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枝葉に付着した
無数の小さな丸い水滴      銀の透明
は、
照らしだす光に 光を通し輝く

光そのものは見えずに
只、
銀の透明響かせます

無垢なる人の魂に
凍結した大地
彷徨する雄の白熊

雌の匂いを頼りに
年に一度の交尾求め

蒼白い氷壁の上
雌雄は獰猛に唸り

出逢い対峙スル
選択の余地はない

生き残って来た自然
彼らの ....
空いた穴
開いた穴は
茫漠と広がり広がり続け
秋雨に濡れ
崩れ落ち
瓦解を止めない黒土の縁

喪失の上塗りは
肉を蝕み
麻痺する魂
一人生の円環は閉じかけ
独りから独りへ

 ....
肉にめり込み
脳髄に沈み刻まれる
鋼のビート
反復も新たに
冬の鳥は踊り出す
声無き音響の時空を


可憐に哀しく我を忘れ
冷酷に愛しく飛び跳ね
自然に苦しく姿を消し


肉 ....
蝉がひっくり返り動かなくなっていた
マンションエレベータ前のコンクリート床の上で
僕は危うく踏みつけるところだった
何もこんな殺風景な所で死ななくても
僕はそう思いながら摘まみ上げようとした
 ....
動かない川の水
淡い陽光に照らされ
タールと銀の陰影混交
濃密に静止して
対岸の雑木林
そよとも揺れず
木々の隙間から
白い空間 奥まり覗く

凝視されている気配

確かにアカ ....
唇が口笛が造形する
音響銀河
銀のヒビキ
波紋広げ渦巻く渦巻き

疼く身体
降りしきる雨に
疲労し尽くしながら
既に放擲された己
絡みつく白腕払いのけ
欲望を
情熱を
衝動を ....
眼下の川では子供たちが裸ではしゃぎ

遠く茶褐色の岩峰が冷たい灰色の空を背景に連なっている

僕はゆらゆら揺れる色褪せた肌色の廃棄バスの屋根の上

何とかバランスを取りながら何度も落ちかけ ....
真夏は
巨大な安穏スクリーン
透明な被膜の内側を
ふわふわ微睡む
人、森、猫

唐突
道路に
空いた穴
その深淵は
弾け飛んだ信頼の重み

傾く生を朦朧と
夏の熱気に曝け出し ....
夜陰に揺れ流れるこの光彩
煌めき煌めき
イラつく痛み
鎮め静か
魂の聖処
照らし底から
意識を広げて
幾多の欲望括弧に入れ

光の帯は五感越え、
透明な衣まというねる
     海だ
 荒れ狂い、渦巻き、
静まり返って包み込む
  青い蒼い碧い
  無限の広がりだ

私を呑み込んでくれ
  殺してくれ
  生かしてくれ

その波打つ柔軟な腹に ....
硬い硬い残響に
冬の孔雀舞う
優雅に羽広げ
雪原を辿り

遥か突き上げた独立峰は唐突に
曇天の灰色背景に
クリーム色に映える
頂柔らかな円みを帯び

孔雀はもう止めどもなく涙を溢れ ....
鶴が一本脚で立っている
この灼熱の炎天下に

その脚が折れるのは時間のもんだいだろう
翔べないからこのどぶ川に取り残され
その時を只待っている


思い付いたよう毛繕いをしながら
い ....
夜の蒼い錯綜を
独り孤絶し歩いていく

どす黒い血に染まった
裏切り者の屍の群れを踏みつけていく道か

総て無条件に抱き締める
真紅透明な血に貫かれた赦しの道か

いずれにせよ、
 ....
なんにもない
なんにもないこの界は
ただ白く白く輝いて
音を響かせ和んでいる

響く音はそのうちに
透き通った奥行き旋律
形造ってくっきりと
光の輪となりループする

あふれるあふ ....
何度飛び降りようとしただろう
日々続くこの原因不明の激痛に
その都度、何か引き戻す力が働き
こうして生きているこの己

一回目はただただ驚き
二回目は俄に怪しみ
三回目で了解した

 ....
夏の夜、
死者の眼は見開かれたまま
わたしを凝視し
私は、
その濡れた瞳を通して
異界の存在たちを
観ていた

内から内から

内から立ち現れる
それらの眼差し
はまた、
わ ....
光、響き輝く
内底から内底から
響き輝く、光
 創造され創造され
光、響き輝く
  広がって広がって
響き輝く光
   闇の領域、貫く


閉域を逸脱し狂い
魑魅魍魎跋扈跋扈、
 ....
遠い遠い遠い造形
しなやかに湾曲しながら 沈んだ緑の空間を 静かに静かに生き生きと 近づいて来る近づいて来る

呼ばれ聳える一つの像

(記憶の堆積を貫いて、

常に不断に潜むモノ)
 ....
暗闇迫り
バタフライ飛び回る
紫と黄の鱗粉を撒き散らし
なんて美しいのだろう
どうして誰も気付かないのだろう

誰も居ないからだ
衣を剥がされ
さ迷う誰も

喧騒の街と悲鳴の肉
 ....
心が火照っているうちは
心が急いているうちは
詩は生まれないよ

魂がズキンと静かに脈打った時
詩の言葉は落ちてくる
 宇宙を舞う詩の言葉が落ちて来るんだ

興奮は不安と恐怖の裏返し
 ....
海が
光の海が
 広がる狭まる
  明るみ眩んで
  暗まり遠退き
 揺らぎ揺らいで
静まる感覚
奥まる意識


秘かな降臨
 気づきの一瞬
  凝視の息切れ
   いつもの ....
どんなに惨めな境遇にあっても
どんなに酷い苦しみに襲われていても

光の感覚が
懐かしい思い出のように
余韻を響かせる時、

魂は生き生きした理念に満たされ
霊の光を神の温もりを体験す ....
無風に花瓶、
押し倒れ
転がる転がる
少女の手許

受け止める幼手
花瓶は砕け
甲高い笑い声
さも当然に

さも当然に、
笑い声響く度
花瓶は完璧に粉々に
亀裂走っていく円卓 ....
どんな肉痛でも
どんなに抉られても
どんな裏切りでも
どんなに孤立しても
俺は息継ぎ息継ぎ生き続ける

肉の内なる霊性と
肉の外なる霊性が
出逢いスパークし
不可視響く 深い光の陰影 ....
透明な水
うかぶ黒い瞳

黒い瞳に煌めく無垢
感覚に残響し
感覚を越え
魂の核に食い入る
神聖と神聖が呼応し
浸透し合いながら輝き

やがて、

あちこち広がり始めていた闇の染 ....
照り返す緑、動かない
向こうの水色の家、
動かない


<ねぇ、もう少し静かにしてくれないかな>

背後のお喋りに僕は言う

<どうしてそんなに喋ってばかりいるんだ ....
太陽が西の地平に傾き
 雲の切れ間から橙の光の一筋を放つとき
 それはわたしの心を
深い余韻を以て響き照らす

わたしの魂は
追いかけても追いかけても届かない懐かしさと憧れに溢れ震え
永 ....
お経が唱え続けられている
畳の広間に敷き詰められた純白の布団に寝ている人達
は当然皆、死んでいる

お経が唱え続けられている
畳の広間に敷き詰められた純白の布団に起きている私
はしかし独り ....
海が広がっている
どこまでも
広がっている

ゆっくりと
波立ちながら
幾つもの筋を刻み
奥まっていくその生動

水平線に凝縮する濃紺を
雨空の灰白に際立たせ
のたりのったり
 ....
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