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開けないで
ポテトチップスの袋
中身は蝉の脱け殻だ

終わらせないで、夏を

変わり続けて
あなたの脱け殻しか
喉を通らない

関わり続けて
針千本 飲まないで

閉じな ....
啄木鳥が 脳天を
穿つ ヒールの音

充電切れの端末から
伸びるヘッドホンで
耳をふさいだ少年

急所は隠すもので
隠したところから
急所となる
先頭車両の不文律
スーツの背中に ....
おれの詩は 親離れがはやい
大事にしていたつもりだが
ここぞ、という夜
彼は 彼女は もういない
残された
余白だらけの置き手紙
不良だ。
つけた名前が
気に食わなかったのか
 ....
納豆のカラシ

ぜんぶは入れない

納豆のカラシ

小袋に残る

納豆のカラシ

可燃か 不燃か

納豆のカラシ

とりあえず 可燃へ

納豆のカラシ

今夜もまた ....
宇宙と名の付く授業は

この毎日に風穴を開けてくれる気がしたから

最後列で トランプする彼らの惑星から飛び出して

非常口にいちばん遠い席についたのに

先生、はじめから
 ....
いけてる おばあちゃんでした
特筆したエピソードはない
けれど

名前が 池 てる

唯一無二の
おばあちゃんでした

寝言でドロボー!と叫んで
夜中におふくろを
震え上 ....
「どうせまたこのことも
詩に書くんでしょ」
とは
あなたの捨て台詞

本気で怒られていても
そこに 涙が流れても
身を悶えるほど
孤独を感じようとも なお
言葉は 食うこと
 ....
おれは

パン粉を

袋から出し続ける

出せるだけ

出し続ける

そうして

溶き卵を 桶にすくい

頭からかぶる

百メーター先の

パン粉の海に
 ....
きみにもたぶん

色んなことがある

公転と自転をくり返し

わけがわからなくなる日ばかりで

砂時計を抱きしめたまま

大気圏を突破すると

今度こそ本当に笑うよ、と ....
しんしんと しんしんと雪
しんしんとしんしんしんしんと雪
しんしんとしんしんしんしんと雪
さわったらじんじんとじんじんと
じんじんとひやい雪 しんしんと雪 しんしんと雪
おりじなりてぃに ....
彼女たちが
致死量ギリギリの寂しさを標高1982mで微温湯に溶かし眠り姫になるそのまえに
彼らが
キッチンタイマーの音で目覚め
マジックミラー越し虎柄セーターの看守に連行される
そのまえに
 ....
まっ白いスニーカー
土砂降りの雨の日におろすきみ
ぼくのこころ、
ふるえました

おくびょうなのはどっちだろう

長靴履いて
ふるえました

お互い傘も
なかったころ

そう ....
あなたは無意味なままでいい
僕と同じように
意味不明で正体不明で
呼び名は他人に任せよう
風車を作ったり
壁を築いたりすることにも
僕らは全く以って気を使わなくていい
ただ吹く風でい ....
あなたがはにかんだ笑顔を
私に向けた瞬間に
人混みで
手などを引っ張るその度に
きりきりと
弓は引かれる
的の中心は広く
くっきりと
「サヨナラ。」の文字

もしも

もしも
 ....
aはbの詩を

パクリました

bは詩を書くために

cの鉛筆をパクリました

cの父ちゃんは泥棒です

cの鉛筆はもともとdのものでした

でもdはeの消しゴムを借りパクして ....
提灯鮟鱇の雄は
雌より大分小さくて
交尾したらそのまま
張り付いて同化してゆくと聞いて
蟷螂の話以来にたまげた
溶けてゆく、ってのがいい
おれもできれば
この闇を一緒に泳ぎきれる
そん ....
あなたとの記憶
水に似た感情
時間はかかったけれど
ようやく
完成

ブリキのジョウロは先週
不燃ゴミの日に出して
てるてる坊主とも
とうとう仲直りした

埃をふうと吹き払っ ....
久々にいい酒くらって
現代詩フォーラムというサイトへ
投稿していたときのことを
話してしまったらしく

「おじいちゃんらしいとこもあったけど、
なんだか新鮮だったよ」
なんて
感想 ....
財布のハラが
なったのである。
蝉の合唱部がちょうど
ステージをおりたころに
おれも、わかってはいた
わかってはいたけど
神社で見つけた蛇の抜け殻を
信じるには もう
足の裏が白すぎた ....
虫採りアミを
契約書が詰まった
ビジネス鞄に持ちかえて
今月もノルマ未達なら
怪談話より 寒気する
スイカ? 食べない
「時は金なり」
向日葵よりも輝いて
もろこしよりも甘いのは
 ....
気怠い午後の窓に
コウノトリが連れてきた
甘い匂いの衣をまとう
真っ白な 汚れのない 詩

しばらく考えて
抱いてみる
泥のついた手で
目はおれ似じゃない

さて誰か

道傍の ....
ハローワークから出たとたん配られたチラシには、きみの名前。きみの写真。その上に〈元彼女〉の肩書。「元」がやけに安っぽいゴム印で、おれはムカついた。ビリビリに破り捨てた。渡してきたおっさんを蹴飛ばし .... いちばん重いひらがなは



だね。

ら がぼく以外の
大勢をふくむなら
ぼくら、なんて
かんたんには 言えないや。

かるく歌ってもみるけどさ ららら
何もしなくとも
腹は減る
爪楊枝咥えるにも
銭がいる
腹が鳴るたび
苛ついて
何もしなくとも
腹が減る

何もしなくとも
税はくる
督促の手間
知る由もなく
ゼイゼイゼイ
 ....
明日の自分に
電話をかける
一枚しか入れない
呼び出し音がつづく
あいつは出ない
いつものことだ
今日よりずっと昔の
思いでごっこに忙しい
呼び出し音がつづく

しょうがなく
昨 ....
ちりめんじゃこを
食いながら
一匹一匹に
詫びを入れる
「暑いよ、暑いよぅ」

振り向けば
声の主はキャベツらしかった
東八通りでおれは
扉が透けた
コインロッカーのようなものに
入れられたキャベツに
助けを求められていた
これが新型 良 ....
おれが息をする夜
この部屋の明かりは
林道にぽつりんと佇む
自動販売機

蛍光灯をカナブンが舞う
2ストロークのエンジン
ギアはまだ1速
目を閉じると
それはまるでチェーンソー
古 ....
たずねてもいないのに
自分のことや 他人のこと
ババババーッと しゃべりまくる人
そんな人が 機関銃の弾切れみたいに
一瞬 静かになったとき
その口元から もれる煙を
ぼーっと見るのが、好 ....
ただのみきやさんのもりさんおすすめリスト(29)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
お願い- もり自由詩218-8-1
ruby- もり自由詩4*17-3-4
余白だらけの置き手紙- もり自由詩4*16-12-28
納豆のカラシ- もり自由詩13*16-12-21
宇宙物質エネルギー- もり自由詩3*16-11-22
いけてる- もり自由詩8*16-11-4
無題- もり自由詩1*16-11-4
進退- もり自由詩3*16-4-13
白い花- もり自由詩2*16-4-8
- もり自由詩4*16-1-19
∝-1- もり自由詩3*15-12-20
ふるえました- もり自由詩2*15-12-14
- もり自由詩7*15-11-9
帰宅の詩- もり自由詩1*15-10-30
ouroboros- もり自由詩1*15-10-24
提灯鮟鱇- もり自由詩2*15-10-7
押花の栞- もり自由詩2*15-9-13
とある理想- もり自由詩6*15-8-23
じりひん- もり自由詩3*15-8-7
夏が嫌いな人もいる- もり自由詩4*15-7-19
- もり自由詩2*15-7-18
卒業- もり自由詩2*15-7-6
いちばん重いひらがな- もり自由詩10*15-7-3
穀潰哀歌- もり自由詩2*15-6-29
居留守- もり自由詩1*15-6-27
ちりめんじゃこ- もり自由詩5*15-6-27
良心- もり自由詩2*15-6-26
777- もり自由詩5*15-6-24
行間- もり自由詩5*15-6-21

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