乙女は恋を抱いて
いつまでも生きてゆくかも
少年はうち悩み
走り出て 木をゆすり
土を掘り返す
娘と息子
少年は6倍も悩むという
今日は こうして詩をかく
....
くすんだ赤い鞄を背負って
空色の自転車に笑顔でまたがる
じゃあ、また明日ね
当面やるべきことは
化粧をしたライオンに
命を吹き込むということ
照明が降り注ぐ舞台上で
コンタクトを ....
とある快晴の昼下がり
異常乾燥のせいでもないが
うたた寝していた青い駱駝は
うっかり空から剥がれ落ちた
ここは都会のど真ん中
駱駝が降ってきたと大騒ぎ
けれども青臭いだけの駱駝
....
狭いベランダで
室外機に挟まれ
見上げる空は
今日も薄灰色
夏のあいだ、
日除けに育てた苦瓜が
絡んでいたネット
くもの巣のかよわさで
ふぅわ
ふぅわ
揺れているのか
しがみ ....
{引用=
霜の匂いを纏って
母さんのおさがりのコートを着て
毛玉だらけの手袋で
髪にはすこし粉雪をつけて
息はぼんやり白くて
頬 ....
白く
抱かれている女の子を見て
きれいだな と思う
やさしくふれられて やさしいことばを感じて
ため息を漏らすの
メロディーのように
たぶん アイラインを落としても
つむった瞼にまつげは ....
朝起きて僕はまず
鳥かごのひよちゃんとちよちゃんにあいさつをする
(おはよう
(ひょひょ
(ちょちょ
今日は曇り空だ
傘を持って家を出る
(いってきます
(ひょひょ
(ちょちょ
....
首を絞める
誰だかわからない
知らないような
懐かしいような
力を込める
力のない私も
首を絞めるだけの力はある
よくもこんなことをしてくれた
何故産まれてきた
おかげさ ....
ポタージュが冷めるのを待てず
やけどする舌
冷たい朝に
湯気の向こうで
陽の光が磨りガラスにはじく
無邪気なほどきらきらと
関東地方の今朝は今年一番の冷え込み
半袖のニットを着た ....
カレンダーをめくると
またひとつ昨日がふえる
そうして明日が
ひとつ減る
わたしに数えられる
昨日と明日には
限りがある
なぜならわたしは
消えていくから
こ ....
頭上に無数の血管が走っている
赤と紫色と灰色の線が網目状の影をアスファルトに落とす
空は脈打つ彩りに覆われていくつにも分断され
そのどれかひとつすら私のものではない
都会は大きな卵型をして ....
秋雨というのはひどく冷たく
(ほんのりと金木犀の匂いがして)
ちょっと生っぽい
(フレッシュではなく、賞味期限切れの刺身のアレ)
トイレ、みたい
(芳香剤の匂いは金木犀らしいですよ ....
白い書物の中で
あなたとはじめて会った
数千年の時を経て
変わらない声と声が
光に影を差して立ってる
向き合いながら
照れくさそうな文字になって
たとえば
あなたが好きですは ....
君がアルバイトで
会えなかった日
自分勝手な寂しさに
俯きそうになった僕は
こころに
一つの山を
思い描いた
雲に覆われ雨降る夜も
雲が流れて日の射す朝も ....
木枯らしが吹いて 柳が鳴く
ぐるぐるネジを巻くと 明日が育つ
ダーツ遊びで 二の腕だるい
狙い通りには 上手くできないな
時計が壊れても
太陽は昇るよ
無邪気に地球儀をま ....
せせらぎは
言葉を濁すことを知らない
そこはかとない波のゆらめきに
疲れた手を浸し 剥がれてしまいそうな
うろこか言葉かわからないようなものを
さらさら、と流し
そして しぐさを落と ....
病と闘いながら
貴方の描いた自画像が
私の心を離さない
貴方は 男らしい顔だった
しかし 貴方が描いた貴方の顔は
左右の顔がアンバランス
貴方が塗った背景は
燃え立つよう ....
そばにいつも近く
あるものは何だろうかと
声に向かう
手の内に知りたい
たどるほどに温もりを帯び
そしてやがて熱と冷たさ
熱さと熱 温もりに
全体が早まっていく
十字の開いた二本と ....
ああ、 さびしいなあって ふとしたときにおもう。
こればかりはかくせない。 さびしい。 さびしい。
さびしいから、かいているのかな、って おもう。
こいびとがいても、 しんゆうが ....
住む人の居なくなった実家
風を通すために帰省して
東京に帰る日の昼食は
味噌ラーメンが美味しいと
親父が通っていた店で食べる
若いころ札幌で食べた
味噌ラーメンの味に魅せられた親父 ....
勝手に灯りを消したのは誰?
まだ僕は眠たくないのに
電気を点けたようにもスイッチに手が届かない
時計の音だけが響いていた
★
辺りはすっかり静まり返っていて
月の光も雲に隠 ....
歩き出すことを知りました
ひた、
ひたり。
らしさをどこかに求めて
あまやどりをしました
ぽたり
いつしか涙も流しました
そうしてぎこちなく
笑ってしまうの、
わたし
ことばに詰ま ....
そろそろ立ち上がろうと思います
じっとしている事にもう疲れました
現実に押し潰されるのはもうゴメンです
そろそろ歩き出そうと思います
前を見る勇気
本当の正直さ
....
雨雲がはびこった空へ
僕のねずみ色の狡さが
こっそり飛び去っていくのを
ぼんやり見落としながら
また天気予報がはずれたと
君は唇をとがらせた
ガジュマルの葉っぱに
君の赤毛のした ....
気がつけば
柔らかな布団が体を包みこんでいる朝
遠くから聞こえる踏み切りの音
肌寒い朝の目覚めは私を憂鬱にさせる
嫌なことを思い出させる季節、冬
雪の如く心に降り積もり熱を奪っていく思い ....
{画像=080907104708.jpg}
神社の縁の下は雨宿りの場所で
みんなの隠れ場所だ
賽銭箱の階段の脇から入って
宝物を蜘蛛の巣の奥に隠した
捨て犬も捨て猫も一緒に連れ込んだ
....
人形町でもなく
箱崎でもなく
水天宮のジョナサンにいる
そんな夜のカフェテラス
幸せはどこにあれ
哀しみはそこにあれ
あしたのどこそこで見つけたのさ
人形町で ....
ふるさとはもうぐちゃぐちゃに塗りたぐられた風景画のようになっている。長く真っ直ぐな道が向うの方まで伸びて消えた。その先には山がある。後ろには海がある。すぐそばには川がある。空はだだっ広くて、細かな模様 ....
みどりという代名詞がふさわしい存在していたかつてその
呼び名をあたえられず
最後まで呼ばれなかったこのゆくくらがり
せめて歌なりと
なりとなりと
しんと音となり
ししん ししん ....
小学生の時
わたしは薄水色だった
黄色のハンカチ
黄色の傘
黄色のお気に入りの服
だけど、わたしは
小学生の時
薄水色だった
黄色の長靴で
水溜まりに入るのが大好きだった
....
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