白い憂鬱の影
ハァモニィベル

白い柱の背骨を
クネらせた
憂鬱

そう見えたもの
それは――

千切れそうなほど
頭を垂れたまま
しんしんと澄んだ闇を
受け入れたその
首の付け根に

先細るほど渇き切った
鋼鉄の反響が昼夜
閉じることのない
仄紅い貝殻の
小さな装飾扉から

螺旋の奥へ
づっと奥迄

舐めるように辿りつき
基底を円く円く
ムリヤリに押し広げながら
むっくリと降りた純白の床の
平面に堕ちて
くっきりと揺れている
哀しさの黒い影へ
稲妻のように喰い込んで――
噛みちぎったやさしさ






自由詩 白い憂鬱の影 Copyright ハァモニィベル 2014-10-05 22:15:43
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