近づいたら
ぼくの妄想の中に生き ....
かきわけ かきわけ
ここまでこれた
絶望に乗りうつられて
生きることをリタイヤしようとも
思った事もあった
しかも
一人の旅の綱渡りで
溺れても助けを得られ ....
パキシル30mg
の、見せる現実のプラスレート
空想の透明度
限界線を見せない
夏雲の上に抜ける青に似た
昨晩打ち明けられた
銀粘度の約束は
いつか憧れた遠い未来にリンク ....
ふたり来た道
ひとり戻る道
降り出した雨に
そこから一歩も
動けなくなる
泣かないと決めたから
唇噛んで
きみの姿を巻き戻し
雨のスクリーンに何度も映す
いくつもの
色の移 ....
いつまでも あなたに 笑っていて欲しい
いつまでも あなたに 明日を夢見て 生きて欲しい
あなたは かけがえのない 地球の 「輝き」なのだから
大きな夢ほど実現するのは難しい でもあ ....
僕の部屋から見える窓の景色は
一回も同じ景色になったことはない
いつも変わり続ける
そう僕の心のように
ある時は朝日がさんさんと照りつける
爽やかな景色が拡がる
ま ....
砂漠がたったひとつの井戸を隠していたころから
私の瞳は たったひとりの姫を隠していた
床は真四角の部屋 天井が一点で結ばれている部屋で
彼女は いつも たったひとりで 永遠を歌った
....
めろんの翠が涼しい頃
強引な若さだけを連れて
新しい部屋を探したわたしが
照れながら甦る
必ずしあわせになるのだと
啖呵を切って
飛び出した古い家
裏付けるものなど何も無く
ただ
....
カマキリを殺した
あんまり威張つてゐるから
縄張りでもないのに
アスフアルト道のまんなかに出て
仁王立ちになり
人を通すまいとするから
私はその夏 傷心を抱へて
祖父母の郷へ帰つ ....
{引用=
一、漕ぎゆく者へ
明るいうたは明るくうたおう
明るくないうたも明るくうたおう
そうすれば
必ず
いつかどこかが壊れてゆくよ
治すというのはそ ....
蛇口にもいろいろあんのよ
飲食店の蛇口はいつも元気で
小学校の蛇口はお喋り好き
公衆便所の蛇口は毎日がつまらなさそう
なんで私がそんなこと知ってるかって
旅好きな水から聞いたのよ
私は ....
酷いじゃないか
あんまりじゃないか
丹精込めて作った私のお弁当を
フタも開けずに包みも解かずに
だのに
私がやっと振り絞った声が
あんたなんて味噌っかすよ
....
単調な生活から恵みの時が訪れる時
心が軽くなって誰にでも優しくなれる時
幸せは宝くじでは買えない
日々訪れる荒浪のハプニング
心が窮屈な部屋の中で
ああでもない こうでもない ....
あたしを弾いて頂戴
この暗闇の中で
その人差し指で
マリオネットみたいに
あちら こちら
自由自在
あたしの体は鳴り続ける
それはまるで
海の底に響くピアノ
魚 ....
もういいと
何時からだろう
硬い殻に閉じこもった
わずかの養分と
わずかの水分とを持って
硬く硬く閉ざした
もういいと
放っておいてと
何時からだろう
光に触れないように
....
二人並んで立っていたって
魚眼レンズならばキスが出来るデショ。
気が付いたら胎内に居たんだ。
ここはそう、愛すべき肉の中。
そしてこのオレは肉の塊り。
愛すべき肉の中の肉の塊り。
....
?.
(じーっとお空を見上げている
僕の屹立)
寝過ごして
宿酔で
テラスにでて
サボテンと一緒に
太陽をあびて
歯
磨いていたら
人前で裸になることは
特 ....
愛し合う二人の仲はマル秘なの親兄弟にも親友達にも
柔らかい肌もあなたの唇もその感触が近しい二人
背徳の恋のはずだが何故だろう愛し愛されこうも幸せ
けたけたと笑い飛ばしてホラを吹く背中 ....
初めての海で
吸いこんだ
風のにおいはふるさとのようで
わたくしは、ただ
何万年も佇んでいたような砂浜の印象へ
飛びこんで
いまこの波の揺らぎに没しようと
荒れんばかりの幾多の波の
....
夏少年の、硝子の{ルビ背=せな}に
せせらぐ
ピアニシモ
白い{ルビ喉=のど}の、滑るシトラスに
透けてゆく
アダージョ
戸惑う爪先の、細い苦悶
ふるえてゆく
アレグロ
....
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