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父がいなくなり
4回目の朝が来た。
冷たい空気の中
花瓶に活けたばかりの花に水滴が見え始めれば
荒れた手の甲の傷が
ほんの少しだけ痛くなった。
暖かな部屋に行こうとしても
目を閉 ....
古い写真のおじさんは
口をへの字に曲げて
堂々と背筋を伸ばす。
綺麗に整えた軍服の襟元は
これから死に行く運命でさえも
「私の誇りだ。」と
言っているかのようだ。
行ってらっしゃ ....
父と一緒に植えたひまわりの新芽が
昨日よりも大きくなった。
私の背よりも高く
太い茎をまっすぐに伸ばして。
父と一緒に植えたひまわりの新芽が
私の顔より大きな花を咲かせた。
種の詰まっ ....
渡しそびれた手紙が
一冊の本に挟まっている。
「必ず届きますように。」と手を合わせ
何冊かの本と共に
庭の片隅で火にくべた。
燃え残ったページが
秋の風に吹かれ
くるくると ....
ぐっ・・・・。と飲み込んだ負の感情。
ふとした時にこぼれて
些細な変化を気付かせた。
「それはまるで、革命前夜のフランスのよう。」
小さな狼煙が上がり始めると
その ....
昨晩の雨は雪へと変わり
昼過ぎには太陽にバトンを渡す。
帰宅した父を囲み
静かに語らう母と娘たち。
その手は何かを決意し
何かを覚悟するかのように
しっかりと握 ....
父と過ごす最後の時まで
離れまいと決めた早朝。
冷えきった畳部屋であぐらをかき
ゆっくりと茶をすする父がいると
何気なく思う。
眠ったままの父をみつめ
正座を崩してそこに座れば
....
切っ先を突き立てると
むき出しの乳房をつたう赤いしずくが
干からびたへその緒を濡らす。
一人欠けた視界の中は
景色と表情と人の形が見えなくなった。
遺体になれない私は
....
洗い立てのセーターが
残っていた匂いをかき消して
近くに居るはずの存在感をまた一つ
この世からほおむり去った。
庭先で鳴く猫が
「寂しい。寂しい。」と呟いているようで
荒れた畑の片 ....
温かな人肌が
冷たく・硬くなっても
置いた手の感覚が無くなりそうになっても
その場から離れることは出来ない・・・・。
(あったかいなあ。お父ちゃん・・・・あったかいなあ・・・・ ....
開かれた扉と
銀の台に置かれた白い破片。
崩れながらも形を残すそれは
熱い熱いと焼かれていった
愛する父の姿であります。
「お父ちゃん、お帰り・・・・。熱かったねえ・・・・。」
....
電池パックの裏蓋に写真を貼り付けて
心に姿を浮かべながら
身体の代わりに携帯電話を抱きしめる。。
コピー詩集を携えて
下町の路地を歩けば
スカイツリーによじ登り
ひしめく街並みの中 ....
駐車場の水溜りを見つけるたびに
床に広がるパークロの刺激臭を思い出す。
声と言葉と友を残し
ライフラインとも言うべき居場所を失った・・・・。
「私は、今でもテラスに座りカプチー ....
遠くにある、かすかな記憶を掘り起こし
これが何か?何なのか?が見えず
苦しむ日々を受け入れた・・・・。
その一方で
毎日が透明になり
都庁の上から、空へと消える夢を見る・ ....
鍋のなかで踊る蕎麦を見つめ
何かを潰すように
何かを壊すように
菜箸を掻き混ぜる…。
もしくは
それを生き物に見立てて
趣味の悪いハンティングだと
自嘲する… ....
鍋に火をかける。
ことっ。ことっ。ことっ。ことことことっ。
コンソメの香りが溢れ
作り置きのパスタを沈めると
つまみ食いの衝動が止まらない。。
(にんじんと、たまねぎとジ ....
口にする事の無かった餅を煮込んで
祖母がこしらえた醤油味の田舎汁と共に
腹が膨れあがるまで流し込む。
青い半纏を羽織り
孫たちを嬉しそうに出迎える祖父の声が
暖かな縁側の ....
こたつを囲んで
テーブルを囲んで
昔と変わらぬ景色の中で
暖かな鍋物をつつく。
だし汁を浸した白菜
ぷりっぷりの海老と鶏肉
ビールで流し込む
つるっつるの白滝 ....
「ブロッコリー1つ。」
シチューに入れようか?スープにしようか?夏野菜のカレーに入れようか
と
考えている合間に
1個85円のブロッコリーは売り切れた。
豚肉・カレールー ....
「名刺は、記号。」
だと言われたので
百枚ばかし刷って
十枚二十枚を、鞄に入れた。
「梓ゆいです。」
と言って一枚差し出せば
ひとつの記憶と
ひとつの記号にな ....
「駐車禁止と貼られた紙に、ノックアウト。。。」
ぶつけて凹んだ、ハイジェットのボディーをなでながら
(一万五千円は、大きい。。)と
財布を開ける。。。
「すぐに、ここから逃げた ....
白い画用紙に1つ
小さな遺体横たわる・・・・。
命があるように
呼吸をしているかのように
静かに・静かに・横たわる・・。
ひとのようで/けもののようで/むしのようで
....
ゆらゆらと
洗面器に貯めたぬるま湯
三日間
布団で眠る事が出来なかった髪の毛を洗う…。。
(普通が何なのか、解らない日々…。。)
ゆら・ゆら・ゆらり・ゆら・ゆらり…。
....
ただのみきやさんの梓ゆいさんおすすめリスト
(23)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
微かな祈り。
-
梓ゆい
自由詩
3
18-2-2
そこにある日常
-
梓ゆい
自由詩
2
17-6-7
太陽の子供
-
梓ゆい
自由詩
2
16-10-13
空が落ちている。
-
梓ゆい
自由詩
6*
15-9-28
兆候。
-
梓ゆい
自由詩
3*
15-8-4
雨の日のお迎え。
-
梓ゆい
自由詩
3*
15-5-21
日常の景色。
-
梓ゆい
自由詩
5
15-5-12
むき出し。
-
梓ゆい
自由詩
1
15-3-20
形見分け。
-
梓ゆい
自由詩
3
15-3-15
ひとねむり。
-
梓ゆい
自由詩
2
15-1-23
白い破片。
-
梓ゆい
自由詩
2
15-1-22
願いごと。
-
梓ゆい
自由詩
3*
14-11-30
回想
-
梓ゆい
自由詩
3*
14-9-14
妖怪
-
梓ゆい
自由詩
1
14-2-1
蕎麦湯
-
梓ゆい
自由詩
2
14-1-3
いえのあかり
-
梓ゆい
自由詩
2
13-10-24
年明け
-
梓ゆい
自由詩
1
13-10-21
一ページ
-
梓ゆい
自由詩
2
13-10-19
買い物袋
-
梓ゆい
自由詩
2
13-8-29
私という名の・・・・。
-
梓ゆい
自由詩
4
13-8-29
〇〇なう。。
-
梓ゆい
自由詩
3*
13-8-27
瞑想
-
梓ゆい
自由詩
2
13-8-26
おバケ
-
梓ゆい
自由詩
3*
13-6-13
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