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「こんばんは、」


鏡越しに降る もしくは水面越しに降る 積もる

記憶は曖昧 瞳のシャッター 脳内現像と再生 にて

私を移ろい 彩る全てに於いて 堕落しないこのぬくもりは
 ....
自粛期間が明けてから
私の腹にジッパー付きのチャックが
度々現れるようになった

それは外側からも 内側からも開けられる仕様になっており
たまに内側から少しだけチャックが開き
体内から何か ....
吹き上げられた蜻蛉の、
羽に浮かぶ無数の生命線をなぞる

うつくしい、夜の前の空は脈々と
埃のように舞わせ 焦がしてゆく


 背中に彫った 哀しみの中に

 心臓をひとつ、 ....
琥珀色のぬらりとした
リボンのようなハエトリ紙を
白い壁の間借りした部屋に垂らす

夕焼けに光るそれはまるで
蜜をたらふく蓄えた大樹のようにみえて、

懐かしい実家の情景を誘って ....
白いカーテンの揺れる部屋は
少し黴臭く、湿っぽい
レンタルベットの軋む音の中に
心臓だけになった母親は 小さく呼吸を繰り返していた

はじめて母親の大きな身体が剥がれたのは 小五の夏休みだっ ....
午前四時と五時の間で世界は更新されている

深夜帯を泳ぐ
腹の膨れた子供たちの
ざわめきが 液晶越しに
蜃気楼のように 揺れている

更新ボタンをクリックしても
残像はどんどん ....
あなたへ、

人の顔を見るのが怖かったね

中心にポッカリと空いたブラックホールに吸い込まれて
2度と帰れないと思っていたね
きっと宇宙の中に私はいないと思っていたね

臆病な ....
猫町の午後は空が青ざめるほどの空想に満ちていて
透明なグラスに注がれた水のように
エーテル培養液がたゆたっている
光が当たる一瞬の陰から産まれる海月たちは
何万の子孫を一瞬にして吐き出 ....
折り目をつけて伸ばした四肢の
やわらかな月日を
わたしは今、眺めている



この街にきてから買ったIKEAの羽毛布団は
君を隠すにはあまりに大きく、窒息しかねないから
わたしは毎晩 ....
ただのみきやさんのゆるこさんおすすめリスト(9)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
藤の間_垣間見る- ゆるこ自由詩3*24-11-23
チャック- ゆるこ自由詩3*20-7-12
邯鄲(かんたん)の枕の側で- ゆるこ自由詩8*20-7-7
ハエトリ紙- ゆるこ自由詩11*20-7-4
母親の変態についての手記- ゆるこ自由詩12*20-6-25
明け方のフォルテ- ゆるこ自由詩520-6-9
あなたへ、- ゆるこ自由詩616-5-31
ゆ_う_か_い- ゆるこ自由詩316-4-11
春の息子- ゆるこ自由詩612-4-4

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