君は
ひとつぶ

哀しみを
螺旋構造に宿したまま
この世に零れ落ちてしまった
ひとつぶ

君は
ひとつぶ

喜びの
光にくすぐられて発芽し
言の葉の二葉を広げてしまった
ひ ....
県境にこだわったマニア本

県境に建ったホテル
県境に建ったショッピングセンター
県境が走る住宅街

短い距離の間に県境を何度も渡る国道

記事を見ていたら急に思い出す

東武日 ....
桜の枝に盛られた雪の間から
青空が広がった
青空が

憎む人の指先をかわしながら
ささくれる胸の先に
息も潰れてしまうとき

桜を彩る雪の温度に額を向けて
小さく ごく小さく
泣く ....
八重桜
いくえにも重なって
淡い桃をたわわに逢せる
遠野の空の水と蒼
流れ流され血の紅滲む

それでもサクラは咲くのです

山桜
ひっそりと佇む
誰も知らない名前すら
無から生ま ....
星の群れのつながりをちいさく真似て
思いをつらねる青い花たち
生ぬるく雨がふるたびに
ふくらんでいく
胸いっぱいに
いとしい
かなしい

思い出を捨てにきた旅路で
思い出をいくつもひ ....
飛行機が頭上を飛んで行く
被災地へ向けたものなのだろう
カタカタと揺れる余震が十日たっても続く
少しくらいでは慣れて逃げなくなってしまった

今年は大雪で 果樹 建物 いろんなものが倒れ
 ....
初めて見たドームは
夕日に染まり
厳粛にたたずんでいた

静かに
手を合わせ
一心に祈った

身を切る
冬の川風が
頬に痛かった


1945年の夏

人々は
経験のない
爆破の意味も知らず

ただそ ....
 
愛ってやつは

○だったり□だったり、ときに△だったり

そんなもんだろ、なぁ



 
  はつかねずみ


きみの美しい視線が
ぼくの背に注がれていた時
ぼくはオールをこいで
春は
緑のビーズをこぼしたみたいに
あちこちで転がり跳ね回って

きみ
きみの手の中で飼 ....
アトリエの薔薇に芽がついたよ
花が咲くころ
君に送ろう

その時は、いつか
この春の、
すぐ後にあったのかもしれない
たった今、過去になった太陽

自分の為にすることが
誰かの為で ....
{画像=080726153050.jpg}


君は背比べをしたことがある?
一度は家の柱に背中を付けて、
頭の高さのところに傷をつけた思い出があるよね。
高い人、低い人、色々だと思うけど ....
 ほら横なぐりの
 ぼたん雪のなかを
 回送バスがはしってゆく

 窓を曇らせ
 満員にひしめいた乗客の気配だけを乗せて
 がらんと無人の灯りを点して
 回送バスがはしってゆ ....
もうすぐ桜が咲こうとしている

もうすぐ梅が散ろうとしている

木蓮が音をたてようとしている

花が街道を染めようとしている

自然は柔らかく生ききっている

希望にゆるがず生きき ....
だれのものでもない
できた橋を
わたる
生き物には足があるようだ
二本あればわたれるようだ



いままでどおりなら
唄い酒場のような居場所があり
(どこか)わたってきたところ ....
嘆こう
いつか早朝のラジオで聴いたんだ
「前半しっかりと絶望すること。
 それが復活や飛躍への、ステップになるのです」
私たちの脳は生きるために
絶望と絶頂を繰り返す

友だちが教えてく ....
再び歩き始めるんだ
膝を抱えてうずくまった場所から
行き先なんて確かめなくていい
立ち止まった自分を責めなくていい

pauseを解除するんだ
内なる声が途切れた位置で
イン ....
似たり寄ったりな景色が並ぶ町で
わたしは、言葉を持たない


認識のそれぞれが
役目として語られるには
少し
役目を過ぎている、という気配


適当なリズムで鳴るヒールに
 ....
{引用=
ゆるい傾斜を登ってゆく
幸せそうにショッピングバッグを抱えた女にとって
街が壊れたよるを窓から眺め
水晶の破片が星のようにきれいね、と
うたうことだって可能なのだろうか
その美し ....
跡形もなく過ぎ去った過去は
過去の栄光ではなく日常のホームドラマで
思いやりのある家族とお節介な隣人
歴史好きの親父とミーハーな娘
東京に行きたくて
髪の毛を染めたキャサリン
着ている ....
彼らはひたいに手をやる
私は左目をおさえる
彼らは両目でしっかりと見ている
私は{ルビ右目=ききめ}を凝らしている
{引用=左目は未だ微睡んでいる}

彼らは叫んでいる
声が脈をうち
 ....
 うらぎりの雲がうかぶ
 青空のした
 ぼくは
 ぼくを問いただしていた
 オマエハ ナニヲ シテイルノカ
 と。

 おおきな地異が
 おおきな波が
 きみから
 大 ....
予測を許さない
千年に一度なる天災は縮尺を正常化し
次なる大災害が百年後とは誰も言えない

事態は悪化する
現状維持の喫水線を越えたら人為は
人智が利用する原理を制御できない

物資を ....
透明な絵本を
じっと見ている子供がいて
クレヨンを持って
かがやいた笑顔をみせる
 (これは何色なの?
としきりに尋ねてくるので
答えに困って
好きな色で塗ってごらんと
うなず ....
夜の次には
朝が来ますように

春風が貴方のもとに
届きますように

空が晴れていますように

温もりが涙が笑顔が
貴方と共にありますように

そして何より


どくん ....
 
 老いてゆく心の中に歌集あり神と歌とのかかわり探れば

 二千円懐中に在り今日は俺心の中に明かりともりて

 聖書の行弾みて口ゆ出でゆきて楽しき朝のわが心かも
{画像=110315220914.jpg}


*


黒い身体をください。

身体に暗い闇を纏い、
心を閉ざし目を瞑るのです。
黄色い帯を体中に塗ってください。
真っ赤な星をそ ....
星であふれる空
肉眼でみつめすぎた
つぶれた心は
唾液で癒して
ぬるくてあたたかい
それは探していた光

  手を伸ばせば届いた
  いまは幻にさえ触れられない
  漂う粒子は
  ....
過去三例しかないことが

いま同時に三つ起こっている

あしたきっと飲みにゆこう

馬鹿さわぎして

まっとうなひとに叱られよう


蓄えて

足るを忘れて

それに慣れ ....
朝 出勤すると 数名の社員が玄関にいる
余震のため建物の中に入らず待っている
そろそろいいんじゃないの いいよね
いざ 建物の中に働きに行く 
普通の会社の建物が凶器になる
リストラ 賃金カ ....
2日目を迎え
被災地の避難所では毛布の取り合いが始まりつつあると
世話役の青年が疲れ切った顔で
とりあえず粉ミルク、紙おむつが全く無いのだと話す
別の避難所ではミルクを溶かす湯も沸かせないと
 ....
恋月 ぴのさんのおすすめリスト(17884)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ひとつぶ- nonya自由詩14*11-3-21
マニア気質- kauz ...自由詩5*11-3-20
救世- オイタル自由詩2*11-3-20
それでもサクラは咲くのです- 西日 茜自由詩6*11-3-20
さんがつ- 橘あまね自由詩711-3-20
十日めの思い- 砂木自由詩5*11-3-20
祈る- 森の猫携帯写真+ ...6*11-3-20
愛ってやつは- 殿上 童自由詩16*11-3-20
はつかねずみ- ふるる自由詩8*11-3-20
その時は、いつか- soft_machine自由詩611-3-19
背比べ_/_柱の想い出- beebee自由詩4*11-3-19
それでも回送バスははしってゆく- 石川敬大自由詩16*11-3-19
馬鹿どもにも- 吉岡ペペ ...自由詩611-3-19
わたる- 乾 加津 ...自由詩10*11-3-19
嘆く背に桜前線の風が吹くように- たちばな ...自由詩19*11-3-19
再出発進行- nonya自由詩8*11-3-19
川底- 山中 烏 ...自由詩3*11-3-19
何も特別なことなど起こらなかったように- 高梁サト ...自由詩911-3-19
DESOLATION_ROW(廃墟の街角)- ……とあ ...自由詩8*11-3-18
左目- 瑠王自由詩311-3-17
きみに寄り添う- 石川敬大自由詩11*11-3-17
マザー・ネイチャー/マンメイド・ベイビーズ- salco自由詩7*11-3-17
透明な絵本- かんな自由詩33*11-3-16
願いゴト- 三奈自由詩1211-3-16
朝の心- 生田 稔短歌311-3-16
実証するもの_/_伝えたい想い- beebee自由詩711-3-15
君のいない国- 百瀬朝子自由詩6*11-3-15
あしたきっと- 吉岡ペペ ...自由詩511-3-15
レクイエム- 砂木自由詩3*11-3-15
断層- salco自由詩2*11-3-14

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